電子負荷装置作りました。
バッテリーのヘタリ状態などが知りたかったので、手元にあったありあわせの部品で作りました。
電子負荷、とは、電気を消費するものです。普通、消費電力の計測などには、複数の抵抗を組み合わせて流す電流を制御するのですが、そんなにワット数の丁度良い抵抗を用意することはできませんよね。今回作ったのは、負荷に対して電流制御をして定電流で消費するものです。電力は、この装置で消費するので、電熱器、みたいに熱で消費されます。5A位は大丈夫なように回路は作りましたが、ヒートシンクで十分な冷却ができないので、12V2Aなら大丈夫そうです。
回路はMOSFET(2SK2962)を負荷として、主回路に流れる電流を抵抗(0.1Ω)の両端の電圧と、設定電圧との差分をオペアンプ比較し、FETのGateを制御しているだけのものです。オペアンプの+端子の設定電圧と-端子の電圧が同じになるように動作します。
FETは、壊れたペンダントライトについていたPulse用のもののようですが、Data Sheetを見ると十分な定格があります。
主回路(回路図右側のFET-0.1Ωの部分)は、0.1Ωでも、5A流すと5x5x0.1=2.5Wになりますので、注意してください。今回は手元に丁度5W0.1Ωのセメント抵抗があったのでそれを使っています。
オペアンプは、よくあるLM358です。当初、制御側の電源電圧を5Vで作ったのですが、思うように動かなくて悩みましたが、このオペアンプ、出力電圧はVcc-1.5Vまでしか振らないもののようで、電源電圧が足りませんでした。(出力が電源電圧まで振れるものを、Rail to Rail というようです。新たに購入する場合は、そのあたりも考慮に入れることをおすすめします。) そこでこれもありあわせのAC電源(定格7V、実際は10V位ありました)を使ってあります。今回の場合は、Vgsが5V位が必要なので、少なくとも+1.5Vで、6.5V以上の制御系の電源電圧が必要となります。LM358は8pinパッケージに2回路入っているので、使っていない方はVoltageFollowerにして入力をグランドに落としています。
設定電圧をつくために、TL431というシャントレギュレータで2.495Vを作ってそこから分圧しています。
抵抗のパラ使いの部分がありますが、手持ちの部材でなんとかしているので、適当に読み替えてください。LEDは電源確認のためのものです。
ファンは後付しましたが、ファンをつけてもLoad 12V2Aでヒートシンクはあったかになります。瞬間的なら更に大きな電流を流せると思いますが、定常で大きな電流を流すためには、ヒートシンクやファンをもっと大きなものにする必要があります。
回路図は今回始めてKiCadという、回路図作成からプリント基板作成用のガーバーも作れるというものを使ってみました。まずは回路図だけですが。
ということで、2020年のお遊びもこれで最後です。
お決まりですが、免責事項です。この記事は本人の備忘録です。特にこの装置は、大電流を流すことになりますので、扱いを間違えると火災等のリスクもはらんでいます。もし、本記事を見て同様なものを作られる方は、ご自身の技術力と相談のうえ、ご自身の判断での対応をお願いいたします。
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