おもちゃ、家電、もろもろの修理の足跡と備忘録

色々と忘れるので、趣味のメモ

太陽光パワーコンディショナからのデータを見える化してみた(概要編)

2023-10-29 17:12:49 | 太陽光パワコンデータの見える化
<18年間動いたSharpのパワコン、、、>

<NEW! 2023/10/30「太陽光パネルの劣化について」の検討を追記しました>

まえがき:
 我が家では2004年にSharpの太陽光発電システムを稼働させました。2022年、稼働から18年、とうとう壊れました。10年保証に加えて5年の延長保証が切れて、そういうときにやはり壊れるんですね、、、。
 壊れてちょっとパワコンの更改などで聞いてみたんですが高い(ちょうど前後してエコキュートも壊れましてそれは待てないので交換したんですが、それより高い、、、)。で、躊躇して一年弱ほど放置していました。
 ここに来て電気料金の高騰、在宅勤務になってこの暑い中、とうとう今年の春に仕事部屋にもエアコンを設置したりして、昼間の電気料金も気になりだしました。そこで太陽光発電の再稼働に至りました。
 何件か聞いて、部品不足もあり結局Panasonicの太陽光パワーコンディショナ(パワコン)に更改することにしました。契約したのが7月だったのですが、再稼働したのが8月23日。メーカのお盆の時期にもかかりちょっと手間取りました。
 とうことで再度稼働を始めたのですが、一括制御モニタなる20台を制御できるという我が家にはオーバスペックすぎるリモコンが付きました。でも、瞬時電力と累積電力量しか出ないというプアさ(安いことは安いけれど)。
 我慢できなくなり、どうにかしてもう少しなにかデータが取れないか、とWEBをさまよいました。同じPanasonicのシステムをhackしてやられている方がいたのでちょっと覗いて、なんとなく理解して、でおもむろに工作に入りました。で、ようやく目鼻がついたので忘れないうちに記録しておきます。

システム構成:
 以下のパワコンと一括制御リモコンの間の信号をhackしました。
・Panasonicマルチストリング型パワコン
・Panasonic一括制御リモコン
この間は、RS485(双方向)と、パワコンからの電源+12Vの2系統、合計4本の電線で繋がっています。


RS485は反射を防ぐために両端で終端します。今回はRS485/TTLコンバータを系の途中に入れたのでこのコンバータでは終端はしていません。
電源は、パワコンからの12Vを使わせて頂き、DC/DCコンバータ(車のシガー用のUSBを使うつもり、、)で5Vに降圧して、処理を行うESP32に供給する予定です(まだやっていない。現在はUSBから5VをESP32に供給)。ESP32には3.3Vの出力端子があるので、それを使ってRS485コンバータに供給します。パワコンからの12Vは、夕方発電しなくなってから1時間 30分ほど(実測結果)でDownするようです。夜中は12Vは供給されない、というエコなシステムです。(でも、その1時間をすぎるとデータは覗けないわけで、、、)なので、朝復電するとESP32が再起動して動き出す、という言うことになります。

ESP32:
 ESP32はdevkitです。私が使ったのはDevkit v1。調べていただく方が簡単だと思います。よくできたボードで、以前ESP8266を使って気圧・温湿度の計測をしていましたが、それの後継機種(かなー)と思えば良いのではと思います。ソフトについては別途記載しますが、今回はこの上で、CircuitPythonを使ってPythonで開発しました。お手軽です。価格も1000円程度。

信号線を探す:
 リモコンの裏蓋を外すと、パワコンへの信号線(S+/S-)とRS485と書かれた2組の端子があります。システム図を見るとこのリモコンの上位には更に通信用のモジュールがつながるような図がありますので、このRS485と書かれた端子は上位と接続するもののようです(モニタすると少なくとも信号は出ていない)。
なので、パワコン側の信号線を覗きます。この信号線はレベルがRS485なのでTTLに変換するボードを大陸で探して買い求めました。(100円とか200円とか)。
今回は中間搾取?をするだけなので変換ボードからはRX端子のみの信号を使いました。

