集団自衛権、1日閣議決定…公明は前日意見集約
YOMIURI ONLINE 2014年06月27日 09時23分
集団的自衛権の行使を限定容認する憲法解釈見直しを巡り、公明党は30日に意見集約する方針を固めた。これを受け、政府は7月1日に新たな憲法解釈を閣議決定する。
公明党の山口代表は26日の記者会見で、自民党の高村正彦副総裁が示した自衛権発動の新3要件の修正案について、「(自衛権に関する)1972年の政府見解を基にしており、これまでの政府の憲法解釈との整合性、歯止めの機能を持ちうる」と述べた。同日夜のNHK番組でも、「二重三重の歯止めが利いており、拡大解釈のおそれはないと思っている」と語り、憲法解釈見直しを容認する姿勢を初めて示した。公明党内では「代表がかじを切った。取りまとめるつもりだ」との受け止めが広がった。
中国交通運輸相との会談中止=26日から訪中の太田国交相
時事通信 6月26日(木)2時32分配信
国土交通省は25日、北京で27日に予定されていた太田昭宏国交相と中国の楊伝堂交通運輸相との会談が中止になったことを明らかにした。太田氏は26~28日に予定通り訪中し、観光分野などでの協力強化に向け関係者と意見交換する。
国交省によると、楊交通運輸相が中国の国内出張を命じられ、日程調整ができなくなったため会談が取りやめとなったという。
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中国の力ずくの海洋進出や軍事挑発が続いている。いつ「有事」が起こるかわからない。有事準備に警戒が怠れない。公明党は集団自衛権の行使を一部容認する方向に舵をきった。機雷除去も可能にすべきで、事例ごとの対応を検討する必要は無い。自公両党の妥協で中途半端な解釈変更であれば弊害が大きい。政治がやるべきことは、“すべきでないこと”を示すだけでいい。
公明党・創価学会にとって、憲法解釈の変更を容認せず連立解消するよりも与党として内閣にかかわっておけば、中国との関係維持にも都合がいいのであろう。公明党=創価学会、両者は結託して集団自衛権行使に抵抗している。創価学会は中国共産党と中のよい“お友達”、面妖なことだ。
太田昭宏国土交通相は26日から訪中し、楊伝堂交通運輸相らとの間で、海難共同救助のほか、尖閣周辺海域に頻繁に侵入する中国公船に関し交渉する可能性もあり、今回の対話は結果が伴わなくても大きな意味があるとされていた。
政府・自民党は7月1日の閣議決定を目指している。太田昭宏国土交通相の訪中の狙いは、“海難共同救助”などを名目に中国政府要人と会談し、集団自衛権の容認に関する閣議決定に先立って、公明党・創価学会の意向を中国に説明し理解を求めるためだったのだろう。楊交通運輸相の会談拒否は、それは“嫌だね、会う気はないよ”ということか、“宗主国”はご機嫌斜めのようだ。
「孫子」の「計 篇 の 参」を通して観た中国の対日工作
「機略は千変万化、予示し得ず」
「孫子」の「計 篇 の 三」を通して中国の対日工作を観察する。
孫子」の「計 篇 の 三」
兵者詭道也、
故能而示之不能、
用而示之不用、
近而示之遠、
遠而示之近、利而誘之、
亂而取之、
實而備之、強而避之、
怒而撓之、卑而驕之、
佚而勞之、親而離之、
攻其無備、出其不意、
此兵家之勝 不可先傅也
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兵とは詭道なり。
故に、能なるもこれに不能を示し、
用なるもこれに不用を示し、
近くとも、これに遠きを示し、
遠くともこれに近きを示し、
利にしてこれを誘い、
乱にしてこれを取り、
実にして之に備え、
強にしてこれを避け、
怒にしてこれを撓し、
卑にしてこれを騎らせ、
佚にしてこれを労し、
親にしてこれを離す。
其の無備を攻め、其の不意に出ず。
此れ兵家の勢(せい、書によっては“勝”とある)、先きには伝うべからざるなり。
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●戦争とは詭道(正常なやり方に反したしわざ)である。
