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北岳紀行① ~白根御池~

 ルートに沿って、北岳を紹介します。常連の方も、懐かしくご覧ください。初めての方は、挑戦への参考になさってください。

 北岳だけを目指す登山口は、ほぼ「広河原(ひろがわら)」に絞られます。ただし、ここに行くまでが大変。この地に入るまでの南アルプススーパー林道は、夜叉神峠(やしゃじんとうげ)からマイカー規制、しかも通れるバス・タクシーも、朝昼2回の時間指定で自由に通れません。甲府から直通バスで2時間。
 私達は、自宅を早朝3時半に出て、途中の芦安(あしやす)温泉の駐車場に停めて、バスに乗り換えて、8時半頃広河原に到着。登山センター(アルペンプラザ)で、メンバーや行程を書いた入山届を提出して、出発。

広河原付近 吊橋

野呂川にかかる吊橋を渡り登山道に。ここから北岳までは、三っつのルートがあります。

①白根御池コース・・・樹林帯を抜けて、白根御池小屋を経由して、草スベリと呼ばれる沢筋の草原地帯を直登するコースで、最も登りが過酷なコース。標準で6時間の登り。草スベリは花が豊富。

②右俣コース・・・大樺沢沿いに二俣まで登り、右の沢づたいに草原とダケカンバ樹林帯を抜けて、頂上付近で①のコースに合流するコース。最も安全で短時間で登れるコース。お花畑も通る。

③左俣コース・・・②のコースの二俣から、そのまま大樺沢を詰めて八本歯のコルと呼ばれる岩場地帯を通過して、反対側から北岳に登るコース。バットレスと呼ぶ北岳の岸壁を眺め、スリル満点のアルペンムードを味わうことができる。二俣から上部は雪渓が残り、落石も多く、事故も多発している。

 北岳ファンは一度は③のコースに立ちたいものだが、中高年にとっては危険が気になる。①のコースの魅力の一つはコース半ばに素敵な白根御池小屋があり、ここに泊まれば、ここから②や③のコースへ迂回(トラバース)してバリエーション豊かな北岳登山が楽しめるが、時間がかかる。
 そんな理由で、今回は準備不足もあり、②のコースを選択していた。

 
ところが、思わぬ事態となってしまった。リーダーの私が道標を見間違えて、コースを間違えてしまいました。その場所は、①と②③コースとの分岐点で、この写真の時にはそのことに気付いていませんでした。
 

道標部分を拡大すると、「北岳 白根御池」とあります。この下には、「大樺沢」という表示で別の方向を指すものがありました。これが②③への表示だったのです。ところが、『北岳』を目指す私達にとっては、まだしばらくは、このまま合流して進むものだと思ってしまったのです。この時、「北岳」という文字がなければ・・・、あるいは、もう一つの方にも「北岳」という文字が入っていれば間違えはしていないでしょう。不注意とはいえ、恨みました。しばらく登って気付いた時は、一気に疲れが倍増しました。小屋に魅力はあったものの、このコースだけは避けたいと思っていました。実際に登る人は少ないのです。つまり、私達は今回、①のコースをたどった訳です。

 確かに厳しい登りで4時間ほどかかって白根御池(冒頭の写真)に着きました。予定にないこの地は、深い山の中のユートピアでした。

      
 これは、今年6月に新装なった白根御池小屋です。この小屋は数年前に雪崩で崩壊して、プレハブの仮設小屋で運営されていたのです。昨年はここに泊まる予定でした。今度の建物は、水洗トイレ付、寝具も布団カバーがつくふわふわのもの。小屋では考えられない快適さです。南アルプス市営となっていました。
 北岳の山小屋は四っつあります。登山口の広河原に「広河原山荘」、中腹のここ白根御池に「白根御池小屋」、頂上直下北側に「北岳肩の小屋」、南側に「北岳山荘」です。
 今回は、白根御池小屋にとても泊まりたいと思いましたが、明日の日程を考え、上を目指しました。この上には、綺麗な高山植物群が待っていてくれました。

 
草スベリを登る一行。下に見える小池が「白根御池」

 思わぬ、コース変えで、疲れはしましたが、訪れて良かった・・・、少なくてもこの時まではそう思いました。(続く)

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