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彼岸

「暑さ寒さも彼岸まで」とは、良く言ったもので、ほんとにいい季節になるものです。必ずこの時期になると覚えていたように、彼岸花が芽を出し、入りの日には写真下左のように蕾をつけ、次の日は右にふくらみ、中日には下。本日(上)は満開です。

   
                           「花はえらいのう、ちゃんと季節を覚えておるわい」と、永平寺の105歳の禅師様がおっしゃるそうです。ほんとうにそうですね。

   彼岸は仏教用語で、此岸(迷いの世界)から彼岸(悟りの世界)へ到る「到彼岸」を意味することばです。ですからこの一週間は仏の世、あの世に思いを馳せてお墓参りをしてご先祖供養をする習慣となっています。ところが、本来の到彼岸の意味からすると、今生きている私達が、悟りの境地を目指して、日常生活の生き方を反省し見直す大切な期間とも言えます。同じ頃に交通安全週間が実施されますが、彼岸は「正しい生き方点検週間」とも言えましょう。そのように考えて仏教用語を見直してみるとなかなか味わいがあります。彼岸の心得として伝統的に6っつの項目が挙げられています。いろいろなところで説かれていますが、私なりにコンパクトにまとめてみました。

   1.心や金品を施す       布施 (ふせ)
   2.ルールを守る         持戒 (じかい)
   3.がまんする           忍辱 (にんにく)
   4.努力する             精進 (しょうじん)
   5.冷静さを保つ          禅定(ぜんじょう)
   6.真理を会得し実践できる  智慧(ちえ)

 ところで、この6っつの徳目は、それぞれに「到彼岸」という意味の原語(パーラミータ)からの音写語「波羅蜜多」(はらみった)が付いていて、悟りの岸に到るための乗り物を意味しています。たとえば、布施波羅蜜多、持戒波羅蜜多、・・・というようにです。
 6番目の「智慧」の音写語は「般若」ですので、「般若波羅蜜多」(はんにゃはらみった)となります。有名な『般若心経』は、悟りに到る真理を会得して実践する極意が書かれたお彼岸のお経であることは、意外と忘れられていることなのです。

 

 

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
Unknown (kenryu)
2005-09-25 08:10:40
 おはよう! タイムリーな話題有り難うございます。今朝、日テレで彼岸花の特集してましたよ。拙寺の土手にも咲いています。

 しぱらくブログの再開に時間を要されましたので、すわ一大事でも・・・と勝手に妄想してしまいました、安心安心。

 さて、こちらもいよいよ2週間を切りました。ここへ来て、何から手をつけたら良いかなどと、戯言をほざく毎日です。今週は御征忌に振り回されそうです。

  賢  
 
 
 
→kenryu兄 (tera)
2005-09-25 10:39:24
ご心配かけました。体調的には長崎の分をまだ引きずっていて、その上、彼岸中にもかかわらず仕事が入ってきて慌しくしていました。この日記、心身ともに万全でないと続きませんわ(笑)。本日は台風の影響でこちらはやや風強し。



いよいよ、カウントダウンですね。早目に行った方がいいようでしたら、到着日時を指定してください。

祖山の御征忌にも随喜ですか?うちの息子は今回は欠席のようです。
 
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