兵道には一定不変の形はない。およそ戦争という戦争、戦闘という戦闘に欺騙のない勝ち戦はない。
湾岸戦争と1996年に行われた台湾の総統選挙に対する威嚇攻撃をきっかけに、喬良と王湘穂という2人の空軍大佐は『超限戦』と書を著し、その中で「異次元で型破りな対外戦略のことを指す。多元的、混合的、全方位など、あらゆる手段と無限の資源を使って相手を屈服させる戦闘方式」を唱えたのが始めである。
そして、9.11後、米軍は圧倒的な軍事力をもってアフガニスタンにたいする戦争で米軍の卓抜した軍事技術は、超高空を飛ぶB52やB2爆撃機からのピンポイント爆撃に示された。地上にいる特殊部隊、スペシャルフォースの隊員がレーザー銃で爆撃してほしい地点を照射する。高度三万メートルを飛ぶB52やB2がその光線を探知し、このレーザーにそって目標を数メートルとたがわず爆撃したのである。何も恐れないと言われたタリバンの兵士達も、このレーザー光線によるピンポイント爆撃に圧倒され怯えてしまった。空軍を持たない国はアメリカの軍事力には対抗できない。たとえ空軍を持っていたとしても圧倒的な先端技術が必要であることが示された。
以来、中国軍は、敵を屈服するためには合法・違法、手段方法は問わず“超限戦”を展開している。
●能なるもこれに不能を示し、用なるもこれに不用を示し、
それゆえ、強くとも敵には弱く見せかけ、能力があっても知らない顔をし、愚かなように惚け、相手をして茫洋としてはかり知れないように構え、乗ずべき隙を覘くのである。「能なるもこれに不能を示し」とは、戦争や戦闘能力の秘匿をいい、「用なるもこれに不用を示し」とは、作戦方針の秘匿を示すとも解してもいい。
このため中国は和平演変、すなわち政治的宣伝、経済的支援及び文化的交流の3つの手段で対日工作を展開している。
6月5日、長崎市で日中両国の有識者会議で構成する「新日中友好21世紀委員会」の意見交換会が開催された。中国の対外工作担当の唐家璇は尖閣諸島に関連し「両国関係はかってないほどの危機にひんしている」と一方的な発言をしている。また、6月8日、北京で開かれた日中有識者フォーラムでは双方の出席者が11月に北京で開催されるAPEC首脳会談に向け、「世論の環境作りに重要な役割を持つ」ことで一致したという。
日本人が中国国内で、日本の主張を一方的に主張することはできないにもかかわらず、「世論の環境作り」をするということは、安倍首相をして中国の主張に歩み寄らせる世論を醸成することである。
●勇敢でも敵には臆病に見せかけ、
これに関しては、小平の言葉が有名である。
冷静观察: 冷静に観察せよ
站稳脚跟: 自分の足で立て
沉着应付: 冷静に事態に対処せよ
韬光养晦: 目立たずに力を養え
善于守拙: 出しゃばらず控えめな姿勢をとることに長けよ
绝不当头: 我が方の能力を隠し好機を待て
「冷静に観察せよ、我が方の立場を固めよ、冷静に事態に対処せよ、我が方の能力を隠し好機を待て、控えめな姿勢をとることに長けよ、決して指導的地位を求むるなかれ」と小平は言っている。
「能なるもこれに不能を示し」とは、戦争や戦闘能力の秘匿をいい、「用なるもこれに不用を示し」とは、作戦方針の秘匿を示すとも解してもいい。
目立たずに力を養え、我が方の能力を隠し好機を待っていたが、ついに米国、日本及び西欧が衰退傾向を見せるようになった。
「中華民族の偉大な復興」の好機到来とばかりに軍備増強を加速させ、習近平は「軍事闘争の準備の深化に力を入れよ」と指示出している。
このため、中国軍が現場で弱腰を見せることは絶対にできない。相手が日本であればなおさら強硬姿勢に出ざるを得ない。海自艦艇に対するレーダー照射、海空自衛隊機に対する異常接近が起きるのはこのような背景があるからである。
●近づいていても敵には遠く見せかけ、
われは近くの敵を攻撃する企図を持っている。しかしそれを敵に悟られては防備も厳重になり目的達成が困難になるので、作戦行動その他の手段で幻惑し、敵の注意を遠方に誘引し、そういう企図がないように思い込ませる必要がある。このようなときに用いる戦法である。
