★☆救う会全国協議会ニュース★☆
( 2010.03.28 )
家族会・救う会は、3月28日、合同会議を開催し、4月13日、対北制裁の見直し期限を迎え、鳩山政権が初めて、対北制裁の政策判断を下す機会となる時期に、現行制裁の延長は当然のこととして、全面制裁すなわち送金停止と人の往来の全面停止を断行することに関し4月中に全国一斉行動を展開して強く求めること、必ず全員を助け出すという国と国民の意思を示すため、ブルーリボン着用運動を拡大し、東京でデモ行進を行うことなど、下記の家族会・救う会の「運動方針」を決定した。
また、21年度の決算報告がなされ全員異議なく承認された。
役員改選の時期に当たり、西岡力会長代行が救う会新会長に選任された。また、3月25日発売の『週刊新潮』で、根拠を示さず家族会に対し誹謗中傷を行った井川朗幹事に辞任勧告を行うことを決定した(下記参照)。
なお、家族会は3月27日、総会を開催、その報告がなされたが、主な内容は以下の3点である。
1.家族会から21年度の決算報告がなされた。
2.すべての拉致被害者を救出した後の家族会の資産残高は、帰国した被害者を支援するための「拉致被害者・家族義援金委員会」に寄付される。
3.家族会の運動方針と異なる言動を続けてきたこと等を理由に、蓮池透・元家族会副会長が退会となった。
◆今後の運動方針
家族会・救う会合同会議(22.3.28)認定未認定にかかわらずすべての拉致被害者の救出が我々の目的である。当面の目標は、平成14年9月に北朝鮮が発表した「拉致したのは13人だけ。8人は死亡」というウソのシナリオをくつがえさせることだ。
そのためには、「いくら時間をかけても、また様々な工作をしても、日本の世論は全員救出という点において譲歩しない」と金正日政権とポスト金正日政権候補者ら、そして米韓中ロなど関係国に知らしめることが絶対に必要な条件となる。
金正日の健康悪化と経済制裁の効果で金正日政権は崩壊の危機を迎えつつあり、米・韓両国と中国がそれぞれポスト金正日に向けた準備をしている。北朝鮮情勢は緊迫度を増している。その中で金正日政権は朝鮮総連や親北政治家・ジャーナリストなどを使って、必死で対日政治・世論工作をしかけてきている。
いま、最も求められることは、次の2つである。
第1に、守りをしっかり固める、すなわち、日本国内各地、各分野で制裁解除や拉致棚上げ論と徹底的に戦うことだ。特に、金正日政権は総連に対して各地方で地方議員や有力者の訪朝団を組織して世論を変えよと指令している。各地で制裁破りの訪朝団を糾弾するなど、彼らの世論工作を打ち破らなければならない。
第2に、攻めること、すなわち北朝鮮内部への働きかけを強めることだ。動揺する幹部層と反金正日意識を強める一般住民双方に「拉致被害者をかえさない金正日のために支援は途絶え制裁は強化された」という事実を広く伝え、拉致解決への圧力が北朝鮮内部からかかるようにし向けることだ。
家族会・救う会はこれまで内外の世論に訴えつづけるという、13年前から愚直に続けてきた運動により、第1の守りの側面については大きな成果を上げてきた。
この基盤の上に、今年も世論を戦場に金正日政権とその追従者らの工作とたたかいつづける。 その上で、緊迫する北朝鮮情勢を受けて、今年は、攻めの側面に全力を尽くす。
従来から展開してきた、情報収集と全体像の分析、対北ラジオを通じた働きかけを強めると同時に、昨年から進めてきた特定失踪者調査会や北朝鮮人権NGOらとの連携を強めつつ、対北風船ビラなどできうる限りの方法を使って、被害者の安全確保と早期帰還を北朝鮮内部に訴えたい。
来る4月13日、対北制裁の見直し期限を迎え、鳩山政権が初めて、対北制裁の政策判断を下す機会となる。家族会・救う会は、現行制裁の延長は当然のこととして、全面制裁すなわち送金停止と人の往来の全面停止を断行することを、4月に全国一斉行動を展開して強く求める。
合わせて、調査やり直しを実行するように金正日政権にあらゆるチャンネルで迫ることと、北朝鮮崩壊事態に備えて被害者の緊急救出計画の整備をも求めていく。
また、来る参議院選挙で拉致問題が主要争点となるように、与野党各党に働きかける。必ず全員を助け出すという国と国民の意思を示すため、ブルーリボン着用運動を拡大し、東京でデモ行進を行う。
具体的には、以下の運動を進めることとする。
1.スローガン
