こんちゃっす。
キスオカントクです。
●こないだ、フラナリー・オコナー先生の
「人造黒人」という小説を読んだのです。
シドニー・ポワチエ扮するアンドロイド的な黒人が
人間サマを奴隷にしてコキ使う、
とりあえず景気のいい時にはヤルッツェブラッキン
などと叫んでる悪党どもを
ロングツインテ美少女とロボ犬と超破壊光線で、
一人残らずブチ殺す近未来SF、
というカントクのビックリドッキリな妄想は
ポチッと見事にハズれ、
アメリカの田舎から勇んで都会に出かけた際、
祖父が孫からの信用をガックリ落とすという、
とってもビターなお話だったのです。
その信用落下の部分をザックリ説明すると、
チョイ糞生意気な孫を懲らしめようと
祖父はわざと孫を迷子にさせるのですが、
焦った孫は通行人にぶつかりケガをさせて、
賠償だなんだと大騒ぎになってしまいます。
(後にこれは通行人の狂言とわかるのですが…)
そこで祖父は捕まった孫を助けるかと思いきや、
思いっきり他人のフリをして難を逃れるのでした。
嗚呼!生意気なことは言うものの今まで信頼していた祖父に
裏切られた孫の衝撃といったら!
この後、二人は田舎に帰りお話は終わっちまうのです。
なんかこのイヤンな感じ、昔読んだ
宮下あきら先生の「私立極道(きわめみち)高校」を思い出しました。
主人公の学帽政が子供の頃、
父と繁華街を歩いていたときに2人の極道に絡まれ、
息子である学帽政は当然父が自分を庇ってくれる
という予想に反し、その極道たちにコビへつらい、
あまつさえ学帽政は激しく父に殴打されてしまいます。
嗚呼!その時の学帽政の悲しみといったら!
この2つのお話に共通するのは、
「危機に瀕したとき保護者は子供に対してどうあるべきか?という問い」
と「信用の醸成と信用の失墜のバランスの違いの理不尽さ」
だとカントクは勝手に思いました。
●この2つのうちの1つ、
危機に瀕したとき保護者は子供に対してどうあるべきか?
という問いについてですが、
カントクのドドメ色の脳髄をニトロ噴射でムリヤリ加速させて、
ポンコツ美中年なりに考えたのです。
負けるとわかっていても、あえて強大な暴力に挑んでいくのは、
キャプテンハーロックや星野鉄郎でもなければ
非常にリスクを伴うものですし、
さりとて今回紹介した2人の保護者のように
自分のピンチに子供を見殺しにするのは、
単にその場しのぎであり、
子供にトラウマを植え付けるだけで老後にとんでもない
逆襲を受けることに他ならず、
これも賢明であるとは言えません。
ここで2人の保護者が失敗した場所を思い出すと、
「都会」と「繁華街」
という人の多い場所でした。
確率からいうと、ケガをしたと嘘を言い
賠償を求めるような輩や
子供連れの父親をタコ殴りにするような
粗暴なれんじゅう(BYちばてつや先生)
に出会うことが多いと思われます。
人の多いところ怖ええ…
田舎がいいよね!純!蛍!と言って
黒板五郎氏のように人の少ない富良野に行けば、
今度は人ではなくって自然がキビシかったり
先生が宇宙人だったり
折角作ったログハウスが丸焼けになったり
息子は恋人を妊娠させたり菅原文太兄イに誠意って何かね?
と小難しいことを聞かれたり娘は不倫したり
頑張って作った露天風呂が崩れて元カミさんのオバケに
寝ちゃダメって言われたり
よくよく考えても先生はやっぱり宇宙人だったり
ラストはゴミを再生して作ったディストピアで暮らす
夢を見たりで!!
やっぱりロクなことが無いわけで。
問題は場所を移動しても解決しそうにありません。
ここはやはり危機に対して適切な「防衛力」や「戦力」の保持、
またそれを運用する「情報処理能力」や「判断力」を身につけるのが
よかろうと思われ。
●もう1つの「信用の醸成と信用の失墜のバランスの違いの理不尽さ」
ですが、
やはりカントクの亜麻色の長い脳髄を高濃度過酸化水素とヒドラジンの
推進剤ででムリヤリ加速させて、
スクラップ美中年なりに考えたのです。
「信用」ってそこにいたる道のりがえらく急峻で
なかなか得難い勲章だと思うんですが、この勲章は消えちゃうのが
一瞬だったりしてなんかバランス悪いな~と。
なかなか貯まらない薬屋のポイントが利用期限を忘れてて全部消えていたような、
こちらが悪い、悪いとはいえ0ポイントってのは…
いやいや…やはりポイントってお店のサービスであり、期限までにお店に
行ってないことは0ポイントに値するペナルティを課されても仕方ない…の
かもしれません。
ん、ん?0ポイント…0ポイントなのでしょうか?
薬屋のポイントは0ポイントになりますが、人間の失敗はそれまでの
信用の醸成が一切鑑みられることなく0ポイントになるのでしょうか?
なんかちょっとくらい、0.00001ポイントほど残ってるんじゃないでしょうか。
信用を失うようなことをやった人を殊更にブッ叩くばかりではなくて、
この残っているであろうポイントのことを教えてあげるのが、
「人の情け」っていうことなのかも。
ここに至って、信用のポイントと信用の失墜のマイナスポイントは等価では
なくって当たり前、信用を失った人に今まで貯めてきたポイントが
まだ少し残ってるよゼロじゃないよ、ということが理解できました。
●以上、提示した2つの物語は、
「強くて賢い人間になれ!そうすれば悲しい目に遭わなくてすむ」
というのと、
「信用を無くした人間のこれからの可能性を、子供の頃から今まで
積み上げてきた何かの善行を思い出させることが「更生」と言うのでは
なかろうか」
…という示唆をアホなカントクに示してくれました、というご報告でした。
ムフフ。
いやあ、小説や漫画や映画やアニメってホンンッツとにいいものですね!
それでは股!