お隣の国から注文した電源ICが入荷しました。
MicroneというオリジナルICメーカーのICでした。ICのマーキングも粗雑な様子もないので間違いないと思われます。
出力電流は300mA流せますので、今回の故障したICよりおそらく100mA多く流せる能力があるのではないかと思います。ただ、お隣の国のICは、コピー版が多いと思われますので故障したICの出生の秘密はわかりません。
とりあえず電源ICを実装して、220μFのコンデンサも実装します。ただ、組み立てる過程で物理的干渉がありました。制御基板にある大きな〇の印があります。制御基板とネルルの肩との隙間が少ないため、高さのある部品は首に当たる領域のみ実装が可能です。その領域を示すのが大きな〇の領域です。
追加するコンデンサを制御基板の裏面に実装して、干渉を回避しました。
部品を実装して、手のスイッチを押すとネルルのおしゃべりが始まりました。電源ICの出力電圧も3.3Vあります。元気になったようです。
【治療後記】
リニューアル版ネルルの治療が終了しました。はじめてのリニューアル版でした。このネルルは、2019年に購入されていますので誕生してから2~3年と言ったところでしょうか?
作りやすく、メンテナンスがしやすい構造になっており、全国のドクターは、喜ぶ事でしょう。(私も)
しかしながら、今回のように電源ICの破損したカルテが他のドクターからの報告にあるのが気に掛かります。設計上の安全度がぎりぎりになっているかもわかりません。電池からの制御基板への電源配線もAWG30と信号線ならいざ知らず、とても細い線を使用しています。コストダウンが優先されているようです。
今後のドクターからのカルテ内容にこの電源IC破損による治療が多発すれば、保証期間6ヶ月故障しなければよいと言うメーカー方針に沿ったある意味妥当な設計かもわかりません。しかし、ネルルはお値段も実売価格で13,000円から14,000円で、年配の方にも多く愛され、リニューアルするほどロングランのおもちゃなのですが、私が想像する通りなら期待に沿える品質とは言えないでしょう。そればかりか顧客離れの原因にもなりかねません。今回の故障が偶発故障であることを祈りましょう。とはいえ、一般的に故障する部品ではないのですが。なぜなら最も根底となる機能部品だからです。既に改善されているかもわかりませんが。
今回、両腕のスイッチまでの配線外皮をシリコン製のものに交換し,スイッチからの引き出し部の配線の屈曲を保護する収縮チューブからの出口部も柔軟性のある接着剤を使用して改善してみました。
電源ICを変更して、出力部にモータの始動時のピーク電流補充用コンデンサも追加しました。
再びおもちゃ病院に同一内容で受診に来られないことを期待しています。
術後の全身検査をして退院です。以前のネルルよりちょっともの静かになりましたか?