宇宙時間 ソラノトキ

風樹晶・かざきしょう

勝手に趣味ブログ
のんびりしようよ

ほうじ茶 ・・・発見

2008-11-14 09:36:49 | おいしい
今日は、庭の話題ではありません。

キットカット KitKatのほうじ茶風味発見!!

この間、ほうじ茶のアイスクリームを見つけ“お、めずらしい”と思っていたところ、こんどは、KitKatでも見つけたので、つい写真に撮ってしまいました。

これ、駅のホームで電車待ちの間に袋から取り出して撮ったもの。多分、こいつ何やってんだ? と思われたことでしょう。

だから、何なんだと言われると困るのですが・・・・。
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みらーじゅ 9

2008-11-13 22:46:13 | 小説 ミラージュ
「なによ。その、計画を邪魔する娘達って」
 どういう言い方したんだ、そいつは。
「そう。で、その、魔術師の姿を見たの?」
「はい」
「で、どんな格好?」
「それはですね、せーのっ」
「「だぶだぶ灰色の。首から提げた銀のメダル。小柄で貧相な中年男」」
 グルラディーヌとチョウカ、二人の声が見事にハモる。
「ってことは、まさか、さっき言っていたおかしな鳥の大群ていうのが・・・」
「まぁ、普通の鳥ならば、暗闇の中で人を襲って飛んだりしませんよね。なんと言っても鳥目って言葉があるくらいですし」
 事の重大さがわかっているのかいないのか、のんびりした口調で話を進める。
「その鳥って、蝙蝠とか梟なんかの間違いなんて事は・・・」
 梟はともかく、蝙蝠なら夜大群で飛び回ったりしてもおかしくない訳で・・・。
「でもですねぇ。火を噴いたりしませんよね、蝙蝠だって。いくらなんでも」
 再度、顔を見合わせる二人の少女。
「成る程、そちらにも関わっていましたか」
 すでに話をする相手は、グルラディーヌと決めたらしく、彼女にばかり話しかける。
「で、なんだって魔術師なんかに関わる破目になったんです?」
「ん、魔術師のところにいた女の子を村まで送って行っただけ。そしたら、いきなり魔犬けしかけられた」
 もちろん、それだけではなかったが、あまり褒められたことではないような気がしたので黙っていた。
「魔犬をけしかけられた、・・・その魔犬は、どうしたんです?」
 驚きの声をあげるチョウカに
「勿論、倒したわよ」
 グルラディーヌがあっさり答える。そして、
「で、そちらさんこそ、どうして魔術師なんかに関わったりしたの?」
 というグルラディーヌの問いに、チョウカの視線がレトに飛ぶ。
「それが、魔術師に盗まれた宝石を取り戻して欲しいって、依頼を受けたんだが・・・」
 チョウカの視線を受け、レトがぼそぼそと説明を始める。
 と、ある神殿に収められている宝石が魔術師に盗まれたので、それを取り戻して欲しいと依頼を受けたレト。魔術師が住むという森へ向かう途中、チョウカと出会った。聞くと彼も同じ依頼を受けていると言う。
 魔術師の攻撃をかわしながら何とか宝石を取り戻し依頼主へ返したものの、魔術師の怒りを買った二人。火を吹く魔鳥をけしかけられ、一晩中逃げ回る破目になったというのである。
「それでその、火を吹く鳥は、倒したの?」
 恐る恐るといった感じのグルラディーヌに、
「いや、何と言っても大軍だったし、空飛ぶのが相手じゃ手も足も出ないっていう状態だな。はっきり言って、逃げるだけで精一杯だった」
 がりがりと頭を掻きながら、レトが答える。
 と、言うことは、また今夜、その火を吹く鳥が襲って来るかもしれない訳で・・・。
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冬至梅   ・・・多分

