スピリチュアリズム・ブログ

東京スピリチュアリズム・ラボラトリー会員によるブログ

【「幽霊」とは何ぞや】④物理的心霊現象としての幽霊

2012-03-29 00:04:21 | 高森光季>スピリチュアリズム霊学

【生身をもって現われる霊】
 柳田国男の『遠野物語』の中に、出現した女性の幽霊が立ち去る時に、囲炉裏の縁に置いてあった火箸にその衣の裾が触れ、火箸がくるくるっと回ったという記述があります。柳田はこの記述を現世とあの世がつながっていることの表現として高く評価していたと思います(メーテルリンクに似た表現があるという指摘もあるようですが)。
 霊がそこに、生身とほぼ同じように出現する。まさしく「物理的心霊現象としての幽霊」ですが、これもけっこう報告例はあります。(嘘かホントか「2ちゃんねるのスピリチュアリズム」ではゲームのコードに引っ掛かって怒られた霊の話がありましたね。)

 心霊写真の場合には、居合わせた全員が見、かつそれが写真ないし動画に撮られたという場合、「物理的心霊現象」であることになります。こういうことはあまり多くないでしょうが、居合わせた全員が足音を聞いたり、触れられる感触があったり、さらには肉体がなしたのと同様に物が動いたり壊れたりする、というケースはあることはあるようです。

 一般的な(交霊会での)物理的心霊現象の場合には、エクトプラズムが使用されます。霊媒や参加者から集められた「エーテル質」を、振動数を落として、物質に近いものにし、それを行使して、姿が作られたり、物が動かされたり、声が発せられたり(エクトプラズムによって「ボイスボックス」という声帯状のものが作られるそうです)、参加者に触れたり、といったことがなされるわけです。
 これは相当難度の高い現象で、優秀な物理霊媒でなければ見られないものです。当然、その背後には、意思疎通して協力し合う複数の霊がいるはずです。また、居合わせた人の中に、強い霊媒体質の人と、そうではないがエーテル質を豊かに持つ人がいる必要もあるでしょう。

エクトプラズムの写真
シュレンク=ノッツィンクの『物質化現象』(Albert Von Schrenck Notzing, Phenomena of Materialisation, 1920) に収録された霊媒スタニスラヴァ・Pのエクトプラズム(1913年7月1日撮影)



全身物質化現象
多彩な現象を起こしたことで有名なエウサピア・パラディーノによる「全身物質化現象」。
「キャビネット」の中にいる霊媒からエクトプラズムが流出し、右側の霊の全身像が
形作られている。



 それを一般の「幽霊屋敷」などで起こせるのでしょうか。あるいは偶発的な出会いで起こせるのでしょうか。
 このあたりが不思議なところです。そんなことはない、とは言えない。「居合わせた人」が一人とか二人とかで、霊の方もほぼ単独と思われる状況で、こうしたことが起こることもあるらしいのです。
 2ちゃんねるにこんな書き込みがありました。

24 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2012/03/22(木) 16:06:18.14 ID:ZTw5NozCO [1/3]
  前住んでいた家は階段の踊場に大きな鏡がかけてあって、自分の部屋のドアを開けると
  真っ正面に階段、そして鏡って感じだったのね。
  それである夜トイレに行こうと部屋のドアを開けたらその鏡に
  おかっぱの女の子の首が映っていたんだ。(もちろん階段には誰もいない)
  目は虚ろなのに、しっかりとこちらを見ていたから視線を合わせたままお互いフリーズ。
  とりあえず何も見てない何も見てないと慌ててドア閉めたんだけど、
  トイレ行きたいしそろそろ夕飯の時間だからどうせ下降りるし…と1人寝室で悶えていた。
  するとちょうどいいタイミングで母親(霊感有)登場。
  部屋に入るなり「あんた、呼ばなかった?」と聞いてきた。
  「いや何も?」と返すと「は?呼んでないの? 何言ってるのかは分からなかったけど
  女の子の声が階段の方から聞こえたんだけど」と不思議そうに首を傾げる。
  まさか、と思い「さっき階段におかっぱの女の子いたよ」と話すと
  母親はΣ(゜Д゜)ハッとした顔をして
  「あぁ!それでか!あたしその子踏んだわぁ」
  と笑い出した。

