東京23区では、4人に1人が中学受験をし、5人に1人が私国立中学校に進む。
その受験率は区によって異なる。
では、どの区がもっとも中学受験率が高いのだろうか。
まずイメージできるのが「お金持ちの多い区」だろう。私立中受験は入学までも、入学してからもカネがかかる。
千代田区、港区、中央区あたりか。
以下は都が発表した市区町村ごとの私立中学校進学者から割り出した、平成30年度進学者のデータである。
ごらんいただきたい。
◆トップは文京区
中学受験率男子・女子ともトップなのが文京区。
東京大学本郷キャンパスをはじめお茶の水女子大学、中央大学、日本医科大学、順天堂大学、東洋大学、日本女子大学、拓殖大学、日本薬科大学などがある。
一方、都立高校(普通科)は竹早高校と向丘高校しかない。
私立中高一貫校も有名どころは少なく、桜蔭中学校、獨協中学校、跡見学園中学校のみ。
しかし、お茶の水女子大学附属中学校、筑波大学附属中学校、東京学芸大附属竹早中学校と、都立小石川中等教育学校など国立・都立中という選択肢がある。
2位は千代田区。
女子学院中学校、雙葉中学校、白百合学園中学校などの有名女子中学校をはじめ、暁星中学校、大妻中学校、共立女子中学校などの完全中高一貫校も多い。12の私立中のうち11校が女子校である。
元都立九段高校の区立九段中等教育学校もある。
大学も上智大学、法政大学、明治大学、東京理科大学、専修大学、日本大学、東京歯科大学、共立女子大学、二松学舎大学がある。
一方、都立高校(普通科)は日比谷高校と一橋高校しかない。
◆武蔵野市は都の平均以上
武蔵野市は昔から教育熱が高い。
駅で言うと武蔵境や吉祥寺。三鷹駅北口も武蔵野市だ。
中央線、京王井の頭線で東西に通えるという交通の便も影響しているのだろう。
一方、中学受験率23区ワーストは江戸川区。
私立中が江戸川女子中学校と愛国中学校しかない。
場所が東京の端ということも影響しているのだろう。
当然、所得の影響も大きい。
2018年の23区平均所得ランキングは、
1位 港区
2位 千代田区
3位 渋谷区
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19位 板橋区
20位 荒川区
21位 江戸川区
22位 葛飾区
23位 足立区
2位 千代田区
3位 渋谷区
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19位 板橋区
20位 荒川区
21位 江戸川区
22位 葛飾区
23位 足立区
所得ワースト3が、中学受験率もワースト3を独占している。
所得が低いほど私立中受験をしない。至極分かりやすい傾向だ。
なお私立中学校が1つしかない区は
中央区(開智日本橋学園中学校)
足立区(足立学園中学校)
足立区(足立学園中学校)
の2つである。
◆そもそも私立中受験をすべきか
小学校を卒業した後の選択肢は大きく3つ。
地元の区市立中学校へ行く、受験して私国立中学校へ行く、受検して都立中学校へ行く
私国立中学校の対策はやや似ているので一緒にした。
都立中の適性検査は独特なので、私国立とは分けてある。
私の考えは、
子どもに適性がある
保護者に経済力がある
親子とも中学受験に前向きである
保護者に経済力がある
親子とも中学受験に前向きである
この3点すべて満たしている場合のみ、中学受験勉強を始めるべきだと考える。
適性とは、受験勉強を最後まで続けられるかどうか。
端的に言うと「勉強に向いているかどうか」だ。
中学受験はある程度の才能が必要だと思っている。
なぜなら中学受験は希望者のみが戦う。ほぼ全員が進学する高校受験や、7割以上が希望する大学受験とは性質が違う。
都内のお利口な上位25%の小学生が、限られた席を競い合う。最もハードな受験である。
よって準備期間も3~4年間が普通。難関校を受けるなら小3や小4になるタイミングから塾に通う子が大半だ。
中学3年生になった4月から、大学受験勉強を開始するようなものである。
高校受験、大学受験の受験勉強はせいぜい1年前後。
それも9歳10歳の小学生がやるのだ。中学受験がどれだけ過酷なのかが分かるだろう。
勉強がイヤだったら続かない。
子どもは「がんばる」と言うだろうが、親から見て我が子が本当にやりとげられるかはしっかり判断しよう。
途中で挫折する中学受験生も少なくない。
子どもは「中学受験はしたい」が「受験勉強がしたい」わけではない。
しかし、中学受験するのは受験勉強は不可欠。小学校の授業だけでは到底不可能である。
小学校のテストで90点未満を取るようなら、中学受験は止めたほうがよろしい。
特に算数で100点が取れないのは論外。分かっていないまま先に進んでしまっているなど、何か問題があるはず。
小学3,4年生なら算数100点は基本だ。
※私の言う中学受験は、倍率3倍以上の中学校についてである。
1倍台の私立中学校であれば、小学校の勉強でも十分。
そこまでして入る価値があるかどうかは、その家庭次第。私の子どもだったら絶対に行かせないだろう。
1倍台の私立中学校であれば、小学校の勉強でも十分。
そこまでして入る価値があるかどうかは、その家庭次第。私の子どもだったら絶対に行かせないだろう。
絶対にお薦めできないのは「子どもが嫌がっているのに中学受験勉強をさせる」こと。
成果も出ない、親子の関係も悪化する、カネもかかる。
最後は受験に失敗し「だからイヤだって言ったんだ」と子どもが思い、中学に入ってから勉強を拒絶するパターン。
よくあるケースだ。
◆まずは適性を試そう
算数は小学校のテストで最低ラインの適性が分かる。基本的に100点を取っているかどうかだ。
難しいのが国語。なぜなら小学校のテストが簡単すぎるから。
特に選択問題は、明らかに間違っている選択肢ばかりで、文を読まなくても正解できるような問題ばかり。たいてい正解してしまう。
しかし「20字で書きましょう」などの記述問題ができない子が多い。これは書き方を習っていないから。
読書感想文も好きに書きなさいと指導されているが、正しい感想文の書き方というものは存在する。教わらなければ小学生なら書けなくて当然だ。
4教科で一番大切なのは国語だと私は思っている。
すべての教科に国語力が必要であり、国語力がなければ考えることができないからだ。
そして国語力は小学校に入る前、普段の生活でも差がつく。
自分の子ども国語力がどのくらいなのか、一度試してみることをお薦めする。
中学受験しようとしまいと、国語力がなければのちのち苦労することが明らかだから。
むしろ中学生になっても国語力が乏しい子に、私は危機感を覚えている。
受験するかどうか迷っているなら、自分のお子さんの国語力がどのくらいかを試してみるといい。
そのために「ブンブンどりむ」を利用するといい。
私の塾では、この”無料体験キット申込”だけ請求し、子どもの「書く力」を調べることを小学生の保護者に薦めている。
無料体験だけやって、継続しなければ費用は1円もかからなかった。(強引な勧誘などは来ないからご安心を)
◆都立中受検は作文ができなければ100%受からない
このサイトの主旨とずれるので簡単に書くが、都立中高一貫校こそ作文力で決まる。
「算数は得意だけど国語が弱い。特に記述ができない」という子は都立中受検には向いていない。
作文の力があるか、国語力はどうなのかは塾に通っているならその塾の先生に聞いてみるといい。
「本当のことを教えてほしい」と言えば、教えてくれるはずだ。
お茶を濁すようなことを言ったり、褒めるだけで本当のことを言わないような塾なら今月いっぱいで辞めるべきだ。
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