2008-11-12 21:39:54 | ウチの庭
我が家にある鉢植えに花が咲きました。

「ね、あの梅みたいな花、何?」

と父に聞いてみたところ、

「たぶん、冬至梅じゃないかな」

との返事。

持ち主すらもはっきりした名前分からない・・・・。

それでも、季節限定で咲いてる花 と思ってUPしてみました。


   2008/11/12  撮影
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ウメモドキ

2008-11-12 20:58:10 | ウチの庭
我が家のウメモドキ(と呼んでいる植物)。

祖母曰く、木の実はまずいから最期まで残るんだ。との事。

確かに他に食べるものがなくなった頃、鳥達が集まります。
(確かめたことは、ないのですが・・・やっぱり、まずいのでしょうか)

今は、朝になると霜が降りて、白くコーティングされます。それが、見るからに冷たそうで・・・・。


   2008/11/12 撮影
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ユキノシタ・・・?  ではなく・・・・

2008-11-12 19:56:59 | ウチの庭
それを見た時、コレハイッタニダンダ? と目が釘付けになった。

どう見ても、花をつけるような植物には見えなかったもので・・・。

(多分)生まれて初めて見るその花、ユキノシタ と言うそうです。

そう言えば、アジサイもユキノシタ科の植物なのだそうです。

全然似ていませんが・・・・・・、本当なのだろうか?


   2008/11/12  撮影

 その後、この植物が ミセバヤ という名前だと、判明しました。
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みらーじゅ 8

2008-11-12 17:27:52 | 小説 ミラージュ
「いやぁ、昨夜は、まいった。いきなり大雨は降ってくるわ、おかしな鳥の大群に襲われるわ、おかげで一睡も出来んかった」
 そう言いながらも、全然参った様子もなくわはわは笑う「レト」と名乗った黒髪の男。がっしりした体つきに軽装鎧。そして、かなり使い込んだと思われるごつい剣を腰に下げている。それともう一人「チョウカ」。こちらは、正反対に波打つ金の髪にほっそりとした体躯(捲り上げた袖から出ている腕には、それなりの筋肉がついていたが)。片手に抱える袋から覗いているのは、何かの楽器のようである。そして、彼の特徴として何と言ってもこれだけは、言わなければならない。それは、かなりの美形であると言う事を。もちろん、あのレトが不細工というわけではない。どちらかといえば、ハンサムな部類に入るだろう。それでも、二人が並んでしまうと・・・。なのである。もっとも、レトは、そんなことを全く気にしている様子はないが。
「ところで、お前さん達。何だって朝っぱらからこんなところにいるんだ? 迷子か?」
 こんな時間に迷子になる奴、どこにいる。と言いそうになるグルラディーヌを押さえ
「雨宿りですの。昨夜、雨に降られてしまって、結局、ここで一晩明かしてしまいましたわ」
 大抵の男なら(いや、男でなくても)魅了できるだろうと思われる笑みで答えるグリシーヌ。しかし、チョウカは、グリシーヌの笑みにも全く心動かされる様子なく
「雨宿りでしたら、村に宿を頼めばよろしかったでしょうに。ここよりよほど居心地はよろしいかと思いますよ」
 輝くばかりの笑みを持つグリシーヌの方には見向きもせず。グルラディーヌに話を振ってきた。それに対してグルラディーヌは、一つ大きなため息を吐き
「ちょっとしたアクシデントがあってね」
 とだけ、ぼそり と、答える。
「アクシデントというのは、もしかして、魔術師絡みですか?」
 その台詞に、二人の少女が顔を見合わせた。
「魔術師絡みって言ったわよね」
「はい」
「どうして、そう思うの?」
 問い詰めるようなグルラディーヌの問いに
「それはですね。あなた方が魔術師が言っていた『計画を邪魔する娘達』の描写そのものだったので、もしかしたらと思った訳です」
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寒椿   とのことですが・・・・

2008-11-12 13:59:34 | ウチの庭
我が家の鉢植え(育てているのは、父ですが・・・)。

あまり、椿っぽくないつばきです。

花だけ見れば、バラに見えなくもない・・・・、かな?


