米中首脳会談 胡主席“対等な関係”印象づけ 中国「成果」、米は「進展」
産経ニュース2011年1月23日(日)08:00
中国の胡錦濤国家主席は22日、4日間の米国滞在を終え、帰国した。「32年前のトウ小平氏の訪米以来最も重要」(ブレジンスキー元大統領補佐官)とされた今回の米中首脳会談。中国側が成果を強調する一方、オバマ米大統領は、人権問題で中国側にかつてない強い口調で改善を求め、対中政策の圧力シフトを印象付けはしたが、米メディアには厳しい見方もある。
【北京=川越一】大国としての存在感を示した胡錦濤国家主席の訪米の成果について、中国共産党機関紙、人民日報などは「米国の各界は高く評価している」などと自賛している。オバマ米大統領は人権問題の改善を強く求めたことを強調しているが、中国側が実際に行動に移す可能性は極めて低い。
共同声明の内容や米国製品の購入、エネルギーや環境保護の分野での協力関係の進展などは、あくまでも付帯事項にすぎない。中国側にとっては、米中首脳会談で、米国との“対等な関係”を印象づけたことが、最大の成果といえる。中国外務省の洪磊報道官は1月20日の定例記者会見で「両首脳は、時代の潮流に即して、相互に尊重し合う協力関係を築くために努力していくことで合意した」と強調。中国側が譲歩したとの認識は薄く、「互いの主権と領土の保全を尊重することを申し合わせた」などと述べた。
人権問題に関しても、依然として米中に意見の相違があることを認めたうえで「中国は人権の促進と保護に尽力しており、全世界がその成果を認めている」とした。人権問題の改善に向けた不断の努力をアピールするが、中国が進めているのはあくまでも「自己の人権事業」(洪報道官)。欧米の“定義”には従わないと宣言しているも同然だ。共同記者会見での胡氏の人権問題に関する発言にしても、中国外務省が欧米メディア相手に繰り返している“常套句”の域を出ていない。
中国側が米国による「内政干渉」を牽制し、それぞれの発展方式の尊重を訴えている現状では、今年5月までに開催される見通しの「米中人権対話」でも、実のある話し合いは期待できない。胡氏は訪米直前に米紙に掲載されたインタビューで、ドルを基軸とする現在の国際通貨体制を「過去の産物」と呼んだ。人民元の国際化も視野に入れるなど、大国としての自信を隠さない。対中協調姿勢をアピールする米国に、中国側は内心、ほくそ笑んでいるに違いない。
胡錦濤主席の訪米と日本
日本は戦後、アメリカが中国を抑えるための手先として使われてきた。いや動いてきた。日本はアメリカの利益闘争に利用されてきたのだ。アメリカは中国の勢力も食い止めたいけれど、釣魚島の問題で日本に左右されて、中国との関係に水を差すのも気に食わない。中米の4000億米ドルにも昇る貿易総額と言い、近日の軍事交流の回復と言い、両国の関係は全体的に喜ぶべき方向に向かっていたのだ。 アメリカの態度は混乱している。
米軍も正式に、日本を支持すると公表した。しかし、一方で米国務省は今回の事件を調停する役目は負わないとの慎重な姿勢を示している。ヒラリー国務長官の本音は、日中の話し合いの方法で平和的に解決すべきであるということだろう。
長期的視野に立てば、米中両国に利益上の衝突があったとしても、協力する事が両国にとって、プラスの方向に働く事は明らかである。オバマ大統領は先年の訪中、今回の胡錦濤の訪米でも「米国は、中国を世界有数の大国として尊重する。中国に、大国としての役割を期待する」と表明した。米国は、北朝鮮の問題を6カ国協議で、中国主導の外交で解決していく方針なので、在沖縄米海兵隊が北朝鮮を攻撃する可能性は低下する。
胡錦濤国家主席の訪米によって、米中関係は改善の方向に向かう。米中にとって日本の比重は低下する。その流れの中で、在沖縄米軍はグアムへ移転する。
地域新秩序「米中主導」で
米軍再編に係る訓練移転の拡充
外務省によると、平成22年5月28日の「2+2」共同発表に基づき,二国間及び単独の訓練を含む米軍の活動の沖縄県外への移転を拡充することについて協議を行った。1月20日(木曜日)),日米合同委員会において,航空機訓練移転の米国の施政の下にある領域への拡充について,次のとおり合意した。
今回の拡充には,グアムへの訓練移転も含まれる。
日米合同委員会合意の概要は、下記の通り。
1.目的
(1) 二国間の相互運用性を向上させる必要性に沿った訓練移転を実施するとともに,航空機訓練移転元となる米軍航空施設における訓練活動の影響を軽減する。
(2) 二国間及び単独の訓練を含め,米軍の活動の沖縄県外への移転を拡充し,航空機訓練移転の改善を含む沖縄県外における二国間及び単独の訓練の拡充を通じ,嘉手納飛行場における更なる騒音軽減を図る。
