【実録】会計事務所(公認会計士・税理士)の経理・税金・経営相談

大阪市北区の築山公認会計士事務所(築山哲税理士事務所)です。
身近な疑問の解説と役立つ情報の提供をさせていただきます。

ネットショップなどが顧客に請求する配送料と代金引換手数料の仕訳

2010-01-31 10:00:00 | 勘定科目と仕訳
ネットショップを営む人が増えていることから大変多くのお問い合わせをいただいております。

■商品代金10,000円に配送料500円を上乗せした10,500円を請求する場合

≪借方≫売掛金10,500(入金時に売上処理をする場合には現金あるいは預金)
≪貸方≫売上10,500

運送業者への運賃支払いの仕訳は次のとおりです。

≪借方≫運賃、荷造発送費など
≪貸方≫現金あるいは預金

複数の発送分について合計して請求された金額で仕訳をします。

■商品代金10,000円に送料500円と代金引換(代引)手数料500円を上乗せした11,000円を請求する場合

≪借方≫売掛金11,000→入金は後日となりますので売掛金で処理します。
≪貸方≫売上11,000

運送業者から代金引換手数料を差し引かれて入金(預金への振込み)があったときの仕訳は次のとおりです(運賃は別途支払うとします)。

≪借方≫預金+支払手数料(代金引換手数料)
≪貸方≫売掛金

複数の発送分について合計した金額で仕訳をします。

運送業者への運賃支払いの仕訳は次のとおりです。

≪借方≫運賃、荷造発送費など
≪貸方≫現金あるいは預金

複数の発送分について合計して請求された金額で仕訳をします。

【追加説明・売掛金勘定の動き】

上記同様のパターンの販売が月間で100回あったとすれば、その月の売掛金勘定の借方合計は1,100,000円になります(前月までに販売はないとします)。そして、運送業者から代金引換手数料50,000円を差し引かれて入金された仕訳をすれば次のように売掛金はゼロになります(運賃50,000円は別途支払うとします)。

≪借方≫預金1,050,000+支払手数料50,000(代金引換手数料)
≪貸方≫売掛金1,100,000

ご理解いただけましたか?

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★配送料と代金引換手数料は「売上」に含めるべきではないのでは?

このお問い合わせが非常に多いです。

・顧客に請求する配送料と代金引換手数料の金額が運送業者に支払う金額と一致しない

・一致するけれども販売条件に「実費しか請求しない」とは明示していない

ですから、顧客に請求する配送料と代金引換手数料は「販売代金の一部」であり勘定科目としては売上として処理しなければなりません(販売条件によっては売上で処理してはいけない場合もあります)。