毎日新聞ニュースが、「東シナ海ガス田:中国船が先月に続き到着しているそうだ。外務省の藪中三十二事務次官は24日の記者会見で、日中両政府が共同開発で合意した東シナ海のガス田「白樺(中国名・春暁)」に、先月に続き中国船が到着していることを明らかにした。周辺海域で掘削など合意違反となる作業は確認されていないが、政府は「誤解を招く行為はよくない」と中国側に申し入れた。」と報じている。
政府関係者によると、中国船は今月中旬に確認された。先月10日にも船3隻が「維持管理」を目的に白樺に集結し、外務省が強い懸念を伝えていた。藪中次官は、中国政府からガス田の維持管理が目的で「実質的な変更を伴わない」との説明を受けたことを明らかにした。
日中両政府は昨年6月、中国開発の白樺について、日本企業が資本参加して共同開発し、出資比率などに関する具体的事項を定めるまで開発を中断することで合意。掘削が確認されれば合意違反になる。
日本国内は、選挙戦の終盤になり内閣は機能せず、国会議員は自己の当落しか眼中にないから、中国は例によって「隙」を衝いてきた。先月の衆議院解散のときにも中国船が来たし、昨年の自民党の総裁選前日の上野~大宮間の新幹線ストップ事故も中国のサイバーテロの可能性がある。国の「危機管理」の隙を見せれば、そこを衝くのが中国の常套手段だ。
民主党は”大勝利”に浮かれ、自民党パニック状態で国の危機管理は空白状態だ。 麻生首相は「国を守る」と遊説しているが、どう反応するのか口先だけなのか、一方の”友愛”外交を提唱する鳩山党首は反応するのかしないのか、党の外交政策は固まったのか、中国は両者の反応を見ている。両者が何も反応しなければ、戦う意志も能力もない日本など取るに足らぬと判断すれば、いずれ尖閣諸島に中国の漁船員(漁師の服装をした軍人)が上陸することを予期しなければならない。そのときになって慌てふためいても遅い。中国は、ガス田はもとより尖閣諸島の実効支配に向けて一歩一歩着実に手を打っている。
「9月下旬に日中首脳会談 政府調整」
中国がガス田に船舶を接近させている一方で日中政府は、9月下旬に日中首脳会談を開く方向で調整している。しかも東シナ海のガス田問題などの協議は首脳会談では取り上げず、先送りされる見通しだと8月25日の読売新聞が報じている。
「ガス田問題などの協議は先送りされる」とは、外務省の意向だろう。新首相が決まらないうちに、ガス田は話題にしませんと中国にメッセージを送っている。中曽根外相は、全く存在感のない人物であるが、何をしているのだ。新聞にこのような意向を漏らす外務省の官僚は、卑屈である。
この姿勢は、右頬を殴られたら 「おいらが悪かった、許してくれ!」と言っても暴力をやめない悪がきに、更に左頬を殴らせ「分かったよ!おいらが悪かった許してくれ」と哀願する「阿Q正伝」(魯迅著)の主人公阿Qそのものだ。
残念ながら日本は中国に舐められっぱなしだ。鳩山民主党”政権”は、外交政策迷走が予想され、況や鳩山党首の提唱する”友愛”外交など中国の思う壺だろう。ばら撒き公約で財源捻出のため防衛費削減、”日米対等”で日米離反になれば尖閣諸島は日本独自で防衛できない。中国の勝手気まま・好き放題に対し無策であれば「国に敗れて山河なし」、鳩山”政権”の前途を暗示しているような出来事だ。