旅の裏の手&ポエポエの日々

幸せになった元野犬「紋二郎」日記と本業旅情報

願いが叶って

2009-04-04 20:47:19 | 介護・看護・闘病生活

3月某日 頑張って闘病していた父が旅立ちました。余命告知時点から切望していた「最後は自宅」の願いを叶えてあげることが出来又末期癌のわりにはあまり苦しまず兄に看取られながら静かに旅立ちました。


「最後まで頑張る」と言っていた父。最後まで強い薬を利用することなく意識も鮮明で、最後の最後まで普通に会話が出来、逝く日の朝「苦しいなら少し強めの薬を打つけど・・どうする?もしかしたら昏睡状態になるかもしれないけど・・」の問いかけに、「いいや打たんでいい。このまま自然に・・」と父の返事。最後の最後まで、見事なくらい父らしく旅立ちました。一度も弱音を吐かず、笑顔を絶やさず本当に頑張ってくれました。


余命告知時点から「無理かもしれないけど、最後は自宅で逝きたい」と何度も口にしていた父。お医者さんから、何度も入院を勧められました。その度に、「仕方ないかな・・」とションボリする父を見て、「いえ!自宅で逝かせます。」と、下見していたホスピス結局3回断りました。


正直内心はドキドキ。。いくら24時間体勢の訪問看護でも、突然の大量出血・痙攣・意識の混濁etc末期癌なのでどんな症状がでるのか予測不可能・・急いで看護師さんを呼んでも間に合わない状態になったらどうしょう・・夜中母の悲鳴で起こされたら・・突然苦しみだして暴れたらどうしたらいいんだろう・・etcでも、お医者さんも「わかりました。最善の努力をします。」と言っていただき笑顔の在宅ホスピスが実現しました。


逝く2日前まで玄関先で、日向ぼっこをして近所の人と世間話をしていた父。毎日庭に来る野鳥の事を、笑顔で話していた父。母と楽しそうに子供のような喧嘩をしていた父。大好きな山々が、今日はどんな風に見えていたか楽しそうに語る父。在宅で看取る事が出来たからこそ持てた父にとって幸せだった時間。又残された者にとっても大切な時間でした。


余命を本人に告知するか?否か?/入院か?在宅か?/治療方針は?etcいろいろな場面で選択を迫られました。すべてとても難し選択です・・結果としては、すべての選択が良い方向に向いたと思いますが、一歩間違えれば今現在後悔の念に苦しんでいた可能性も確かにありました。そんな恐怖・心配・迷い・疲れで、今看護中の方々は大変な思いをしていると思います。でも大変な看護は、結局残される者の為でもあると今回学びました。母が意外に元気で「寂しくない?」と聞くと「ん・・・不思議と寂しくないんだよね~沢山話したし、なんか今も傍にいるようで」と返事。笑顔のまま父の遺影に向かって喧嘩をふっかけてる母を見て、在宅にして看護中は本当に大変だったけど、父の為・母の為にも良かった。。そう心から思います。


いろいろな人に助けてもらいました。すべての人・出来事に感謝しています。ありがとうございました。


今看護中の方へ

私は、短い期間でしたが5年10年と長年看護している方の苦労がどれほどのものか・・・痛感しました。笑顔の看護を続けようと努力していても長い年月の中、時には負けそうになることもあると思います。甘えられることは甘え・相談して・助けを求め そして時々自分にご褒美を与え一休みして乗り越えてください。なによりも頑張りすぎないこと、自分にあまり厳しくしないこと・・・だと思いました。

コメント
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