
たまたま時間に余裕ができたので、国語の授業にT2として参加した。
2年生の、スーホの白い馬の授業だった。
11の文について学習していた。
スーホはおおかみをおいはらって、白馬のそばにかけよりました。
白馬は、体じゅうあせでびっしょりでした。
きっと、ずいぶん長い間、おおかみとたたかっていたのでしょう。
先生の発問は「10の段落のスーホの気持ちを書きましょう。」でした。
子どもたちは、ノートに書き終え
「オオカミから、ぼくの羊を守ってくれて、ありがとう。」
「オオカミから羊を守って、とても大変だったね。」
そんなことをノートに書き、発表しています。
が、私が支援している子は、何も書けません。
「何を書いていいか、分からない。」と言っています。
その子の言い分はもっともです。
12段落に、「よくやってくれた」「ありがとう」とあるので、12ならかけそうです。でも、11段落には、スーホの気持ちは載っていないように見えます。想像するしかありません。
何だか、道徳の授業のように思えます。
ただし、よく考えると、スーホの気持ちは見えてきます。
おいはらう=じゃまな(うるさく寄って来る)ものを追って、そこを どかせる。
だから、オオカミはじゃまだと思っています。
て= 一連の動作・作用が行われることを表わす。
そば= 空間の隔たりが無いこと。ある物の、すぐ横(近く)。かたわら。
かけよる= 走って近寄る。
スーホはじゃまなオオカミをどかせるとすぐに、走って白馬のすぐそばに走って近寄ります。
では、スーホにとって、「オオカミを追い払う」「白馬に駆け寄る」ほ、どちらが重要なのだろう?
「て」の例文の、「朝起きて顔を洗う」を考えると、一連の動作だけれど後の方が大事なように思う。
つまり、本当は白馬のところに駆け寄りたいのだが、それはオオカミを追い払わないとできないことだったのだ。
そう考えると、この部分からは、「オオカミを追い払って早く白馬のところへ駆け寄りたい。」というスーホの気持ちが分かる。
なぜ、駆け寄りたい。のだろう。
A 心配だから。
B 疲れているから
C お礼を言いたいから
Bはちがいます。だって、近寄った後に「汗びっしょり=長い間羊を守っていた」ことが分かるからです。
C お礼なら、駆け寄らずにすぐに遠くからでも「ありがとう」と言えばいいです。
実際に、お礼をいうのは実は次の段落です。なぜなら、この時点でそんなに長い時間をかけて、必死に羊を守り通したことはまだよく分かっていなかったのです。・
A そう考えると、答えはAになりそうです。駆け寄るのは、一刻も早く白馬のそばに行かねばならぬ理由があるはずです。白馬がいかに優秀な馬だといえども、相手はオオカミです。オオカミと馬なら、どう考えたってオオカミの方が強いです。それに普通オオカミは群れで行動します。いかに白馬であろうと、無事であるはずはありません。だから、駆け寄って白馬の様子を見たかったのです。
こんなことを学んだ後で、
「10の段落のスーホの気持ちを書きましょう。」と発問すれば、だれもがスーホの気持ちが書けるように思いました。
次回以降の「浜松授業研究の会」の予定です。
第30回 | 2013年2月16日 | 土 | 9:00 | 12:00 | 天竜壬生ホール | 第2会議室 |
第31回 | 2013年4月13日 | 土 | 9:00 | 12:00 | 天竜壬生ホール | 第2会議室 |
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