●遠方にあっても敵には近く見せかけ、
中国は5月2日、南シナ海のパラセル諸島沖の海域で石油掘削作業を始めた。対峙していたベトナムの沿岸警備隊の巡視船を多数の船舶で包囲し、中国・海警の船をベトナム船に衝突させた。また、フィリピンが領有権を主張しているスプラトリー(南沙)諸島のジョンソン南礁を埋め立て、2013年3月から今年3月にかけてコンクリート製の建造物を、5月には滑走路を建設していることが確認されている。中国が南シナ海で行っていることは、尖閣諸島をめぐる日中間の衝突に向けた予行演習のようなものと見るべきであろう。「遠方にあっても」他人事ではない。
●(敵が)利を求めているときはそれを誘い出し、
中国共産党にとって「敵が利を求めているとき」とは、何も日本政府とは限らない。 “冬眠”状態だった自民党の議員連盟「アジア・アフリカ問題研究会」(AA研、会長・野田毅党税制調査会長)が最近、蠢きだした。
5月5日、会長の野田毅らは訪中し、共産党序列4位の兪正声・全国政治協商会議(政協)主席と北京の人民大会堂で会談した。席上、兪正声は「中日関係の困難な状況は安倍首相がつくったものだから安倍首相が脱皮し、中国に手を差し伸べてほしい」とは、とんでもない難癖をつけただけでなく、「靖国神社参拝と沖縄県・尖閣諸島の二つの問題があると指摘。一つ目は参拝をやめれば解決の道が開ける。二つ目は係争があることを認めてもらえればいい」と野田らを焚きつけるとともに、民間・経済交流を推進すべきだ言った。
中国は、野田らの訪中に先立って訪中した高村自民党副総裁率いる日中友好議員連盟議員団の動きとは別に、自民党内内分派勢力に梃入れしている。媚中人物には餌をちらつかせ日本国内の分断を図っている。
安倍自民党内では“影が薄い”野田毅、額賀福四郎、野田聖子などを煽てて安倍おろしを画策した。朝鮮人と再婚し人心を得るため障害を持って生まれたわが子を公開して恥じない野田聖子は尖閣諸島で挑発を繰り返す中国の動きに目を瞑り、「安倍政権の最重要課題は経済の再生であり、それは近未来の日本を守ること」と、尖閣は棚上げして経済再生に励めと中国に媚びた姿勢に通じる考えの持ち主である。それを中国や媚中派は首相に祭り上げようと画策したが失敗した。何をかいわんや。笑止千万、恥知らずもいいところである。
AA研は河野洋平が会長を務めていたこともあった胡散臭いグループ。河野洋平は相変わらず国貿促の会長で中国べったり、2014年4月15日には訪中し汪洋副総理と会談した。相変わらず“金”と利権にどっぷり漬かっている。
経団連に対しては“経済交流促進”、即ち金儲けで篭絡している。経団連の米倉弘昌会長は5月28日、訪問先の中国・北京で、中国の李源潮国家副主席と会談し、両国の経済交流することで一致した。李源潮は、米倉らに対し、「両国で争いがあってもビジネスは進めていかねばならない。」などとのべ、民間の経済交流で経団連の果たす役割へ期待を示した。また、(日本)経産省と中国商務省の間では、省エネや物流協議の枠組みを再開させることも決まった。6月3日、経団連の新会長に榊原定征(東レ会長)が就任した。彼は、冷え込んでいる中国との関係改善に向け、環境技術の協力を進める考えを示している。中国が非常に望んでいる環境技術提供の橋渡し役となることに意欲を見せている。
日本は中国に莫大なODAを提供した。日本が提供した資金で中国は港湾、鉄道、空港及び道路などインフラを整備した。日本の金で開発された海南島は南シナ海支配の拠点と化した。中国はベトナム及びフィリピンの領海を支配下に置きつつある。金を毟り取られても懲りずに、今度は環境技術を提供する。日本は骨までしゃぶりつくされようとしている。
中国は「(敵が)利を求めているときはそれを誘い出し」、財界人に「三跪九叩頭の礼(さんききゅうこうとうのれい)」をさせた上で、欲しいものを与える経済外交,体のいい朝貢貿易である。日本の媚中派政治家や財界人は、中国の罠に嵌っている。これを恥じず金に目がくらんだ売国奴!
