「普天間」早期解決で一致 …日米閣僚級作業部会
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題に関する日米両政府の作業グループ初会合が11月17日、外務省で開かれ、岡田克也外相、ルース駐日大使らが迅速に結論を出すことを確認した。同席した北沢俊美防衛相は会合後、記者団に「岡田氏とともに年内に結論を出さないといけないという認識を持っている」と述べた。近く再会合を開き、キャンプ・シュワブ沿岸部(名護市)移設を決めた2006年の日米合意を検証する。
”2006年の日米合意を検証”すると言っても、中身はアメリカ側の次官補から説明を受けるだけで、鳩山政権の閣僚が普天間基地移設問題に真剣に取り組んでいるかのごとくアピールするパホーマンスに過ぎない。
作業グループは岡田外相の勉強の場、鳩山政権のパホーマンス
普天間基地の移設に関して日米首脳会談で作業グループを設けて検討すると決まったので関心を持っていたが、初回の会合は、予算の説明だったと報道されている。作業グループの初会合に参加したのは、日本側は外相、防衛相の2人の大臣であるが、アメリカは国務、国防両長官の代理のルース駐日大使とグレグソン国防次官補が出席した。
ルース大使は駐日大使に指名される前は、日本とのかかわりが無かった弁護士で“検証”作業を行うための経験も知識もない単なる立会人のような人だ。移設問題に関する日米両政府の作業グループといっても、実態は日本側の2人の閣僚にアメリカの国防次官“補”がレェクチャーする場なのだろう。
鳩山政権は、マニフェストに「7 外交 51 緊密で対等な日米関係を築く」として
○日本外交の基盤として緊密で対等な日米同盟関係をつくる
ため、主体的な外交戦略を 構築した上で、米国と役割を分
担しながら日本の責任を積極的に果たす。」
○日米地位協定の改定を提起し、米軍再編や在日米軍基地
のあり方についても見直しの方向で臨む。
・・・・とかっこよく掲げている。
沖縄で米兵が交通事故を起こしたので地位協定を改定するための契機とするのかと思ったが、そうでもないようだ。米軍の再編、在日米軍基地のあり方など、どれをとっても非力な岡田外相や北澤防衛相にはアメリカと交渉するだけの政治力も戦略もない。
初会合は「『早期解決』で一致」したが、”検証”は二の次のようだ。年末までの数回の会合で中身のある“検証”は出来ない。鳩山首相は「結論を尊重」すると言っているが、自らの指導力の無さを示している。この作業部会は、言ってみれば岡田外相の勉強の場であり、マニフェストを実行できない鳩山政権が軌道修正するパホーマンスのようなものだ。
外相、現行案も容認
17日に、少しだけアメリカ側から説明を受けたら、たちまち「現行案も容認」と変節した。何の考えも無かったということだ。
「G2時代」の幕開け アメリカは日本には冷めている
米軍基地の移設に関してアメリカ側は前政権と合意した案を変える姿勢を見せていない。日本側は首相、外相、防衛相の考えが3者3様で政府内の足並みが乱れている。これではアメリカ側が本腰で取り組むことは出来ない。先般来日したゲーツ国防長官は半ば立腹して帰国した。国務長官は大統領に同行して地球規模のテーマについて話し合う米中会談に臨んでいる。それぞれ端役に任せ、移設問題の作業グループなどには関心が無いかのようである。自国の防衛について確固とした考えが無い政権を外国が一人前の国と扱うことはない。
オバマ大統領は上海で(中国の未来の指導者)学生との対話集会に参加し、北京では故宮を見物した。大統領は後日、万里の頂上を見物する予定になっている。中国文明に酔いしれていると言ってもいいくらいである。中国は、大統領を遇することに遺漏は無い。
中国を訪問中のオバマ米大統領は11月17日、北京の人民大会堂で胡錦濤国家主席と会談し、「21世紀の前向きで協力的、包括的な米中関係」を構築するとうたう共同声明を発表した。両首脳は、経済問題や気候変動、核不拡散などの共通の懸案で連携して取り組むことでも合意し、米中が国際社会を主導する「G2時代」の幕開けを印象づける首脳会談となった。
オバマ大統領は日本には23時間しか滞在しなかったが、それでも来日したので首相の面子が立った。アメリカは、熱が冷めていた。にもかかわらず首相はオバマ大統領を置いて先にシンガポールに向け離日した。日米関係の空洞化、擦れ違いを現していた。鳩山政権の無為無策と米中関係をみれば、「日米対等」は空想の世界のこと、日本抜きで物事が進展している。
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