「いまこそテロ国家北朝鮮に全面制裁を!」
「モノ、カネ、ヒトの流れを止めよ!」
「拉致はテロだ!」「めぐみさんたちは生きている!」
「制裁と国際連携ですべての拉致被害者を救出しよう!」
「被害者を帰国させ侵害された主権と人権を回復せよ!」と
のスローガンを掲げ、
「金正日政権はすべての拉致被害者を即時帰還させよ」、
「日本政府はすべての拉致被害者の帰還がない限り制裁解
除と支援を行わず、全面制裁を断行せよ」と訴え続けてい
く。
2.わが国政府および世論への訴え
・適当な時期に東京で全員救出を訴えるデモ行進を行う。
・ブルーリボン運動を拡大する。
・参議院選挙で拉致問題が主要争点となるように、与野党各
党に働きかける。
・大集会、小規模集会、学習会、街頭活動、署名活動、デ
モ、座り込みなどこれまで行ってきた政府と世論への働き
かけ活動の継続強化
・総連など国内親北勢力が進める拉致解決なしの制裁緩
和、対北支援キャンペーンに反対する。その動きに呼応す
る政治家、学者、ジャーナリストなどの主張に対して様々な
方法で戦う。
・全面制裁を求める運動強化
・北朝鮮急変事態時の救出プラン作成を求める
・北朝鮮人権法改正に向けて働きかけると同時に、同法を活
用した地方での運動推進強化
・いわゆる日本版テロ国家指定制度の拡充強化を求める
・朝鮮総連の違法行為をより厳しく取り締まることを求める
・米国をはじめとする各国政府が北朝鮮により強い圧力をか
けるように、日本政府の一層の外交努力を求める。
3.国際連携の強化
・韓国李明博政権への働きかけ強化。4月下旬ソウルで開
催される北朝鮮自由週間行事へ代表派遣。
・9月に予定されているソウルでの拉致解決連合国際大会開
催に協力。
・政府の金賢姫氏日本招聘への協力。
・米国オバマ政権への働きかけを強化する。テロ支援国再指
定、金融制裁強化を求めていく。
・引き続き、米議会内外の保守派との連係を強めていく。米
国オバマ政権に対し、歴代米国政権が北朝鮮に騙され続
けてきたことを踏まえ、融和的でない外交を展開するように
働きかける。
・韓国・タイ・ルーマニア・米国等の家族との連携を継続する。
各国政府や国連への訴えを続ける。中国が拉致被害者救
出に協力するように圧力をかける。
4.北朝鮮内部への働きかけと情報収集活動
・北朝鮮の内部情報収集を強化。
・「拉致の全貌と解決策」調査プロジェクトを継続。
・自由北朝鮮放送などの対北放送支援を継続。放送を通じた
北朝鮮内部への働きかけの強化。
・国内、韓国の諸組織と協力した対北風船ビラを通じた対北
働きかけ
5.上記以外の取り組み
・調査会など関連団体との情報交換、連携を強めつつ政府
未認定被害者の救出のための運動に取り組む。
・寺越事件、福留貴美子さんなど救う会認定拉致被害者に
関して政府認定を求める運動を強化する。
・特定失踪者をはじめとする政府未認定拉致被害者につい
て、一刻も早い真相究明とその結果に基づく拉致認定を政
府に対して求めていく。
・警察などの捜査が一層強化されるように要請する。
・よど号グループ関係者への旅券返納命令のほか、日本人
拉致に直接的間接的に関与した者に対する法的措置の早
期実現を求めていく。
・各地救う会の拉致問題解決への取り組みを支援し、ノウハ
ウの共有化を進める。
・地方自治体による総連施設への税減免等の優遇措置への
反対運動を継続する。
・インターネットを積極的に活用して、家族会・救う会の方針
や見解を適時発信することにより、国民世論と国際世論の喚
起に努める。
・北朝鮮人権法及び人権教育・啓発推進法等を効果的に活
用しながら様々な取り組みを進めていく。
・特定失踪者問題調査会をはじめ拉致問題に取り組む諸組
織や、北朝鮮人権問題に取り組む内外運動体と、お互いの
立場の違いを尊重し合いながら、適宜、被害者救出に向け
て協力していく。
◆井川幹事への辞任勧告
井川朗・救う会全国幹事は、救出運動を担うべき立場にありながら、平成22年3月25日発売の『週刊新潮』で、拉致被害者家族の言動につき、事前に当事者に照会することなく、根拠を示さず誹謗中傷を行った。これは、救う会規約第3条に著しく違反する。
救う会全国協議会は、井川氏に対し、救う会全国幹事としての役職の辞任勧告を行い、救う会和歌山に新たな幹事を出すことを求める。辞任がなされない場合、次回救う会全国幹事会で発言の機会を与えた上で、処遇を決める。
