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千躰荒神大祭

品川海雲寺の荒神様の例大祭が、先月末に行われました。

あいにくの悪天候にもかかわらず、信仰の力は強いもので、多くの方々の参詣をいただきました。

今回は、荒神信仰について紹介しましょう。
当寺の荒神信仰は、九州の鍋島藩で信仰されたものを江戸に伝えたものだそうで、もともと荒神とは、人の中に住み着く溺欲や、正しいことに向かう清い心を悪の炎によって焼かれることを防ぐ神として信仰されたようです。
            

これが、江戸の街においては、火災を守る火伏せ、かまどの神として信仰を集めた訳です。実際に当寺は、400年もの間、数多い江戸の大火、関東大震災、東京大空襲などの幾多もの災難を免れ、その度に人々の信仰をより強めて参りました。空襲の際にも、周囲が焼け野原となった中、無事に残った姿が報道されたこともあったようです。

現在は、火を使わなくなりました。しかし、私たちをとりまく災難の火は様々な形で迫っています。

かつては、火を扱う食べ物商売の方々、接客芸能関係の人々で賑わったそうですが、近年ではボイラー、火力発電関係の方々も特別の祈願の申し込みが多くなっています。ある大手電力会社様では、役職員そろって、制服で参詣されます。本年は、金融関係の方もおおかったように思います。
現在の各防災組の代表者による祈願。現在も鳶職などの親方衆がかつての火消し組合を引き継いでいます。
江戸期の各組合の寄付額


浪曲師廣澤虎造の祈願額

各家庭には、荒神様のお宮(お厨子)を台所に安置し、この大祭や毎月のお護摩に持ち寄って、加持祈祷をしてもらう訳です。この荒神神体は、お護摩の火の後の灰で作ることもあるようです。
 
   
さらに、様々な願いを護摩木に書いて、護摩として焚いていただく祈願も人気です。
 

境内や前の通りは、露天商で賑わいます。中でも昔からの人気は、かまどの形をした名物「荒神おこし」。
 
                              
お札の人気は、盗難除けの「角札」とトイレの守護神の「ウスサマ明王様」です。台所、水回りを守る寺として、また禅宗(曹洞宗)がトイレを大切に考えるところから、このほとけ様への信仰も多く寄せられています。江戸情緒あふれる寺です。京急青物横丁駅そば。

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コメント
 
 
 
拝見致しました (N.E)
2008-12-03 22:12:08
管理人様
本日はいろいろと有難うございました。

早速ブログを拝見に伺いました。まだ全て拝見いたしておりませんが、全国を歩かれているので各地の撮影をされていますね。

次回更新時に、貴HPをリンク致しておきます。
これからはネットでも宜しくお願い致します。
 
 
 
→N.Eさん (tera)
2008-12-04 17:26:13
昨日はお世話になりました。
早速アクセスいただき有り難うございました。
貴ページ、拝見させていただきました。素晴らしい写真の数々、趣味と仕事と大変なご活躍ですね。紫陽花とメジロの画像と音楽、素敵ですね。

また、ゆっくりとお話を聞かせてください。
 
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