小沢一郎の訪韓時の講演、
「騎馬民族説」を語る
小沢一郎は、2009年12月12日、訪韓時、韓国の大学生に対する講演で天皇制について下記のようなことを述べている。
自民党の幹事長時代、東京大学の江上教授が陳情に訪れ、大阪盆地に仁徳天皇や応神天皇陵があるが、これを発掘調査させてくれれば古代日本の成り立ちがわかる。宮内庁が陵墓を管理しているので発掘調査が出来ない。調査できるように協力してもらいたいとの事だった。
歴史に興味を持っていたので、教授と歴史談義をした。教授によると朝鮮半島に住んでい人たちが海を渡り九州を拠点に勢力を拡大、海岸沿いに北上し奈良盆地に政権を立てた。天皇になった。著名な歴史文化学者がこのような説を唱えた。これ以上言うと国へ帰れなくなるが、歴史的事実だと思う。
古代史によると、お国の百済や新羅の両国とも緊密な関係にあった。古代の書物によると大和朝廷と百済、新羅との交流では、通訳をつけたことは無かった。言葉と発音が同じだったからだ。大和の軍人・役人が百済の朝廷に仕えていた。逆に百済・新羅の軍人や役人が大和朝廷に仕えていた。相互の交流が頻繁に行われていた。・・・・・と語った。
これは、学会で否定された江上波夫の「騎馬民族説」である。 小沢一郎は「通訳をつけたことは無かった。」と言っているが、研究によると通訳は存在していた。
他に、天皇陛下について「天皇を訪韓させることもできる」、「天皇陛下の行動は、日本政府が自由に決めることが出来ると憲法に規定されている」、「日本人は自立心が足りない国民だ」などと述べている。
小沢一郎が語った「騎馬民族説」
否定された古代日本史観の一つ
・・・・・・諸説あるなかの仮説
古代学者井上光貞は、「日本国家の起源」(岩波新書)の中で「応神・仁徳・履中の三陵は確かに古代天皇制国家の確立の記念碑である。応神こそ、その実在の確実な最古の天皇であることを証明し、進んでまた新王朝の始祖ではあるまいか」、井上光貞のよれば、皇室の始祖は応神天皇であり、それは九州から畿内に入った征服王朝者という説を述べている。
後年、彼は、「神話から歴史へ」の中で水野氏(戦後活躍した古代史学者)のように応神王朝の前身を三世紀の狗奴国が征服者であったという回りくどい経路よりも応神天皇その人が海を渡って日本に侵入したのであったとしたほうが仮説として合理的だと思っている。」とも説いている。
「応神天皇その人が海を渡って日本に侵入した」とは、どういうことか。井上光貞は江上波夫の「騎馬民族説」を否定しているから、ツングース系の渡来征服説ではないだろう。海を渡って日本に侵入したという以上、朝鮮半島の人という意味なのだろう。井上光貞の説も稲荷山古墳の鉄刀に刻まれていた文字(銘文)の解読などで否定されている。
戦後、左翼学者に利用された津田学説では、古代日本の統一時期を「4世紀前半にはほぼ統一」され、「5世紀初期には全土の統一された時期」と述べているが、その見方に反対が多い。特に、北朝鮮の学者金錫亭の「古代朝日関係史 昭和44年」が公刊され「三韓三国移民の日本列島進出」、つまり朝鮮側の日本分国論が関心を集めるようになった。
それによると、大和朝廷・・・・金によると「天皇家」・・・とは、もともと北九州に位置を占めていた百済・・・駕洛系の朝鮮勢力であり、それが5世紀末ころ畿内大和に攻め入り畿内を統合していた倭王朝(讃・・・武5代の王朝)を征服して成立したのが新大和王廷であるという珍説もある。小沢一郎の古代史観は、北朝鮮の公式な古代史観と同じである。また、江上波夫の「騎馬民族説」は学会で否定された学説である。ちなみに、韓国の歴史教科書は小沢一郎が講演で述べたことと全く同じことが記述されている。小沢一郎は、自らの出自を語ったようなものだ。
小沢一郎に呼応する朝鮮人の珍説
”朝鮮半島”の政治的、経済的影響力が強くなると、このような珍説がまことしやかに流布される!
冷戦時代、「騎馬民族説」や朝鮮系の古代史観が関心を持たれた時期があったが、小沢一郎が今もこれを信奉し朝鮮で語るのは、中国・韓国訪問から帰国後の宮内庁長官に対する攻撃で明らかなように皇室のイメージダウンの意図があるからだろう。
天皇制のイメージダウン、天皇制否定の一環
雅子夫人・愛子さんの不登校という私事がテレビ、週刊誌で大きく取り上げられている。皇太子のアフリカ訪問は国家の重要な外交行事であるが、ニュース番組でたまに放映されることはあったたが、あまり目立たない。
皇室関係者が意図したか否か分からないが、結果として皇室のイメージダウン、国民の天皇制についての見方に大きな一石・・・・マイナスのイメージの・・・・・を投じたことは否定できない。
小沢一郎が韓国における講演で天皇制の成り立ちについて学会で賛否両論あったが否定されている「騎馬民族説」を説いたり、皇室の政治利用を説いてたが、これと呼応するように皇室の内外で・・・・・皇室内の中にも、もともと天皇制否定の職員はいる・・・・・皇室の権威を否定する動き、日本人の歴史観を根底から否定する動きがあるようにも観察される。
ペアで飛ぶ政府専用機
ムダ金を使うようなイメージの記事
読売新聞では、今回の皇太子のアフリカ訪問の外交的意義を説いた記事を目にしたことがない。運行費が6400万円かかったから”事業仕分け”の対象にしたらいいとでもいいたいようだ。記事の下に「皇太子さまが帰国」の記事が付け足しのように掲載されている。恰も、皇太子が水の研究のためアフリカに出かけ雄大な自然を楽しんだような書きっぷりである。外交的意義に言及していない。この記事では、皇太子の”私的”な公式訪問というような印象を受ける。
愛子様授業に出席 皇太子様大統領表敬
主客転倒!国事行為より重要か”不登校”
皇太子の記事は、末尾に目立たぬように掲載 している。
東宮太夫が不登校を公表したので、愛子さんも関係の生徒もその人生にマイナスに作用するだろう。母親の愛子さんに対する溺愛が”不登校”の一因ではないか?
天皇皇后陛下、医療功労賞受賞者と面会
33面の社会面に縦3.8cm、横5.1cmの写真入の記事であるが、周囲の記事に注意。
天皇皇后の記事の下に「二葉百合子さん歌手引退へ」と、恰も天皇も引退の時期が到来していることを暗示させるかのごとく掲載している。記事を時計回りに見ると、「育成条例改正案反対会見」は、青少年の性行為を描写・・・・、その下は「奈良放火殺人」の記事、社会的評価を低下されたとして福山哲郎外務副大臣が「文春などを提訴」した記事、「裁判員法廷から」の記事は「強姦致傷被告に無期懲役を・・・・」の文字が見える。悉く、暗いエログロ・ナンセンス、殺伐としたイメージの時事が掲載されている。 読売新聞のナベツネは共産党に所属したことがある天皇制否定論者であるから、皇室の明るい話題は、めだたぬように日曜日の付録の2ページにけいさいするが、それ以外の動静は社会面に目立たぬように、暗い否定的な話題に並べて掲載している。報道の底流に天皇制否定の意図が透けて見える。
愛子さんの不登校は、天皇制を否定するものにとっては、格好の話題・・・・餌食・・・・である。