群青を探してる

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インドネシア コモド島ー1

2020-01-31 19:10:00 | 旅行


お城の図書館で、私はコモドドラゴンの写真を見ていた。
その頃高校生だったチヨノと図書館で知り合い
インドネシア写真集を見ながら行ってみたいね、と冗談で話していた。

一番最初にコモド島を訪れたのはチヨノとだった。25年も前の話だ。
当時バリシーダンサーという船がバリ島のベノアからロンボク島〜スンバワ島
リンチャ島〜フローレス島〜コモド島を4泊5日かけて巡るクルーズが出ていた。
クルーズ船は上質で見事なマホガニーの木彫りの内装で、
スタッフは皆中世のロマンチックな衣装を着ていて、小さいながら素敵な船だった。
日本人にはまだあまり馴染みのないロンボク島やスンバワ島など、
独自の文化を持つ島民の村中を訪ねて
牛車レースや踊りなど珍しい体験が盛り込まれていた。

コモドドラゴンは悠久の時を経てその姿を今に残す恐竜の元型とも言われている大蜥蜴だ。
体調は大きなものだと3mを超えてるモノもいるらしい。
牛も倒す猛毒を持ち、去年イタリア人がドラゴンから食われたと
案内のお兄さんが教えてくれた。
隣のリンチャ島、フローレス島と合わせて5000頭程生息しているそうだ。

コモド島に上陸すると、ドラゴンを目当てにジャングルをかき分け、
ドラゴンの多く生息する高台の場所に、
棒っきれ一本持ったたくましいお兄さんが案内してくれる。
ジャングルを歩くのは暑くて大変だった。
途中大きな野生の鹿が出たり、イノシシや、野生の牛の群れもいた。
冒険家気分で一時間程歩くとドラゴンが一、二頭視界に現れだす。
……以前写真で見たのは、ドラゴンの生息場所に柵のようなものが設置されてて
人間が柵の外から柵の中のドラゴンを見ていた。隔てられていたようだったが…
柵はある事はあるけど…どちらもどこからでも自由に行き来出来た。

「やあ、来たよ」
じっとして動かないドラゴンの表情は無い。
彼方悠久の時空を見ているのか。

強力な尾っぽで大きな動物を倒す事も出来る彼らは
この地の他のトカゲ等と違い強面な印象だ。
土産物屋もホテルもないこの島の
この空間の中でひっそり昔ながらにただ
佇んでいるだけだ。
忘れられたラピュタのロボットのように…

この土地では
人間はオランと言い、ドラゴンをオラと呼ぶ。
昔からの神話があった。
神様はすべての良いところを集めてオランを作り
すべての悪がオラになった。
オランとオラは兄弟で、宇宙は善と悪で成り立っている世界、
良い部分を持つオランは悪い部分を持つオラを兄弟として可愛がっているという。
この島は神話がよく似合う。

あの目を図書館で見て以来ずっと来てみたかった
彼らの見つめる彼方に何があるのか。
ここは彼らの世界。
オラが今生を、オランと隔離された彼らだけの世界でひっそり生きる事は
オランに対する唯一の愛なのかな…

「ねえ、なんでドラゴン見たかったの?」
チヨノに質問した。
「かっこいいからですよ!歩き方が可愛いし〜💓」
屈託なく明るく笑う。

2回目はバリ島ングラライからフローレス島ビマの原野に飛び、
物凄い水しぶきを浴びながら
カヌーでコモド島に向かい、同じジャングルコースを歩いて彼らに会ってきた。

最後にこの地に行ったのはオーストラリア、シドニーからシンガポールに向かうクルーズの
途中寄港した時だった。


土産物屋もホテルも出来ててすっかり観光地に様変わりしていた。
こうなったら流石の永遠のドラゴンも
土産物屋に並ぶ日も近いに違いない。
彼らはそれでも これからも 気が遠くなる程続くだろう世界を、
知らん顔して悠久の彼方を見つめ続けて生きてゆくのかしら…

「ドラゴンのお土産カワイイ。一個買お」
この島が世界遺産に登録されたっぽく、ピンクサンドビーチで
ダイビングを目論んでいたが当てが外れた‘ヤツ’は
スターのぬいぐるみを手にしていた。

3回ここに来ている自分を考えた。
3回目までに色々あった。

前の夫は優しかった。
私はどうして夫と子供にもっと優しくしてあげられなかったのだろう…
どうして、もっとみんなを幸せにしてあげられなかったんだろう…
私が良い妻であれば
私が愛情をいっぱい注いで
もっと家族を思いやってあげられていたら…

