【申告】
1,電池ふたのロックレバーが壊れました。
2,車の直進性を調整する部品が外れました。
3,良くわからないのですが、右か左に操作しようとすると動きがおかしいようです。
【診察】
夏に帰省するお孫さんのために、おじいちゃんが持ち込まれました。
バンダイの名前で発売されていますが、CCPから供給されているのでしょうか?
CCPでも同じものが発売されています。
主な仕様は、
■周波数:27MHz ABCバンド切り替え
■アクション:フルファンクション、前後進、右左折、ストップ
■電池寿命:約40分
■操作可能距離:屋外約20m
■速度:最高時速15km
のトイラジコンです。
1,
折れたボスは本来シャーシから出ていて、カバーの穴を通ってバッテリーボックスふたを止めるレバーをねじ止めしています。
ボスは、レバーをねじ止めしているだけで力のかかる部品ではありませんが、シャーシにボスを接着してもレバーを止めるねじの力には、負けそうなのでボスをカバーに接着することにしました。
2,
直進性を調整するレバーに破損はなく、バネが見える状態で挿入すればOKです。
ところが、送信機で操作すると右折方向に動きません。内部を開けて診ました。
すると、シャーシに傷がありステアリングリンクに打たれている釘の先端が当たっていることが分かり先端を切断して当たらないようにしました。
また、ステアリングリンクと車輪との結合部の動きも渋かったので、やすりで長円内部を削り動きをスムーズにしました。
これで右左折の機構的な動きはよくなりましたが、地面に置いて走らせると右左折が動きません。再び内部のモータ付近を確認しました。
モータのピニオンギヤが割れていました。交換して右左折ができるようになりました。
ラジコンカーを手に持つとタイヤは回るけれど、地面に置くと走らないという ”あるある” 症状でした。
さらに内部を観察する中で、左右ステアリングのストッパピンが折損しているのが見つかりました。
ストッパピンが無いとタイヤとシャーシが干渉します。
そこで、折損したストッパピンを作りました。
これでステアリングの構造的病巣の治療は、終わりです。
3,
詳しくわからない症状を診ます。
ステアリング操作で右折をさせると、時々右折と直進とを繰り返すような動きをします。さらに注意深く観察すると、浅く回すと起きず、深く回すと起きているようです。
これは、車体側ではなく送信機側に病気が潜んでいそうなので診ます。
ステアリングの電気的接点の様子です。
基板上のパターンが摩耗していて、深く回すと電気的な接続が断たれてしまうようです。そのため右折と直進動作を繰り返す動作になっていました。
基板側の治療より摺動子側の接点リードの曲げを変更して、基板上のパターンとの接する場所を変えることにしました。
お孫さんがおかしいと言っていたのは、この症状のことを言っていたのでしょう。
【治療後記】
申告症状より内部を診察すると色々な病巣がありました。
激しい使い方がされるので、車体のダメージも大きいのは止むを得ないところでしょう。
おじいちゃんからの間接的な申告でしたので詳しい病状を問診するのが難しかったですが、なんとか健康になったのではないかと思っています。