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宮沢賢治イーハトーブの世界

花巻は宮沢賢治のふるさとです。沢山の関係施設、展示物があります。街の掲示板、店舗の看板も賢治の童話に因んだ言葉にあふれています。冒頭の写真は、童話館に立つ「風の又三郎」の記念オブジェ。
「あんまり川をにごすなよ」という又三郎の言葉。

               
  
仕事のあとの時間、地元のM師に案内いただき、賢治の世界を満喫してきました。
  
  
  

もう、宮沢賢治ファンなら、馴染みのキャラクターばかりで、楽しい世界だと思います。どこを歩いていても楽しい気分になります。
これは、実際に使用しているトイレです。
食堂にも、「注文の多い料理店」、「風の駅、イーハトーブカフェ」などという看板もあります。この店のわさび冷麺は絶品でした。
   
後ろの三角はスイカ、中央がレモンに乗っている「ねりわさび」麺もコシがあって美味しいです。

昔読んだので忘れてしまった方、意外と知らなかったなぁという方のために、代表作品や用語をまとめてみました。


    宮沢賢治の作品と用語 

よだかの星
 はちすずめかわせみの兄でありながら、醜さゆえに鳥の仲間から嫌われ、からも改名を強要されてしまったよだか。彼はついに生きることに絶望し、太陽や星にその願いを叶えてもらおうとするが、相手にされない。居場所を失い、ただ夜空を飛び続けた彼は、最期に悲鳴をあげて、青白く燃え上がり「よだかの星」となる。
   人権差別、いじめなどの人間が内在する負の心をするどく描く宮沢賢治らしい作品です。

イーハトーブ
 宮沢賢治作品に登場する架空の都市名。世界共通語の必要を説き、エスペラント語を学んだ賢治だが、エスペラント名でなく、ロシア語風にアレンジした名称。命名の由来を考えると、岩手の旧仮名遣いの「いはて」をそのまま Ihate として、それにロシア語風語尾をつけてIhatov イーハトーブ としたと考えられている。

注文の多い料理店
 二人のイギリス風の男性が狩りをしに山に出掛ける。恐ろしい雰囲気の中、同行の犬2匹が死んでしまうが、お構いなしに金銭的な損得に余念がない。そんな時、「注文の多い料理店」と書いた看板のレストラン山猫軒に入る。実はここは、客に注文を多くつけて、客を食べてしまおうという山猫の店だった。絶体絶命の時、死んだはずの犬に助けられて危うく助かるという物語。
 利益中心の間違った考えを動物に教わるという、奥深い童話。

銀河鉄道の夜
 父が漁に出て消息不明の上、病気の母を見守り、印刷所で働きながら学校に通うジョバンニ。いじめられる中、友達のカムパネルラだけは優しかった。ある祭りの夜、再度いじめられ、誰もいない暗い丘に寝転んで星を見上げた時に夢を見た。ジョバンニと カムパネルラの二人で宇宙を旅する幻想的な夜の軽便鉄道の夢だ。しかし、夢から覚めるとカムパネルラは、川で溺れた他の友人を助けようとして亡くなっていた。
 この物語は、未完成のまま発見された作品で、解釈についても様々であるが、実妹を亡くした悲しさと、天国と考えられる星座に関心が高かった賢治の特徴的な作品である。

風の又三郎
 高田三郎は村の子が持っている常識が通用しない転校生。一郎や嘉助ら村の子供達は三郎に戸惑いながらも自然の中の冒険遊びを通して親交を深めてゆくが、村の子達だけで結束して三郎を疎外してしまう。三郎が転校したことを知らされた時、三郎の正体は、やはり伝説の風の精だったと結論づけて物語が終了する。わずか12日間の日記風の物語。岩手には「風の三郎」という伝説があるという。
 他の作品に比べて、写実的で子供心をよく表した賢治の代表作である。

セロ弾きのゴーシュ
 
ゴーシュは町の活動写真館の楽団「金星音楽団」でセロ(チェロ)を弾く係。ゴーシュは下手なためにいつも楽長に厳しく叱責されていた。そんなゴーシュのもとに、動物たちがアドバイスしてくれる。カッコウからはリズムを、タヌキからは音程を、ネズミからは感情を教わる。音楽会の本番でゴーシュの演奏が聴衆の心を動かし、楽長から褒められて初めて自分の上達を知り、動物達との練習の日々を懐かしんだ物語。
 賢治は実際にチェロを弾いていた。音楽にも詳しく、動物たちと音楽とがかみ合い、温かな物語となっている。

[解説文は、ウィキペディア(Wikipedia)を参考にteratが編集しました。]

 私は、個人的には教員時代に国語の教科書に賢治作品が多数出てきていて、教えたことを思い出します。『雪わたり』『山なし』『風の又三郎』『虔十公園林(けんじゅうこうえんりん)』などが印象的です。今振り返ると、賢治のねらいは奥が深いですね。
思想としては、『法華経』を崇敬し、特に「如来寿量品」の「一心欲見仏、不自借身命(一心に仏を見んと欲すれば、自らも身命を惜しまず)」の教えにひかれたという賢治ですので、不屈の真実を見据える力があったのですね。
 大人にもビシビシ警告を発した物語の数々であったように思います。
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