PCにつなげてシリアルデータを分析:
 シリアルなので、色々と探ると9600bps 8E1の模様。(パリティがEvenで設定されているシステムは初めてです、、、)
 さらに分析してみると、先人の分析とは異なるプロトコルになっているようで、20のデータが0.5秒間隔でラウンドロビンで転送されているようです。パワコンとリモコンの中間でモニタしているのでどっちが出しているのかはよくわかりませんが、
・リモコンが#1から#20まで順番に信号を出すと、それに呼応してパワコンがデータを載せてくる
という感じのようです。データ列にはデリミタは有りません。UARTのTime_out値でデータブロック受信の分離調整をしました。今回はパワコンが1台なので良いですが、パワコンを接続最大数の20台を繋げたら、結構処理が大変そうです。


もちろんパワコンは1台しかつながっていないので、残りはそれぞれ毎回同じデータが流れてきています。(誰が出しているのかは不明、、)
で、#1の262バイトを更に分析。とりあえずリモコンには瞬時電力と積算電力量が表示されているので、どこかにその情報があるのだろう、と当たりをつけてそれらのデータをByteに変換して262バイトのデータを検索。有りました有りました。何回かデータを取ってみて、変換してみると数値は合っているのでビンゴです。瞬時データは2Byte長、積算電力量は4Byte長で隣り合っていました。

ということで、ここまで仕様が分かれば後はアプリを作るだけですが、ここに来るまでに結構頭を悩ませました、、、、。
次回に続く。

番外編:「太陽光パネルの劣化について」
 19年ものの太陽光パネルですが、仕様上は3.2kW位だったと思うのですが、この数ヶ月の発電ピーク(たまにモニタで見る程度なので本当かどうか不明ですが)で2.0kWというのを見たくらいで、ざっと半分強位の容量しか無いように見えます。今回のパワコン設置前に計測したパネル電圧も当初より下がっていた(Openで250→239V、230→217V)ので劣化が進んでいるのかな、と心配していました。
 Sharpさんのユーザサポートにも聞いてみましたが、そんなもん、だそうですし、ほぼ同期にSharp製をつけた知人も数年前にパワコンを取り替えてやはり「そんなもん」だというので、本当に「そんなもん」なんですね、、、、。パネルを掃除すると多少は良くなるのかしらん、、、。まだこの先しばらく頑張って貰わないと。
 と、そういえば昔のデータが合ったっけ、と引っ張り出してきました。2004-2019までの16年間の毎月のデータを発掘できました。最初の5年(2004-2008)の10月の発電量の平均値は257kWh(16年の平均でも256kWh)で、この10月は284kWh、あらら、なんということでしょう。「20年前とたいして変わらん」というか、晴天率?の違いはあるかもしれませんがかえって「当初より10%程多い」ですね、、。最初からそんなもんだったのか、というのがわかりました。脳内美化されていたようです。
 この16年間の年次推移のグラフを見るとゆらぎはありますが、微妙に右肩下がりで有ることはわかります。16年間で10%downくらいでしょうか。
面白いです。


 上記はパネルだけではなくパワコンもへたって来ているでしょうし、20年前のパワコンより今のパワコンのほうが変換効率も上がっているでしょうから、パネルのヘタリ分は、もしかしたら帳消しなのかもしれません、、。
 今回設置のパワコンの謳い文句は「ロスの少ない電力変換効率96.5%を実現(力率0.95時)」だそうです。古いものがどのくらいだったかは不明ですが、そういう意味では素晴らしいです。データは嘘付かない、です。
 更に見つけました。古い取外したパワコンはJH-S302だったのですが、多分次の型と思われるJH-S402という型番のパワコンの仕様しか見つけられませんでしたが、変換効率91%と書かれていました。やはり性能も向上しているのですね。

最後にお決まりですが、本記事は自分の修理の備忘録です。修理、分解、稼働しているシステムへの接続を勧めるものでは決して有りません。参考にされる場合はすべて自己責任でご対応ください。


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