日本の体質・弱点を示す典型的なニュース
「国際水連、入江の「世界新」認めず」、国際水泳連盟(FINA)は6月22日、水着の認可問題などで保留されていた入江陵介(19)の世界記録相当のタイムについて、公認しないことを決めた。 記録を出した時点では、その水着がFINAの規定に合致していなかったことを理由としている。入江は5月、キャンベラで行われた日豪対抗の男子200m背泳ぎで、世界記録を1秒08上回る1分52秒86をマーク。しかし、この時着用したデサント社製の水着が、「(規定違反に当たる)水着と体の間に空気がたまる構造ではないか」との指摘を受け、記録が公認されないまま再審査扱いとなっていた。これは、日本の体質や弱点を示す典型的なニュースだ。
上記のニュースは、国際社会における日本の生き方にも通ずる。現場の人がいくらがんばっても、ルール作りに参画していなければ、勝てる戦いも勝てないということだ。選手の努力を無にした水泳連盟の怠慢こそ責められるべきだ。 日本を封じ込めるルールの改定は度々あった。水泳では潜水泳法の禁止があったし、卓球、スキー、柔道、野球のWBCなどでルールの変更があった。単に、スポーツに限ったことではない。工業製品などについても同じだ。
日本が不利なるように他国が作ったルールの下で、”選手”に頑張れと要求するのは滑稽なことだ。作戦の失敗を戦闘の勝利で挽回することはできない。戦略の失敗を個々の戦闘の勝利で挽回することはできない。日本の外交もこのような体質と欠点を抱えている。
”弱い日本”は世界のお荷物
国連の北朝鮮制裁決議案が採択されたが、日本の対応はすべて後手後手だ。国連の決議案は、2006年の北朝鮮の核実験後に採択された決議1718の制裁強化を柱とし、「国連憲章7章のもとで行動し、7章41条に基づく措置を取る」と規定。非軍事的な制裁を定めた「7章41条」下の措置にしぼることにした。北朝鮮を出入りする船舶などの貨物については、核、ミサイル関連物資など禁輸物資があると疑われる場合、国連加盟国が自国領内で検査を行うよう要求、公海上の検査については船舶が所属する国の同意を得て行うことを要求している。前の決議より各国に強く検査を求めるている。
北朝鮮に出入りする船舶への貨物検査を行うための新たな特別措置法案について、麻生首相は6月18日の参院外交防衛委員会で、「早急に整備すべきではないかと思っている。早急にまとまっていくのであれば、北朝鮮に対するメッセージとして極めてはっきりしたものが出せる」と述べ、今国会に法案を提出し、成立を目指す方針を示した。この期になってやっと方針を示したのだ。のんびりしたものだ。このような法案は、制裁を働きかける前に常日頃から検討し準備しておくのが危機管理だ。
国連加盟国は、北朝鮮の大量破壊兵器開発につながる物資の輸出入を阻止し、発見した場合は押収・処分することが求められている。日本は有事や周辺事態以外に貨物検査を行う根拠法がないため、政府は新たな法案の作成作業を進めている。
政府は領海とその周辺の公海で、海上保安庁に実施させる方針だが、「海上自衛隊も実施できる余地を残した方が良い」などの意見が出た。こうした規定を法案に盛りこんだ場合、自衛隊の活用に否定的な野党の反対で国会審議が難航するとの見方があるという。首相が今国会成立にこだわれば、7月28日の会期末近くまで審議に時間を要し、衆院解散権を縛りかねないと懸念する向きもある。
日本は、これから法案を作成するが、内容も定まらず、成立の見込みも不透明だ。6月末には韓国の大統領もアメリカの特使も北朝鮮の核問題を話し合うために来日する。アメリカはすでに北朝鮮の船舶を追跡している。
日米は国連決議採択を強く働きかけた。肝心の日本が採択後の対応を準備せず北朝鮮制裁を訴えていたと各国が知ったら日本に対する信頼や日本の威信は著しく失墜する。国際社会で大恥をかくとともに日本の発言力の著しい低下をもたらす。
4年前のインドネシア・スマトラ島沖大地震の救援では自衛隊など日米豪印の部隊が活躍し、中国は“不在”だったが、ソマリア沖の海賊対策では中国が先に軍艦派遣に踏み切り、続いて韓国が派遣した。日本の対応の鈍さが際だった。
「歴史上、日中がこれほど拮抗した時はない」と言われる状況で日本の存在感が乏しければ、世界の目には中国が大きく映る。金融危機に象徴されるように米一極構造の転換点とも指摘される重要な局面で、日本は強い外交に必要な強い政権基盤が、相次ぐ首相交代と政局の混乱で失われたままだ。
