Rain dog 日々徒然 風に吹かれて気の向くままに

日々感じたことをつらつら書き綴っていきたい。音楽、植物を中心に。

マッサン パン作り( 父の思い出)

2014-11-15 11:27:10 | 父母
NHK朝ドラ「マッサン」で、最近マッサンがパンを作るのに窯を作っているが、それをみていつも父を思い出している。

父も別棟にあった風呂場を立て直した時に出た廃材を使って、パン焼き窯を作った。

父は確かお米があまり好きではなかった。父は新天地の北海道で生まれ育った。大正14 年生まれである。
今でこそ北海道名産のお米があるが、お米は元々は寒冷地には適さないのを、先人達の血のにじむ様な努力の末に北海道でも数々の名産が生み出されたのだと思う。

父が子供の頃は正にその血のにじむ努力の真っ最中で、失敗の連続の時期であったのだろう。お米はできなくはないがひどく不味かったようだ。

子供であった父には、不味いのに作り続ける大人達の神経というか姿勢が理解できなかったようだ。

新天地であればこそ日本人のアイデンティティを持ち続けたくて、先人達は米作りにこだわったのだろうと私は想像するが、子供であった父はそんな印象を根強くもってしまい、パンの方を好んだのだと思う。

そんな父はフワフワではなく硬いパンを食べたかったのだと思う。発酵もさせず、バターも入れなかったかもしれない。塩味位はした様な気はするが、味もほとんどしなかった。
何回かは焼いたと思うが、私が食べたのは一回だけだと思う。

ひどく硬く味もそっけもなく何とも言えないが、ともかく硬いので何回も噛み締めるしかない。するとあら不思議、ある瞬間から何とはなしに旨味の様なものが口のなかにひろがったのだった。唾液の魔法だろうか。
硬いものをよく噛むと食事がおいしく食べられ、健康維持に最適と健康番組などでよく出てくる、それと似ていたかもしれない。

窯はいつものように母の猛反対にあい、暫くして取り壊された。

亡くなった人の悪口はあまり言いたくないが、お父さん、やること為すこと全てお母さんにぶっ潰されてかわいそうだったね。