数年前の阪急レールウェイフェスティバルにて正雀工場のトラバーサーを見てきました。
ピットは広場として開放され、桁は目隠しをされつつも内部を観察することが出来ました。
稼働中の動画を拝見すると車体一杯でしたので、全長は19~19,5mあたりでしょうか。
このトラバーサーの特徴は何といっても四線軌条のデュアルゲージが敷設されていることです。
昔は国鉄との連絡線が敷設されており、尼崎にあったアルナ工機から新造された車両の甲種輸送が行われていました。このため工場内には今も三線軌条や四線軌条が残っているのです。
標準軌のレールには手歯止めを固定できる差込口が2か所ずつ取り付けられていました。
よく見ると狭軌のレールにも標準軌のガイドより内側に差し込み口がありますね。
操作室は中央にあります。手前に2つあるボビンは桁の両端にも設置されていました。
ボビンのワイヤーは操作室の中へ延びていて、内部に共用・牽引制御盤が置かれていることから、桁内で車両を牽引することが出来る装置ではないかと思います。
向かって右側の端部には集電用の櫓とパトライト、投光器などが備わります。
走行用レールは4本あります。駆動輪は両端2ヵ所or4ヵ所と思われますが、側面は目隠しにより見れなかったため確認出来ませんでした。また別の機会に調査しましょう。
集電は架空線式で交流三相3線です。桁が停まっている一番奥の線路のみ架線が張られているため、それより低い位置を通していました。高所作業時は要注意です。
左側の線路はバラスト軌道で本線と接続しています。直前で異形レールを挟んでいました。
ちなみにトラバーサーが四線軌条なのは台車交換の際に芯を合わせる必要があるからです。
秋田車両センターの台車振替場がE6系の甲種輸送で使用されたのも記憶に新しいです。
ピット内にはトラバーサーの走行レールの他に途中まで敷かれたレールがありました。
台車搬送用の小型トラバーサーでもあったのでしょうかね。詳細は不明です。
研修庫の線路も一部は四線軌条でした。狭軌は過去の遺物とも言える状態なわけですが、阪急と言えばなにわ筋連絡線の構想もあるので、これらの設備が再び活躍する日が来たら嬉しいです。
デュアルゲージのトラバーサーは近畿日本鉄道の塩浜検修車庫にもあります。
クリックお願いします
↓ ↓ ↓