中国の台頭はとどまるところを知らない。東北アジアで中国の脅威がかってないほど増大しているにもかかわらず、“弱い日本”の存在は、“力の真空地帯”を中国がカバーすることになる。
軍の再編を進めている米国にとっても“弱い日本”は迷惑だ。中国海軍の増強は、日本のシーレーン防衛だけでなく、インド、オーストラリアなどアジア各国の安全保障にも大きなマイナスとなる。“弱い日本”は、他国の迷惑でもある。他国のお荷物だ。小沢発言もこれらに関連したものだ。
東アジアの安全保障の環境をいかに築くかという理念も持たずにただ制裁を働きかけてきたとすれば、無責任さと怠慢は国恥ものだ。日本政治のの混乱が長引けば、米、中との関係にとどまらず、国際社会での影響力は一気に弱まっていく。
日本が無為無策であれば、アメリカ、中国、韓国など行おうとしている自国製品保護の動きに異議を唱えても日本の要求を聞く国は無い。経済的にも苦境に陥る。
日本はとっくに没落していた
物流の流れを見ると物も人も日本を素通り、今や、韓国は先進国、老衰日本に黄昏迫るという状況だ。
2006年の世界の港湾のコンテナ取り扱い個数は下記のとおりである。
港湾別コンテナ取り扱い個数ランキング(単位:TEU)
シンガポール............. 24,792,400
香港(中国)................ 23,538,580
上海(中国)................. 21,710,000
深 (中国).................. 18,468,900
釜山(韓国)................. 12,038,786
高雄(台湾)................... 9,774,670
ロッテルダム(オランダ)...........9,654,508
ドバイ(アラブ首長国連邦)......8,923,465
ハンブルク(ドイツ)......... 8,861,545
ロサンゼルス(米)........ 8,469,853
青島(中国)................... 7,702,000
寧波(中国)................... 7,068,000
広州(中国)................... 6,600,000
・・・・・・・・・
東京(23位).................. 3,969,015
横浜(28位).................. 3,199,883
名古屋(33位).............. 2,751,677
神戸(38位).................. 2,412,767
(資料:CONTAINERISATION INTERNATIONAL YEAR BOOK 2008)
日本の港湾 東京、横浜、名古屋及び神戸を合計した個数が韓国の釜山港をやや上回るが、中華圏の国が扱う個数の9%強だ。
日本の港湾はいずれも、アジアの物流の流れから取り残されている。 “モノ”が中華圏の国と韓国を軸に動いている。経済の重心が他国にあれば、政治的影響力も他国へ移る。空港も似たような傾向を示している。日本に対し中国や韓国が強く出るのが分かる。
今や、日本の存在感は、日本人が意識しいている以上に、無いのだ。日本は東海に浮かぶ離れ小島だ。経済大国だったのは昔のこと、今は“貯金”で何とか生活しているようなもの、夕日に沈む太陽だ。
経済も著しく縮小した
経済も小さくなるばかりだ。主要国の国内総生産(資料:名目GDP 米ドル表示 総務省統計局統計研修所)からアジア各国のGDPのを1995年を基準に2007年と比較すると世界全体で1.8倍拡大したが、1995年より縮小したのはアジアでは日本だけだ。
1955年の日本の名目GDPは52620億ドル、2007年は43850億ドルと83.3%と縮小した。他国は皆拡大した。
大きい順中国4.5倍、インド3.1倍、マレーシア2倍、韓国・インドネシア・シンガポール及びフィリピンが1.9倍、タイ1.5倍だ。
中国人が日本を“小日本”と侮蔑を込めていうが、経済まで“小日本”になりそうだ。
一人当たりの“懐具合”も寂しくなった