以上
救う会規約第3条
本会は、北朝鮮による拉致被害者家族連絡会(家族会)への支援・協力を行い、他の目的を同じくする団体と協力して目的の達成のため活動をすすめる。
以上
■「週刊新潮」記事に関する所感
西岡力(救う会会長代行) 3月25日に発売された週刊誌に、救う会和歌山の井川氏が、家族会・救う会の運動に関する事実誤認などにもとづく一方的な非難をなした。
井川氏は全国協議会の幹事でありながら、数日後に予定されている運動方針を議論する家族会・救う会の会議で問題提起をせず、週刊誌に、家族会・救う会非難を行った。たいへん残念だが、その行動自体が、ともに運動してきた仲間への裏切りだと思う。
特に、記事の中での井川氏の、家族会に関する誹謗は限度を超えている。家族会とともに車の両輪として運動を進めて行くにはふさわしくない言動といわざるを得ない。役員会では、3月28日の全国幹事会に向けて現在対応を検討しているところだ。
私がなぜ取材に応じなかったのかについて書いておく。
19日金曜日夕方、突然電話での取材要請を受けて、その日を含め週末は忙しいと断ったところ、同誌記者はその日の深夜12時頃に自宅前に現れた。取材を断ったところ、記者が玄関前で帰らずいつづけたので、家内が対応したものを、あたかも家内が自主的に取材に応じたかのように書いた。
記者は家内に取材の趣旨だけを伝えたいと語ったので、週が開けてから事務所に文書で出してくれと家内は伝え、記者は翌日の1時近くになってやっと帰った。その後、文書での連絡はいっさいない。
次に、記事全体の大きな事実誤認についてだけ思うところを記したい。
家族会・救う会の運動は、平成3年に始まり現在13年となる。この間、平成14年に、金正日が拉致を認め5人の被害者が帰国するという大きな成果があり、その後、5人の家族の帰国という小さな進展以外、目に見える成果はない。井川氏は運動が衰えていると論じているが、我々は運動のための運動をしているのではない。
運動の目的は、彼の地に抑留されている被害者を取り戻すことだ。そのために、被害者が危害にあう危険を乗り越えて家族会・救う会が立ち上がったことが原点だ。
北朝鮮の内部事情、国際情勢とわれわれが必死で作り上げた一定程度の世論の盛り上がりが複合的に作用して、平成14年の5人帰国を生み出した。そのことは運動の成果として誇るべきだが、運動の力だけで成果が上がったと思い上がってはならない。
平成14年以降、週刊誌で運動を批判した井川氏らを含む多くの志を持つ人々が救う会の運動に加わり、各地で行われる集会や署名活動などはそれ以前と比べると質、量ともに格段の活況をみせた。運動は確かに衰退ではなく成長発展した。
しかし、被害者救出という根本目的からすると、結果として平成14年以降には、ひとりの被害者も救い出すことができずにいる。この現実の前で謙虚でありたいと思っている。
ただし、平成14年以降、拉致棚上げでの日朝国交が実現しそうになることを、われわれは必死で防いできた。そのための世論の盛り上げにわれわれ家族会・救う会の貢献も大きかった。しかし、これは救出の体制作りという側面だ。
週刊誌の記事が、「紙くずになる」云々とした国民からの署名は、世論を盛り上げ政府を動かすという側面で5人の帰国に大いに役立ったし、その後、拉致棚上げを許さなかったという点でもたいへんな効果があった。
繰り返すが、運動だけでは被害者救出は実現できない。しかし、運動がなければ情勢がいくら有利に動いても全員救出は困難だ。家族会・救う会は今後も愚直に、「全ての被害者を返せ、それなしには制裁は強化され対北支援はあり得ない」という声を内外に広げる活動をしていくしかない。
平成14年9月以前と比べると運動の条件はたいへん良くなっている。少しくらいマスコミの報道頻度が落ちたからといって一喜一憂する必要はない。事態が動くときは、動くのだ。そのとき、どれくらい備えをしておいたのかによって、結果は違ってくる。
私は運動開始以来13年間、家族会の皆さんや多くの活動家と同じく無給無休で被害者救出のために活動をしてきた。今後もそのことは変わらない。後で後悔しないように、できうる全てのことを行っていくしかないと思っている。
以上
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