『よし、ここまで来ればあと一息…』
日夏はプリントアウトをしていたプロットを見直した。
章も後残り一つとなったところで最終構成に入る。が、その瞳が突如、戸惑いで染まった。
『後、一章で終わるのか? 話…』
まだ書き残しているプロットは、一章以上あったのだ。
日夏は愕然とした。
『章を増やす? もう一つ?』
ここまで来て、それはない。それに、と、彼女は思う。
『八章には意味があるんだ。これは、譲れない…!』
となると、だ。
残り一章に残ったラストの話を詰め込むには、何処かを削除するなり纏めるなり伸ばすなり、構成を見直さなければならない。
『畜生…ここまで来て! 構成を校正しなければならないなんて…!!』
日夏は卓上に突っ伏した。頭を打ち付ける音が、豪快に響く。
…って。ああああああ!! アホかああああ!!
頭おかしくなっちゃったよ!!
ふざけんなよ俺。一旦ここで最初から読み直しとかないだろ俺!!
平静な顔をして脳内暴れまくり中。
パソコンとプロットのファイルを前に、ちと固まって、脳内、上のような話が頭を過ぎったから吐いた。
今、ノリにノってるからやっぱ書いちゃおう。
とにかくラストまで書いちゃおう。
一日じゃ終わらない量だし。
うん。
と、もう一人の自分が今。判断した。吐いてすっきりしたんだねw
本当は明日から掲載したかったんだけどな。山城の弓張月。
継国さん。の第壱話を前に持ってきたから入れ替わりで。でも、ま、仕方ない。
この物語は日夏の一つのターニングポイントになるはずだから。
納得いくまで書き直す。む!
よし。頑張る!