一人当たり国内総生産(名目GDP)も1995年を基準に2007年と比較すると、世界全体で1.6倍の増加、日本は41、952ドルから34、326ドルと低下、実に約2割の低下だ。
この間、日本以外の国はいずれも増加した。 増加の値が大きい順に中国4.1倍、インド2.5倍、韓国・インドネシア1.7倍、マレーシア1.6倍、シンガポール・フィリピン1.5倍、タイ1.3倍と増加。
日本のみ縮小した、衰退が顕著である。かっては“1億総中流”と言う言葉を耳にしたが、今は聞くことがない。小遣いが月5万円から4万円に減らされたようなものだ。元気がなくなるはずだ。国債も増加の一途だ。
この間、他のアジア各国は著しい成長を示している。一人当たりの額は小さいが、中国、インドは巨大な人口を抱えているので平均所得が少し増加しただけでも国の経済規模は著しく大きくなる。
巨大なインド、巨大な中国、有望な地下資源をもった統一朝鮮の出現だ。いずれの国も日本にとって手ごわい相手となること請け合いだ。
問題は、戦争をしたわけでもないのに、
なぜ“日本の一人負け”なのかだ
1989年、地中海のマルタ島でアメリカのブッシュ大統領とソ連のゴルバチョフ議長が会談し、冷戦の終結を宣言した。冷戦時代は、東西の陣営に別れていたので、日本はアメリカについていれば安泰、経済活動に専念できた。
冷戦の終結で米ソの大国の庇護を受けられなくなり、民族自決、国家間の生存競争の時代にはいった。日本は冷戦時代の惰性のまま政治も経済活動も続けてきた。アメリカに“日本を守っているのだ”と恫喝されると諾々とアメリカの言いなりになるのが外務省・防衛省の官僚だ。
米中など外国にスキャンダルを握られ、言いなりになるのが政治家だ。世界の潮流から取り残され“外交すればするほど奪われた”のだ。
このまま惰性にまかせ世界・アジアの潮流から取り残された東海の離れ小島の日本は、独特の進化を続ける“ガラパゴス島”となるのか。
米軍は、世界規模の再編成を進行中である。中国はじめ周辺各国も国力をつけてきた。 戦後64年、安全保障体制の構築に如何に寄与するか日本の主体的な対応が求められている。世界の流れに受身で対応していれば存在感や影響力が低下し衰退と没落がやってくる。
「国際水連、入江の「世界新」認めず」、国際水泳連盟(FINA)は6月22日、水着の認可問題などで保留されていた入江陵介(19)の世界記録相当のタイムについて、公認しないことを決めた。 記録を出した時点では、その水着がFINAの規定に合致していなかったことを理由としている。入江は5月、キャンベラで行われた日豪対抗の男子200m背泳ぎで、世界記録を1秒08上回る1分52秒86をマーク。しかし、この時着用したデサント社製の水着が、「(規定違反に当たる)水着と体の間に空気がたまる構造ではないか」との指摘を受け、記録が公認されないまま再審査扱いとなっていた。これは、日本の体質や弱点を示す典型的なニュースだ。
上記のニュースは、国際社会における日本の生き方にも通ずる。現場の人がいくらがんばっても、ルール作りに参画していなければ、勝てる戦いも勝てないということだ。選手の努力を無にした水泳連盟の怠慢こそ責められるべきだ。 日本を封じ込めるルールの改定は度々あった。水泳では潜水泳法の禁止があったし、卓球、スキー、柔道、野球のWBCなどでルールの変更があった。単に、スポーツに限ったことではない。工業製品などについても同じだ。
日本が不利なるように他国が作ったルールの下で、”選手”に頑張れと要求するのは滑稽なことだ。作戦の失敗を戦闘の勝利で挽回することはできない。戦略の失敗を個々の戦闘の勝利で挽回することはできない。日本の外交もこのような体質と欠点を抱えている。
”弱い日本”は世界のお荷物
国連の北朝鮮制裁決議案が採択されたが、日本の対応はすべて後手後手だ。国連の決議案は、2006年の北朝鮮の核実験後に採択された決議1718の制裁強化を柱とし、「国連憲章7章のもとで行動し、7章41条に基づく措置を取る」と規定。非軍事的な制裁を定めた「7章41条」下の措置にしぼることにした。北朝鮮を出入りする船舶などの貨物については、核、ミサイル関連物資など禁輸物資があると疑われる場合、国連加盟国が自国領内で検査を行うよう要求、公海上の検査については船舶が所属する国の同意を得て行うことを要求している。前の決議より各国に強く検査を求めるている。