25 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2012/03/22(木) 16:08:10.46 ID:ZTw5NozCO [2/3]
  事の次第はこうだった。
  私らしき声に呼ばれたと思いイラつきながらも料理を中断して階段をあがっていくと、
  母親も階段手前で何か違和感を感じたらしい。
  でもとりあえず私に一言文句言おうと、気にせずズンズンと階段をあがると
  踊場のあたりで何かを踏んだという。
  しかも踏んだと同時に小さく「ぁっ」というか細い声も聞こえたけど
  それも華麗にスルーしたとの事。
  「踏んだのその子だったんだぁ~!でも踏んだらいなくなったよ!完☆全☆消☆滅☆
  アッハハハハ!」と笑う母親の方が怖かったというお話。

 なかなか微妙な現象です。この「踏んだ」は物質に近いものとして踏んだのでしょうか。濃厚なエーテル質を感知したということでしょうか。それとも、あくまで思いから生まれた主観だったのでしょうか。

 ちなみに、キリスト教の根本にある「イエスの復活」は、死者が生身をもって出現するという現象だったとされています。実際どうだったのかは不明ですが、当然、空前絶後の奇跡でなければならないわけで、スピリチュアリズムの霊媒が起こす「全身物質化現象」は逆鱗に触れるものだったでしょう。しかし、霊が生身(に非常に近い形)をもって出現するのは、稀ではあっても、古今東西で見られる現象であるわけです。日本の民間伝承ではありすぎて平凡ですらあるかもしれません。そういうものが空前絶後の奇跡となるのは、どうも不思議ですね。

 いずれにせよ、ここでも、心霊写真の時と同様、①何かを伝えようとしている、②いたずら、③邪悪な意図がある、という可能性があるわけで、そのいずれなのかを判別しなければなりません。


【ポルターガイスト(騒々しい霊)現象】
 正体不明の霊が起こす物理的心霊現象として有名なのが「ポルターガイスト」現象です。ある場所で、突然何かを叩く音が響いたり、皿やテーブルが浮遊したり、ドアやカーテンが開け閉めされたり、時には何もないところから火が燃え上がったりもします。不思議に、霊の姿そのものが現われることは稀なようです。
 ポルターガイストはかなり研究され、多くの事例では、「中心に思春期の子供がおり、その子供が不在の場合は起こらない」とされています。思春期の子供は、まだ霊魂全部が肉体に収まっておらず、エーテル質をはみ出させていることがあるため、物理的心霊現象のエネルギーの供給源となります。特に、その子供が強く悩みを抱えている時に、起こりやすいとも言われています。
 ちなみに、スピリチュアリズムの出発点となった「ハイズヴィル事件」も、ポルターガイスト現象として始まり、フォックス家の三姉妹という子供たちが主役になりました。そして現象の一応の主体者は、その場所で以前に殺されたロスマという行商人の霊だったとされています(持続力と影響力を考えるとその背後に相当の数の霊団がいたと思われます)。なお、メッセージがあれだけ送られてきたのに、ロスマ自身の姿が出現したことはありませんでした。

 この現象もはっきりと仕組みがわかっているわけではありません。なぜ物をぶん投げたりするほどのエネルギーがあるのか、目的は騒乱ばかりでいったい何を意図しているのか。
 おそらくは、中心人物のエーテル質が驚異的に多いということでしょう。そして、その人物の攻撃的な思念に呼び寄せられた霊(単数か複数かは不明)が、図に乗ってか、それとも半ば無意識に巻き込まれて、いろいろな物を動かしたり壊したりするのではないでしょうか。それにしても、一人の霊媒体質者と少数の霊だけでこれだけの現象が起こることは驚きです。

 中心人物が見あたらないポルターガイストもあります。数年前、テレビなどで取り上げられたマンションの事例では、複数の部屋で物理的心霊現象が起こり、中心人物は特定できない状況のようでした。誰かが一度お祓いをしたが効果がなく、改めて有名霊能者が行なったら収まったとか、収まらなかったとか、ちょっとはっきり覚えていません。こうなるとわけがわかりません。
 その時、確か霊能者が「このマンションの現象が起こっている一角は霊道になっているからだ」と言っていたと記憶しています。この「霊道」という概念、昔はあまり聞いたことがない気がしますが、この頃はいろいろな人が言うようになっています。ずっと前、私が信頼していた霊視者も、近いことを言っていました。借りたアパートがたまたま霊道になっていて、いろいろな霊が通り過ぎていく、というような話もあります。
 真偽はわかりません。なぜこの世にそんな道がついているのか、いったい誰が利用して、何をしているのか、どうも理解できません。


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