シルバー・バーチさんの霊言は、日本でとても人気があります。近藤千雄氏のご尽力もあって、いくつものバージョンが出されています。国会図書館のリストから新装版の重複を除くと、以下のようになります。ただし異なる版元で内容が重複しているものもあるかもしれません。★はネットでも公開されているもの。
いやあ、すごい数ですねえ。読者がこれだけいるということでしょう。万単位なのかもっと上なのか。
シルバー・バーチの霊訓. 1 ~12 / 近藤千雄. 新装版. 潮文社
古代霊シルバーバーチ不滅の真理 / トニー・オーツセン[他]. ハート出版, 1993.6
古代霊は語る / 近藤千雄. 新装版. 潮文社, 2005.2
シルバーバーチ今日のことば / シルバー・バーチ[他]. ハート出版, 2008.8
シルバーバーチ最後の啓示 / トニー・オーツセン[他]. 新装版. ハート出版, 2005.3
シルバー・バーチに聞く / 桑原啓善. でくのぼう出版, 1994.4
シルバーバーチに最敬礼 / 近藤千雄. コスモス・ライブラリー, 2006.9
シルバーバーチの新たなる啓示 / トニー・オーツセン[他]. ハート出版, 2003.9
シルバーバーチの祈り / シルバー・バーチ[他]. 潮文社, 2007.12
シルバーバーチのスピリチュアルな生き方Q&A / バラード,グリーン[他]. ハート出版, 2002.3
シルバーバーチのスピリチュアルな法則 / フランク・ニューマン[他]. ハート出版, 2003.7
シルバーバーチのスピリチュアル・メッセージ / トニー・オーツセン[他]. ハート出版, 2002.6
シルバー・バーチ霊言集 / 桑原啓善. A.W.オースティン[他]. 新装版. 潮文社, 2005.2
シルバーバーチは語る / サイキック・プレス[他]. ハート出版, 2003.3. (CDブック)
スピリチュアル・イングリッシュ / 坂本英知[他]. ハート出版, 2007.12
シルバーバーチは語る / A.W.オースティン[他]. 心の道場, 2000.9★
シルバーバーチの霊訓 / トニー・オーツセン[他]. 心の道場, 2001.8★
地上人類への最高の福音 / トニー・オーツセン[他]. 心の道場, 2003.1★
霊的新時代の到来 / トニー・オーツセン[他]. 心の道場, 2004.10★
(最後の三冊は、シルバーバーチ愛の絆 / トニー・オーツセン[他]. コスモ・テン, 1990.1.、シルバーバーチ愛の摂理 / トニー・オーツセン[他]. コスモ・テン, 1989.3.、シルバーバーチ愛の力 / トニー・オーツセン[他]. コスモ・テン, 1989.7.の再版とのこと。)
* * *
シルバー・バーチさんの言葉は、だいたいがQ&Aになっていて、ほとんどがきわめて明快です。ごく時たま、「それは人間が知っても仕方のないこと」とぴしゃりと切ったり、明確な回答を避けていると思われるところもありますが、たいていは、懇切丁寧に、易しい言葉で説いてくれます。
もう多くの人はご承知でしょうけれども、シルバー・バーチとは、モーリス・バーバネル(英、1902-1981)を専属として通信してきた霊で、
・その名前は“レッド・インディアン”(アメリカ先住民))だった時の「あだ名」から取ったもので、身元(地上時代誰だったか)は明かしていない。
・“高級神庁(霊団)”からの誘いで、多少躊躇したが、地上への通信の役割を引き受けた。
・バーバネルを誕生前から導き育てた。
とのことです(詳しくはスピリチュアリズム普及会の「シルバー・バーチの歴史」http://www5a.biglobe.ne.jp/~spk/about_sb/sb-history/index.htmをご参照ください)。
《正直いって私はあなた方の世界に戻るのは気が進みませんでした。〔中略〕あなた方の世界は私にとって全く魅力のない世界でした。しかし、やらねばならない仕事があったのです。しかもその仕事が大変な仕事であることを聞かされました。まず英語を勉強しなくてはなりません。地上の同志を見つけ、その協力が得られるよう配慮しなくてはなりません。それから私の代弁者となる霊媒を養成し、さらにその霊媒を通じて語る真理を出来るだけ広めるための手段も講じなくてはなりません。それは大変な仕事ですが、私が精一杯やっておれば上方から援助の手を差し向けるとの保証を得ました。そして計画はすべて順調に進みました。》(近藤千雄編『古代霊は語る』13-14頁)
バーチさんは、この仕事を自らの鍛錬として引き受けたそうですが、その際、「怒らない」ということを自分に課したそうです(出典失念)。
確かに、質問の中には「アホか」と思ってしまうようなものもあります(特にキリスト教聖職者など)が、それに対しても、決して怒りを表わすことなく、的確に答えています。
そういう基本があるせいか、バーチさんの言葉は、常に理知的で、冷静です。あえて言えば、ほとんど感情が表に出ない。
(余談ですが、マイヤーズ霊も理知的ですが、ある種の感情を湛えている表現もあります。インペレーター霊は厳しいですが、やはりかすかに感情の動きを感じさせます。その点、バーチ霊は「最高模範の教師」みたいで、“感情タイプ”(ユングのタイプ論で)の私は、少し息苦しく感じられる時があります。)
さて、その「怒らない」バーチさんが、珍しく愚痴を言っている個所があります。私はバーチ霊言を全部読んだわけではないので確かなことは言えませんが、とても珍しいことだと思います。
以下にその言葉を。
《私たち霊界の実情を言わせていただけば、毎日毎日ひきも切らず地上から送り込まれてくる不適応者、落伍者、放蕩者、社会のクズというべき人たち――要するに何の備えもない、何の用意もない、何の予備知識も持たなくて一から教えなければならない人間の群れには、もううんざりしているのです。》(『シルバー・バーチの霊訓』第2巻、89頁)
同じようなことは、死刑や戦争・大量虐殺に関してですが、インペレーターも言っています(『霊訓』第2節)。
霊界も大変なようです。特に地上に近い霊界は「地上によく似た世界」なわけですから、その混沌、修羅もまた(へたをすれば余計に)大変なのでしょう。それを指導する高級霊の苦労は、察することすらできませんが、愚痴の一つも言いたくなるものなのでしょう。
なかなか難しいことでしょうが、せめて自分だけでも、あまり高級霊の手を煩わせないよう、混沌・修羅に陥らないよう、頑張らなくてはなりませんね(笑い)。
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