北朝鮮に出入りする船舶への貨物検査を行うための新たな特別措置法案について、麻生首相は6月18日の参院外交防衛委員会で、「早急に整備すべきではないかと思っている。早急にまとまっていくのであれば、北朝鮮に対するメッセージとして極めてはっきりしたものが出せる」と述べ、今国会に法案を提出し、成立を目指す方針を示した。この期になってやっと方針を示したのだ。のんびりしたものだ。このような法案は、制裁を働きかける前に常日頃から検討し準備しておくのが危機管理だ。
国連加盟国は、北朝鮮の大量破壊兵器開発につながる物資の輸出入を阻止し、発見した場合は押収・処分することが求められている。日本は有事や周辺事態以外に貨物検査を行う根拠法がないため、政府は新たな法案の作成作業を進めている。
政府は領海とその周辺の公海で、海上保安庁に実施させる方針だが、「海上自衛隊も実施できる余地を残した方が良い」などの意見が出た。こうした規定を法案に盛りこんだ場合、自衛隊の活用に否定的な野党の反対で国会審議が難航するとの見方があるという。首相が今国会成立にこだわれば、7月28日の会期末近くまで審議に時間を要し、衆院解散権を縛りかねないと懸念する向きもある。
日本は、これから法案を作成するが、内容も定まらず、成立の見込みも不透明だ。6月末には韓国の大統領もアメリカの特使も北朝鮮の核問題を話し合うために来日する。アメリカはすでに北朝鮮の船舶を追跡している。
日米は国連決議採択を強く働きかけた。肝心の日本が採択後の対応を準備せず北朝鮮制裁を訴えていたと各国が知ったら日本に対する信頼や日本の威信は著しく失墜する。国際社会で大恥をかくとともに日本の発言力の著しい低下をもたらす。
4年前のインドネシア・スマトラ島沖大地震の救援では自衛隊など日米豪印の部隊が活躍し、中国は“不在”だったが、ソマリア沖の海賊対策では中国が先に軍艦派遣に踏み切り、続いて韓国が派遣した。日本の対応の鈍さが際だった。
「歴史上、日中がこれほど拮抗した時はない」と言われる状況で日本の存在感が乏しければ、世界の目には中国が大きく映る。金融危機に象徴されるように米一極構造の転換点とも指摘される重要な局面で、日本は強い外交に必要な強い政権基盤が、相次ぐ首相交代と政局の混乱で失われたままだ。
中国の台頭はとどまるところを知らない。東北アジアで中国の脅威がかってないほど増大しているにもかかわらず、“弱い日本”の存在は、“力の真空地帯”を中国がカバーすることになる。
軍の再編を進めている米国にとっても“弱い日本”は迷惑だ。中国海軍の増強は、日本のシーレーン防衛だけでなく、インド、オーストラリアなどアジア各国の安全保障にも大きなマイナスとなる。“弱い日本”は、他国の迷惑でもある。他国のお荷物だ。小沢発言もこれらに関連したものだ。
東アジアの安全保障の環境をいかに築くかという理念も持たずにただ制裁を働きかけてきたとすれば、無責任さと怠慢は国恥ものだ。日本政治のの混乱が長引けば、米、中との関係にとどまらず、国際社会での影響力は一気に弱まっていく。
日本が無為無策であれば、アメリカ、中国、韓国など行おうとしている自国製品保護の動きに異議を唱えても日本の要求を聞く国は無い。経済的にも苦境に陥る。
日本はとっくに没落していた
物流の流れを見ると物も人も日本を素通り、今や、韓国は先進国、老衰日本に黄昏迫るという状況だ。
2006年の世界の港湾のコンテナ取り扱い個数は下記のとおりである。
港湾別コンテナ取り扱い個数ランキング(単位:TEU)
シンガポール............. 24,792,400
香港(中国)................ 23,538,580
上海(中国)................. 21,710,000
深 (中国).................. 18,468,900
釜山(韓国)................. 12,038,786
高雄(台湾)................... 9,774,670
ロッテルダム(オランダ)...........9,654,508
ドバイ(アラブ首長国連邦)......8,923,465
ハンブルク(ドイツ)......... 8,861,545
ロサンゼルス(米)........ 8,469,853