2.内容
(1) 現行の航空機訓練移転及び拡充された航空機訓練移転の新たな移転先として,米国の施政の下にある領域を追加する。
(2) 上記に係る訓練移転の内容は次のとおりである。
ア 訓練には,日米両政府間での調整に基づき,共同訓練,米側による単独訓練,又はその両者が含まれ得る。
イ 訓練には,空対地訓練及び双方が一致したその他の訓練が含まれ得る。
ウ 1回当たりの米国戦闘機の数は,最大20機程度とする。
エ 訓練移転を支援する米国航空機の機種は,空中給油機、輸送機,AWACSを含むがこれに限定されない。
オ 1回当たりの飛行訓練日数は,最大20日間程度とする。
当該日数については,航空機の展開・撤収は含まれない。
訓練計画は日米両政府間で調整される。
3.訓練移転の拡充に係るその他の内容や具体的な実施に向けた詳細については,引き続き,日米両政府間で調整される。
借金大国日本,アメリカにカネを”貢ぐ”
アメリカの狙いは嘉手納の負担軽減に応えることだけか
中国の経済成長、軍事大国化が今後数十年続くならばアジア太平洋の「地域新秩序を米中主導」で構築するという趨勢は避けられなのだろう。この度、日米が合意した在沖縄の米軍が米領グアムで移転訓練するための経費を日本側が負担することになった。
・米軍が米領内で行う訓練に日本人の血税が使われる。
・この負担は今後5年間継続する。
日本がまともな主権国家であるならば、米軍が米領で行うための訓練経費を日本が負担するのは屈辱的である。外務省の発表も新聞報道も、沖縄県が求める基地負担軽減策に応えたような扱いである。
在日米軍は2020年までにグアム島へ撤退することになっているが、アフガン戦争で軍事予算が逼迫している。アメリカにとって米中が主導するアジア太平洋地域の「新秩序の構築」に向けた流れの中で在沖縄米軍のグアム移転を計画通り実施するためには、時間をかけて・・・・・アフガン駐留米軍は2014年に撤退するが、長い期間を予定してない・・・・日本からできるだけカネを引き出し方が得策である。
(参考) 日本はアメリカの“奴隷だ! オバマ助けてくれ! 許してくれ! 2009年06月06日
(参考) 台湾船舶の背景にあるもの、アメリカの裏切り、日本は日米安保失効後の覚悟があるか! 2009年06月21日
尖閣諸島で中国漁船が巡視船に衝突した背景に米中の思惑が作用していなかったか?オバマ政権誕生直後の米国民主党政権は、尖閣諸島は日米安保条約は適用されないとの姿勢をとってきた。アメリカ離れをする鳩山政権にカツを入れ日米同盟の重要性を知らしめるため、言い換えれば日本からカネを引き出すため、衝突事件程度なら“go!”というシグナルを中国に送り、衝突事件が生起すると中国に“尖閣諸島の実効支配を急ぐな!”というシグナルを送ったようにも観察できる。
親米派と目されている前原外相は、・・・・表面的には・・・・アメリカ政府の受けがいいといわれている。おだて易いから“歓迎”されているのだ。
前原外相は中国にも、北方領土を支配するロシアに対しても強硬姿勢をとったが、ことが起こると“遺憾”“遺憾”とスピッツのごとく吠え立てる以外に策がない。深読みしない体質は、ガサネタメール事件以来変わっていないようだ。
日本政府にできることは、
カネを払うことか吠えることだけ
(参考)こんども、どうしようもない内閣だ! 領土問題から逃げる菅内閣 2010年07月28日
「思いやり予算」なり「特別協定」とその名称を取り繕っても、日本のカネを使って在沖縄米軍の再編を行うという魂胆が見え見えである。
日米安保同盟の重要性を否定するものではないが、アメリカに対する「日本を守って下さい」とただお願いするだけの体質を脱却する時期に来ている。
(参考)自立した外交、日米対等 民主党政権は可能か! 009年08月23日
日本の防衛の主体となるのは、日本、日本人であるが、この点は、自民党政権時代から今に至るまで政府・与党もマスコミもこれを説かない。
外国の指導者にあるが、
日本の政治家に欠けるもの
・・・・戦うことを怖れぬ覚悟
北朝鮮は日本を攻撃できる
韓国も日本を攻撃でき
着実に攻撃能力を向上させる韓国、
10年後は軍事力で日本を凌駕するか
政治家に国の指導者としての力量が無いから、西山事件」(沖縄密約事件)や核の密約に見られるように対米従属の外務省官僚のペースでことが動くことになる。
今後10年、日本列島周辺の軍事情勢は大きく変わる可能性がある。日本はその準備をせず無為無策に終始している。
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