周りはみんなよくやってる。
私だけがおかしかった…
私だけがいつもみんなの中でオラだった…
そんな事を思う。

最近ドラゴンはTV などでも時折スポットを浴び、ちょっとスターになってる。
島周辺も開発され大手観光業者が入り
凄まじく様変わりしているようだ。
コモド島は世界遺産になり
2020年から、もう立ち入る事は出来なくなった。
世界はすごい勢いで変わっていってる。
今は行けなくなったとこや なくなったところも多いが
時空を超えて想いの中で蘇る時がある。
あの時行っててよかった、と思う。

過去に戻る事は出来ないけど
あの頃はたせなかった想いは
少しづつ果たしていけば良いんだ。









ホノルル発ハワイ島周遊クルーズ

2020-01-31 15:35:00 | 旅行







ホノルル発、出航日直乗船ハワイ周遊クルーズ

 高層コンドの一室から見るホノルルは大都会だと知る。
地方暮らしのウチらとって、周りをネオンで囲まれた環境は居心地良いモノではなかった。
オアフ島にはもう2週間滞在していた。
最初の頃は、バスを乗り継いでハナウマ湾やパラダイス湾でシュノーケルしたり、
気に入りのカイルアのインテリア店でカーテンやクッションなんか買い物したり、
それなりに楽しんでいたが…
基本都会は旅行先に選ばない。    
なんって言うか…    深呼吸出来ない、みたいな。
言ってしまえば身もふたもないが、買い物はもとから好きじゃ無いし、
ハワイのグルメにも興味が湧かない。
物価高いし(今や日本以外はどこも物価高いけど…、)
気づけばいつもの引きこもり生活。
健康のため少し散歩して、ゴロゴロ 
YouTube見て、ゴロゴロ  ご飯食べてゴロゴロ…。
ウチらはまだクリヤヨガ以前。
身も心もどんより沈んでいくような日々だった。


………やっぱハワイ島に飛ぶしかないかな、
ハワイ島なら、田舎だし
知り合いの民宿なら、いつもアボカドやマンゴーとか季節の果物が畑や道に落ちてて
リュック一杯もらえたり、無農薬のフルーツジュースを作ってもらえる。
部屋が空いてるかネットを開いてみると
日本で見ていたハワイ四島周遊クルーズからメール。
なんとバーゲン価格発見❗️

年寄りよろしくヒマで辟易していた、ヤツ。
ノルウェージャンの上質なクルーズを見せる。
ホノルル出航し、ハワイ島ヒロ、カウアイ島、マウイ島、
ハワイ島のコナを1週間かけて巡る。
朝起きたら部屋から見たこともないエキゾチックな島影が見えるって 
 …「良いよね〜、」
しかも食事も部屋も移動もついてるなんて…!
メンドクない!
これよッツ!これこれ!
大盛り上がりで申し込むもネットの申込み期限は過ぎてた。
出航は明日、もとい、もう今日だ!

旅行先でストレス死しそうな暮らしに陥っていたウチら。
また、元のヒマで身も心もどんより沈んでいく日々に戻るのか…

気を取り直して、
多分無理だと思うけど、明日出航地に行って直で談判して運が良ければ乗ろう!
ダメだった場合はその足で空港に行ってハワイ島に渡ろう。
ハワイ島ではホテルも取ってないから、着いてから探すのはかなりヤバイが
今のままより良いだろう、  
とにかく、こんな人生抜け出さなきゃ、
そのためには挑戦が必要なのよ、って
意味、かなり違う気はするが
まあ、そんな感じで
大慌てで真夜中洗濯物取り込んで、荷物を詰め込んでベッドにつく。
敗北の予感はワクワクを覆い込んでた。

翌日タクシーでホノルルタワーに着くと、すでに早朝入港していた憧れの
「プライドオブハワイ」が圧倒的な存在で港に佇んでいた。
しばらくホワ〜とその美しい白い船姿に見惚れていた。
客でもないのにスーツケースを持った不審者のウチらに
スタッフはけげん顔。

「あの〜、急ですまんが今日乗せてくれんかのう?」
「OK〜」

おお、ヤツのようなノリの良さ(^。^)
ってか、ええ〜〜!
マジ、こんなんで良いの?あんたら?
しかも、内側の部屋だけどバーゲン価格の65000円。
天国キターッツ!!!