トシダナルホの余談の時間♪

イラストレータートシダナルホのお仕事紹介と戯れ言

映画のお話

2008-06-12 | インポート
水野晴郎さんに捧げます。

今日は映画のお話を書きたいと思います。

先日、お友達のジョンソン針ソンさんが、インターネット交流サイトの日記に
私の今、かなり気になっているレーシック(視力矯正手術)を受けたとの報告を
載せたというので、読んでみました。
思ったより怖くなさそうだなー。でも怖いなーと思いながら
ひととおり読んで、他のページもちょぴっとクリッククリック盗み読みしていたら
劇団ひとりさんの小説を映画化した「陰ひなたに咲く」が
オモシロカッタと書いてありました。
私はこれは困る!喝!と思いちょっと旬じゃないけど
キーボードを叩く次第です。

勿論、映画を観て楽しむのは個人の自由ですよ。
でもー!あの映画は全然なっとらん!のです。
楽しめた人は、多分小説を読んでないんです。
原作という使い方はしたくありません。

そもそも小説「陰ひなたに咲く」はいくつかの短編から構成されていて、
その一つ一つに東京の片隅に住む駄目人間だけど、憎めない主人公が登場する
読み終わると心がほっこりとするようなお話達です。

まるで、路地裏のコンクリートとコンクリートの間にひっそりと咲く
小さな大犬のふぐり、小さい癖に大犬のふぐりを

「よく咲いたね。」
「きれいだよ。」

と愛でるような、そーんな優しい愛情にあふれた作品なんです。

そして、一つ一つのたわいもないお話しが後でこっそり繋がったりする
小技が大変憎らしく、効いてるんですね!

川島省吾さん(劇団)という方は、昔いろいろファンの女の子等に
いろんなオイタもしたそうだけど、あの本を読む限り、人間に対して
とても暖かな愛情を持っているように思いました。

       ※

しかーし!!映画はといいますと
岡田准一さんだの宮崎あおいちゃんだの、今をときめく
日なたで太陽をサンサンと浴びているような人気者が出演し、
はじめっから一つの映画として、数々のエピソードが繋がっている事が
前提になってしまってるんですよ。
これじゃーなんの意味もない!

そして、小説においてのささやかな出来事が
BGMにのせられて、ドラマティックに演出されちゃって、
もういよいよ台無しですよ。

私個人の意見としましては、これはね。
劇団ひとりさんの小説「陰ひなたに咲く」にインスパイアされて
作った映画。タイトルは「大東京」です!って言ってくれれば
納得出来るかもしれません。

でも、まあ全くつまらない訳ではないので
恒例の、原作を先に読むか映画をさきに読むか問答で
言うならば、映画を先にどうぞ!