青島(中国)................... 7,702,000
寧波(中国)................... 7,068,000
広州(中国)................... 6,600,000
・・・・・・・・・
東京(23位).................. 3,969,015
横浜(28位).................. 3,199,883
名古屋(33位).............. 2,751,677
神戸(38位).................. 2,412,767
(資料:CONTAINERISATION INTERNATIONAL YEAR BOOK 2008)
日本の港湾 東京、横浜、名古屋及び神戸を合計した個数が韓国の釜山港をやや上回るが、中華圏の国が扱う個数の9%強だ。
日本の港湾はいずれも、アジアの物流の流れから取り残されている。 “モノ”が中華圏の国と韓国を軸に動いている。経済の重心が他国にあれば、政治的影響力も他国へ移る。空港も似たような傾向を示している。日本に対し中国や韓国が強く出るのが分かる。
今や、日本の存在感は、日本人が意識しいている以上に、無いのだ。日本は東海に浮かぶ離れ小島だ。経済大国だったのは昔のこと、今は“貯金”で何とか生活しているようなもの、夕日に沈む太陽だ。
経済も著しく縮小した
経済も小さくなるばかりだ。主要国の国内総生産(資料:名目GDP 米ドル表示 総務省統計局統計研修所)からアジア各国のGDPのを1995年を基準に2007年と比較すると世界全体で1.8倍拡大したが、1995年より縮小したのはアジアでは日本だけだ。
1955年の日本の名目GDPは52620億ドル、2007年は43850億ドルと83.3%と縮小した。他国は皆拡大した。
大きい順中国4.5倍、インド3.1倍、マレーシア2倍、韓国・インドネシア・シンガポール及びフィリピンが1.9倍、タイ1.5倍だ。
中国人が日本を“小日本”と侮蔑を込めていうが、経済まで“小日本”になりそうだ。
一人当たりの“懐具合”も寂しくなった
一人当たり国内総生産(名目GDP)も1995年を基準に2007年と比較すると、世界全体で1.6倍の増加、日本は41、952ドルから34、326ドルと低下、実に約2割の低下だ。
この間、日本以外の国はいずれも増加した。 増加の値が大きい順に中国4.1倍、インド2.5倍、韓国・インドネシア1.7倍、マレーシア1.6倍、シンガポール・フィリピン1.5倍、タイ1.3倍と増加。
日本のみ縮小した、衰退が顕著である。かっては“1億総中流”と言う言葉を耳にしたが、今は聞くことがない。小遣いが月5万円から4万円に減らされたようなものだ。元気がなくなるはずだ。国債も増加の一途だ。
この間、他のアジア各国は著しい成長を示している。一人当たりの額は小さいが、中国、インドは巨大な人口を抱えているので平均所得が少し増加しただけでも国の経済規模は著しく大きくなる。
巨大なインド、巨大な中国、有望な地下資源をもった統一朝鮮の出現だ。いずれの国も日本にとって手ごわい相手となること請け合いだ。
問題は、戦争をしたわけでもないのに、
なぜ“日本の一人負け”なのかだ
1989年、地中海のマルタ島でアメリカのブッシュ大統領とソ連のゴルバチョフ議長が会談し、冷戦の終結を宣言した。冷戦時代は、東西の陣営に別れていたので、日本はアメリカについていれば安泰、経済活動に専念できた。
冷戦の終結で米ソの大国の庇護を受けられなくなり、民族自決、国家間の生存競争の時代にはいった。日本は冷戦時代の惰性のまま政治も経済活動も続けてきた。アメリカに“日本を守っているのだ”と恫喝されると諾々とアメリカの言いなりになるのが外務省・防衛省の官僚だ。
米中など外国にスキャンダルを握られ、言いなりになるのが政治家だ。世界の潮流から取り残され“外交すればするほど奪われた”のだ。
このまま惰性にまかせ世界・アジアの潮流から取り残された東海の離れ小島の日本は、独特の進化を続ける“ガラパゴス島”となるのか。
米軍は、世界規模の再編成を進行中である。中国はじめ周辺各国も国力をつけてきた。 戦後64年、安全保障体制の構築に如何に寄与するか日本の主体的な対応が求められている。世界の流れに受身で対応していれば存在感や影響力が低下し衰退と没落がやってくる。