このように、媚中派の言う“日中友好”は日本と中国共産党との友好関係であり中国国民との友好関係ではない。したがって、天安門事件はおろか、人権侵害、東トルキスタンヤチベットなどでの圧制に目を瞑り、金か利権がパイプとなった“友好”である。
●(敵が)混乱しているときはそれを奪い取り、
兵を用いることなく人の国と軍の内部崩壊を策し、これを取るのである。之を文伐といい、兵の反対、すなわち文=智謀を以って人を討ち、勝ちを制するのである。
今年の秋には安倍内閣の改編があるらしい。安倍首相の訪朝やプーチン大統領の来日などの報道がなされている。このような時期に、危機管理の隙を見せれば中国はそれをついてくる。また、台風にあわせ中国漁船団が“避難”を名目に尖閣諸島や先島諸島に襲来することも予期しなければならない。日本国内が混乱していれば、尖閣諸島は奪い取られないとも限らない。「乱にしてこれを取り」である。
●(敵が)充実しているときはそれに防備し、
●(敵が)強いときはそれを避け、
中国は日米離間を画策している。オバマ大統領は訪日し「尖閣諸島に安保条約を適用」する旨、発言した。また、米中の軍事的能力は、ここしばらくの間は米軍のほうが優位な状況が続くものと予想される。このため中国は「(米国とこれと同盟関係にある日本が)強いときは日米に対しては、“超限戦”で臨み、弱いベトナムやフィリピンに対しては強く出ている。
●(敵が)怒りたけっているときはそれをかき乱し、
「撓」とは、敵の怒りに乗じて精神的にかく乱すること。
中国の南シナ海でベトナムやフィリピンの怒りを無視するかのように海洋支配を強行している。中国は西沙諸島の永興島に約2700メートルの滑走路を備えた飛行場をもっているが、南沙諸島では航空拠点がない。有事の際に中国本土から戦闘機を投入するには限界があるので、ジョンソン南礁の埋め立て、滑走路の建設作業を強行している。南シナ海の制海権確保のためなりふり構わない。
5月15日記者会見した中国外務省の副報道官は「悪意を持って騒ぎを拡大してはならない」とベトナムを強く非難した。
●(敵が)謙虚なときはそれを驕りたかぶらせ、
海自艦艇に対するレーダー照射があったと思っていたら、5月24日午前11時ころ、東シナ海中部公海上を飛行中の海自の画像情報収集機(OP3C)に中国の戦闘機SU27が30メートルという、「常軌を逸した近接行動」をした。その1時間後には空自の情報収集機(YS11EB)に対して同型機2機が背後から接近、うち1機が約30メートル接近した。いずれも、ひとつ間違えば偶発的な事故につながる危険な行為である。
日本が「謙虚なときはそれを驕りたかぶらせ」るため挑発を繰り返している。
●(敵が)安楽であるときはそれを疲労させ、
「佚(いつ)しては之を労す」、佚とは、安逸、豊満の意味。陣容が整斉として充実している敵は、疲労に陥れ戸言うのである。また、我は安逸の状態にあって敵を疲労困憊に導くということ。
空で挑発行動を繰り返しつつ、海上においては中国公船が尖閣諸島周辺のEEZ内、接続水域及び領海内を航行し、最近では、それが常態化している。警備にあたる海上保安庁は、本命に疲れないか。
●(敵が)親しみあっているときはそれを分裂させて、
敵を孤立無援に陥れることは必勝の要訣である。敵の盟邦と親しくして切り崩して我の陣営を優勢にする。「夷をもって夷を制す」のはシナの戦法である遠交近攻、合従連衡の策略にも通じる。
7月上旬に習近平は韓国へ行き「河野談話検証」、歴史認識問題などでパク・クネを手懐ける。中韓連携して「歴史」に絞り対日圧力を強める。また、首相の李克強は6月16日、訪英しキャメロン首相と会談、エネルギー、投資、金融などの分野で総額300億ドル(約3兆597億円)の商談外交を展開した。その後、李克強はギリシャを訪問しアテネでサマラス首相と会談、港湾整備や海洋分野での協力強化を確認した。
