見出し画像

おもちゃ病院さど Doctor_Rの治療カルテです。

北国からネルル が来院しました。

           

患者さんの申告内容

 購入して14年。突然うごかなくなった。

初診

 可愛がられていたのでしょう。

 外観、電池端子ともにきれいな状態です。

 電池電圧も正常です。

 ただ、初期設定、リセットボタンとも押しても反応がありません。

 

 内部の検査です。

   

              電池BOX裏側の配線

   

         初期設定、リセット、フタ開閉、音量スイッチ

   

           サブ基板の半田付け状態の確認

   

              制御基板の表裏

 

 見る限りでは、半田剥がれ、断線などの異常は見受けられません。

 制御基板の内部を検査します。

 制御基板の電源系は、正常でした。

 長い時間が経過していたので、アルミ電解コンデンサの容量も確認しましたが

 今回の症状につながるような低下はありません。

 しかし、人で言えば脳波であるマイコンのクロック信号が発振していません。

      

 リセットスイッチを押すと電源電圧が0.3V程下がりクロック発振回路が発振を始め

 リセットスイッチを解除して電源電圧が戻るとクロック発振が止まるような症状が

 確認できました。

 本来クロック発振は、電源電圧が掛かれば開始されるものですが明らかに異常です。

 COBの外部にある発振回路に関わる部品は、水晶振動子と2つのコンデンサだけです。

 これらの部品を交換してみましたが、状況は変わりませんでした。

 正攻法ではありませんが、熱的ストレス(加熱、冷却)をCOBに加えてみましたが

 状況変化はありませんでした。

 残念ながら、COB内部の故障でありこれ以上の治療はできません。

 

治療後記

 全国のおもちゃ病院の治癒率を100%にできないCOB故障でした。

 ただ、14年間も可愛がられそれに応えていやしてくれたネルルに感謝。

 このあとは、おしゃべりはできないと思いますが静かに見守ってくれると思います。

コメント一覧

toyclinicsado_doctor-r
外部から無理矢理クロックを入れてやることは考えましたが、その結果に自信が持てなかったのでしませんでした。確かにkoheiさんのブログでは拝見しましたが。
今度同様な場合には、トライしてみたいと思います。その節にはご指導いただきますようお願いします。
大泉茂幸
こういった症例は面白いですよね。いろいろ想像して楽しめます。

このおもちゃは時計に従って動いているようなので、Sleep中であっても32kHzの発振が止まってはいけないですよね。32kHzの発振回路は神経質みたいで、koheiさんのブログにも出ていました。

発振回路が不調の場合は外部から無理矢理クロックを入れてやることが考えられますよね。他のおもちゃでは何件かやったことがあり、上手く行きました。でも、32kHzでは実績が無いので、機会があれば是非やってみたいです。
toyclinicsado_doctor-r
ご無沙汰をしております。
reset信号ラインの記入が漏れていますね。
大泉茂幸
1年以上前の記事なのですが、一つご教示下さい。

回路図でRESET信号がCOBに伝わるルートが無いのですが、記載が省略されているのでしょうか。
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

※ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

最近の「コミュニケーション型おもちゃ」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事