とある寺院の日記。苦労もあれば夢もあります。ごくごくフツウの毎日ですが・・・。
tera日記
新庄引退
日本ハムが優勝し、新庄選手の引退会見がありました。
阪神時代に活躍し、優秀な選手でしたが、個性派で現代若者気質の高い選手のイメージを持っていました。野村監督時代でしたでしょうか、契約更改の際に金銭的には不利な条件にもかかわらず、大リーグに移籍し、さらに個性的なキャラクターを生かしてきたように思います。そして、北海道へ・・・。
大胆なパフォーマンスでファンを引きつけ、日本ハム球団を人気球団に育てた貢献の数々は記憶に新しいところです。段々と、人柄、考え方が私達にもわかるようになってきたのだと思います。
新庄選手のすばらしいと思うところは、一つひとつにポリシーがあって大事にしているところです。応援してくれる人、大切にしたいこと・・・。中でも、使用しているグローブは、17年前に、最初の給料で7,500円で買ったものだということ。引退の理由は、「このグローブがもう疲れたと言っている」からなのだそうで、物を大切にするということを全国の野球少年に教えてくれていると思います。きっと新庄選手を見習って、ボロボロになるまで物を大切にする子が育つはずです。
優勝の決まった第五戦の、新庄選手の現役最終の打席と思われる時、打席で彼は泣いていました。その場面の会見で、すがすがしいエピソードを聞きました。
捕手の谷繁選手がこんなふうに言ったように聞こえたというのです。
「泣くな!!ストレート行くぞ。」と・・・。
日本ハムがリードしていたとは言え、優勝がかかった大一番。オールスター戦ならいざ知らず・・・。日本シリーズでは土壇場から逆転優勝した例はいくらでもあります。きっと、谷繁自身あきらめてはいないはず。その場面で、球種を告知しての男気がぶつかったストレート勝負であったに違いない。投手もきっと同じ気持ちだったと思う。結果は、予告どおりの高めのストレート。そして、フルスイングの三球三振。
ライブで見れなくて残念でしたが、感動の場面でした。
このような、心が加味された戦いがスポーツの魅力でもあると思います。
そして、もう一つ印象的な言葉があった。それは、記者から「一番印象に残った試合は?」と聞かれた時に、調子が悪くて結果が出せなかったとき、空のペットボトルを観客から投げつけられた時、悲しかったと言っていた。調子が悪い時もあるので暖かく見守ってほしい・・・とも。
こだわりの個性派、新庄選手は、いろいろなことを教えてくれて、現役を引退した。
胴上げされる新庄選手(時事通信)
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最初は、ただのワンマン野郎かと思っていた新庄選手でしたが、そのワンマンな感じが、人を引きつけるカリスマとして輝きましたね。その意味では、大リーグに行ったことや、積極的にパリーグに行ったことなど、色々な面で先駆的な方でした。
これまで日本プロ野球は人気のセ、実力のパ、なんて言われていましたが、人気がなくては経営が成り立たないわけですし、新庄選手は1つの理想を打ち出したような気がします。人気がなければ作り出せばいいわけです。
確かに、野球を楽しむことのイメージを変えたかも知れませんね。
でも、今回の引退でいろいろテレビを見ていたら、日本ハムが北海道に根付いて人気球団となるまで、いかに新庄が貢献したかがよく分かって、感心しました。選手たちも大きな影響を受けて、とてもノリのいい元気な球団になったのも、すべて新庄のおかげなんですよね。
新庄のための日本シリーズ、という感が否めなくて、出来すぎ!と思っていましたが、その貢献度を考えるとやっぱり偉大な選手だったんだとごく最近になって思えるようになりました。
確かに北の大地の盛り上がりはすごいようですね。でも、引退して下火になったのでは、せっかくの盛り上がりがもったいないと思います。責任もって見守ってほしいと思いますが・・・。