習近平と李克強は手分けして各国を回り、経済力を武器に訪問国を手なずけ、日本との離間工作を展開している。
この動きは、中国得意の羈縻懐柔である。「羈縻(きび)」の「羈」は馬のおもがい、「縻」と牛の鼻づな。転じてつなぎとめること。また、使役すること。懐柔とは上手に話をもちかけて,自分の思う通りに従わせること。羈縻懐柔は中国外交の真髄である。
●敵の無備を攻め、敵の不意をつくのである。
敵の備えが無いか薄いところは、弱点で攻者は兵力を集中してよい絶好の攻撃点である。「備え」には有形のものと無形のもの、精神的なものが有る。有形上は配備のこと、無形のものは、心の「備え」が無いことをいう。
「敵の不意をつく」敵の不意をつくことは、敵を混乱に陥れ、その勇気を奪い取って多大の戦火を挙げることができる。
今年、オバマ大統領が4月下旬、アジアを歴訪し、沖縄県の尖閣諸島が対日防衛義務を定めた日米安保条約第5条の適用範囲に含まれると表明し、米軍のフィリピン再駐留に道を開く米比軍事協定に調印したのは、中国の挑発阻止に向けたメッセージであった。中国は、オバマの歴訪直後に石油の掘削設備を設置した。
オバマ大統領の動きに対抗して、中国の李克強首相はベトナムを中越の懸案を話し合った。李克強が訪越したことでベトナムは、中国が南シナ海のパラセル諸島沖合で石油掘削作業を行うことはないと油断した。オバマ大統領の歴訪直後に石油の掘削設備を設置した。オバマ政権は中国と良好な関係を保ちつつ、中国に法とルールを守らせることができるのか、中国はオバマ政権やベトナム及び5月11日、ミャンマーのネピドーで開催されたASEAN首脳会談参加国などベトナムの隣接国の決意を試すテストを行っている。
中国は、「軍事力の配備、心の備え」が無いと判断すれば、そこをつく。
●これが軍学者のいう勢(せい)であって、出陣前にはあらかじめ伝えることのできないものである。
これが軍学者のいう、敵情に応じての処置であるから、出陣前にはあらかじめ伝えることのできないものである。
集団自衛権行使のための憲法論議や15の事例研究など、戦場では意味が無い。 「機略は千変万化、予示し得ず」である。
中華民族の復興で日本は属国に転落してはならない
中国人は古来自国を中華と称し、周囲の異部族を夷狄、のち東夷、南蛮、西戎(せいじゅう)、北狄と軽べつして呼んだ。この自国を尊び異部族を卑しむ思想を中華思想という。北狄の諸部族の名称に犭が、蛮族のそれに虫のついた文字が多いことは、彼らを動物視しているからである。中国のベトナムやフィリピンに対する傲慢無礼な対応は、これを裏書している。
中国人の思考パターンは建前と本音を明確に分け、つねに建前を言う裏では本音を隠し、日常生活においても戦略的思考を持っている。その対極的な思考パターンを持つのは日本人である。バカがつくほど正直で直情、常に本音を丸出しにしている。そんな日本人は、戦略的思考の中国人からしてみれば格好のカモである。
中原の中国人からみれば、天子の徳化、王化の力とは無限のものであり、中国の境界も王化の力とともに無限に広がるものである。中国人が神聖なる固有領土がここまでに至るとみなせば、ここまでが「国境」になる仮に華化されていない「化外の地」であっても、中華帝国の物理的力でなくても文化の力が及びえるところは、近い将来、必ず華化され、そして中国になる。華夷関係は無限定であり、夷はつねに華に転化した。「天下あまねく、王土に非らざるものなし」(「普天之下、莫非王土」)、中国は国力増大に伴い領土領海の拡張に踏み出した。
日本国内では中国の脅威を前に、個別自衛権はいが集団自衛権はだめだと、憲法をテーマに“勉強会”のさなかにある。中国は夷の日本を華化、属国とする対日工作を展開している。日本は内憂外患、これで国の防衛が可能なのか。正念場を迎えている。
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