今も全国津々浦々で税務調査が活発に行われています。税務調査は、忘れかけた、忘れたい過去をほじくり返されるという大変いやなものです。税務調査では、忘れてしまった、憶えていない過去が突如現れることがあります。
早いもので今年もあと3か月を切りました。しかし、税務調査を受けている人にとって来年は、まだまだ遠い未来です。
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会社、個人事業者共に、税務調査で必ずといってよいほど調べられるのは「売上」です。税務調査の対象年度分の売上が、「漏れなく計上されているか」を調べられます。また、多くの納税者もこれが重点的調査項目であることは認識しています。にもかかわらず調査終了後、「どうして見つかったんだ・・・」とか「なかなか優秀な調査官だな・・・」などといってうなだれます。
調査官は売上計上漏れを発見するため次のような点を検討します。これは、どの調査官であっても同じです。
◆未入金分
事業年度中に未入金の部分も売上計上しなければならないことがあります。すでに、事業年度中に販売(出荷や納品)、サービス提供が終了している部分です。
この部分の売上計上漏れを発見する第一の手法は、請求書と売上計上記録(総勘定元帳など)との照合作業です。事業年度中の日付で請求書が発行されているのに、「どうして売上計上されていないのですか?」と迫ってきます。
次に、調査対象年度の翌年度の預金通帳です。特に、年度終了月の翌月の通帳です。翌月中旬日頃までの入金は、通常は前年度の未入金の売上(販売やサービス提供など)と考えられます。この件に関して、「どうして調査対象期間外の通帳を調べるのだ!?」といって反論する納税者がいます。しかし、この点は調査の通知の時点でも告げられていますので反論はできません。
◆請求書と預金通帳
売上には必ず入金が伴います。ですから、預金通帳と売上計上記録(総勘定元帳)との照合作業をすれば計上漏れの有無は発見できます。通帳では入金されているのに、売上計上されていないのはおかしいです。
◆領収書の控
現金回収分は領収書の控と売上計上記録(総勘定元帳)との照合作業をすれば計上漏れ分を発見することができます。
◆仕入との関係
仕入(売上原価)との関係も調べられます。年度中にAという商品を仕入れ(仕入計上記録あり)、Bという得意先に納品しているのにBに対しての売上計上がされていない場合です。これが売上計上されていないのはおかしいです。
◆事業外の預金通帳
あまりにも売上計上記録が不正確な場合には、事業外の預金通帳にも調査対象が広げられます。代表者の私的な預金口座や家族の預金口座に、売上代金と同じあるいは近似する入金がある場合には、「これ、この分の入金でしょ?」と迫ってきます。
◆得意先への反面調査
これも売上計上記録が不正確な場合に行われます。調査官が得意先に赴き、調査対象納税者との取引状況を調査し、その結果を売上計上記録と照合するのです。得意先に「あなたからこれだけ買いました」といわれれば、その分は売上として認めるしかありません。
反面調査は、まさに税務署の「伝家の宝刀」です。
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★税務署独自の調査網
初めての税務調査では上記の調査手法で「次々と」売上計上漏れが発見されますが、納税者も学習をしますので2回目以降の税務調査では計上漏れ件数が激減します。そこで、税務署はより巧妙な(悪質な)売上計上漏れ(所得隠し)に対処するため、独自の調査網を使って売上計上漏れを発見しなければならないのです。
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早いもので今年もあと3か月を切りました。しかし、税務調査を受けている人にとって来年は、まだまだ遠い未来です。
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会社、個人事業者共に、税務調査で必ずといってよいほど調べられるのは「売上」です。税務調査の対象年度分の売上が、「漏れなく計上されているか」を調べられます。また、多くの納税者もこれが重点的調査項目であることは認識しています。にもかかわらず調査終了後、「どうして見つかったんだ・・・」とか「なかなか優秀な調査官だな・・・」などといってうなだれます。
調査官は売上計上漏れを発見するため次のような点を検討します。これは、どの調査官であっても同じです。
◆未入金分
事業年度中に未入金の部分も売上計上しなければならないことがあります。すでに、事業年度中に販売(出荷や納品)、サービス提供が終了している部分です。
この部分の売上計上漏れを発見する第一の手法は、請求書と売上計上記録(総勘定元帳など)との照合作業です。事業年度中の日付で請求書が発行されているのに、「どうして売上計上されていないのですか?」と迫ってきます。
次に、調査対象年度の翌年度の預金通帳です。特に、年度終了月の翌月の通帳です。翌月中旬日頃までの入金は、通常は前年度の未入金の売上(販売やサービス提供など)と考えられます。この件に関して、「どうして調査対象期間外の通帳を調べるのだ!?」といって反論する納税者がいます。しかし、この点は調査の通知の時点でも告げられていますので反論はできません。
◆請求書と預金通帳
売上には必ず入金が伴います。ですから、預金通帳と売上計上記録(総勘定元帳)との照合作業をすれば計上漏れの有無は発見できます。通帳では入金されているのに、売上計上されていないのはおかしいです。
◆領収書の控
現金回収分は領収書の控と売上計上記録(総勘定元帳)との照合作業をすれば計上漏れ分を発見することができます。
◆仕入との関係
仕入(売上原価)との関係も調べられます。年度中にAという商品を仕入れ(仕入計上記録あり)、Bという得意先に納品しているのにBに対しての売上計上がされていない場合です。これが売上計上されていないのはおかしいです。
◆事業外の預金通帳
あまりにも売上計上記録が不正確な場合には、事業外の預金通帳にも調査対象が広げられます。代表者の私的な預金口座や家族の預金口座に、売上代金と同じあるいは近似する入金がある場合には、「これ、この分の入金でしょ?」と迫ってきます。
◆得意先への反面調査
これも売上計上記録が不正確な場合に行われます。調査官が得意先に赴き、調査対象納税者との取引状況を調査し、その結果を売上計上記録と照合するのです。得意先に「あなたからこれだけ買いました」といわれれば、その分は売上として認めるしかありません。
反面調査は、まさに税務署の「伝家の宝刀」です。
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★税務署独自の調査網
初めての税務調査では上記の調査手法で「次々と」売上計上漏れが発見されますが、納税者も学習をしますので2回目以降の税務調査では計上漏れ件数が激減します。そこで、税務署はより巧妙な(悪質な)売上計上漏れ(所得隠し)に対処するため、独自の調査網を使って売上計上漏れを発見しなければならないのです。
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