   2008/11/12  撮影
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みらーじゅ 7

2008-11-11 20:43:25 | 小説 ミラージュ
 翌朝、雨は、まだ降っていた。昨夜に比べれば、かなり小降りになったというものの、断固として、雨は降っていた。
「まだ、降っているわね」
「降っていますわね」
 今朝も二人の食事は、かちかちの携帯食料であった。本来は、火を炊いてあったかいものでも食べたいところだが、何と言っても藁の中である。こんなところで下手に火などを使えば、火事になってしまう。そばに家などないものの、火に追われて雨の中に逃げ出すのはまっぴらごめんである。
「で、これからどうするの。姉姫」
 昨夜と同じ台詞を投げかけるグルラディーヌ。それを受けたグリシーヌ。今度は、本気で考え込んだ。
「そうですわね 。多分、この村では、買物も出来ないでしょうし・・・。いつまでも、ここにいる訳にもいきませんしね。もう少し様子を見て、これ以上待ってどうしようもないようでしたら、出かけましょうか。隣の村でしたら、宿くらいはとれますでしょ」
 どの道、それしかないようである。グルラディーヌは、(こっそりため息を吐きなら)頷いた。
 それにしても、まいったなぁ。
 呟きながらぼんやりと表を見ていたグルラディーヌの目に、何やら人影らしき姿が飛び込んできた。
「妹姫、どうかしましたの?」
 後ろからかけられた声に
「ねえ、姉姫。あれ・・・」
 雨の中の人影をグルラディーヌが指差す。
「どなたですかしら? こちらに来るようですわね」
「村の人かな?」
「では、ないようですわ。どうやら、二人連れの旅の方のようですわね」
 グリシーヌの言ったとおり、近づいて来る人影は、旅の二人連れのようであった。が、近づいてくる速度が尋常ではない。さっきまでは、ただの人影としか分からなかったのが、今では、その服装まではっきり見えるまでに近付いて来ていた。そして、小屋の前まで来た二人は、転がるように飛び込んできたのである。
 咄嗟に戸口から離れる二人の少女。その二人の間をずぶ濡れの男性二名が通り抜け、勢いのままに藁の山に頭から突っ込んでいった。
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みらーじゅ 6

2008-11-10 09:10:04 | 小説 ミラージュ
「それにしても、藁に囲まれた中で携帯食糧齧るっていうのも、わびしいわね」
 ぽりぽりと乾燥食料を齧りながら、グルラディーヌがぼそり と、呟く。
 結局二人は、壊れた戸から小屋の中に入り込み、腰を落ち着けていた。天井近くでぼんやりと光を放つのは、グルラディーヌが魔術で作り出した明球。降り続く雨の中、藁に埋もれての食事である。
「それは、どうしようもありませんわ。取り敢えず、表で寝ないですんだだけでもマシとでも思うほかないですわね」
 やはり、携帯食を齧りながらのグリシーヌの返事である。
「確かに、外で寝るよりは、ましだけど・・・で、これから、どうするの。姉姫?」
 食事とはいえないような食事を終え、藁の山によりかかってため息を吐くグルラディーヌ。
「これから、そうですわねぇ・・・」
 荷物を片付けながら、しばし考え込むグリシーヌ。そして、一つ頷くと、
「雨も降っていることですし、取敢えず今日は、寝ましょうか」
 そう言って藁の中に潜り込み、荷袋を枕にさっさと横になってしまった。
「・・・・えっと」
 あまりにあっさりと結論を出され、返す言葉がないグルラディーヌ。しかし、外は雨。夜が明けるまでには、まだまだ時間がかかりそうである。する事も無いし、結局は・・・。
「あたしも、寝よ」
 と、藁の中に潜り込んだ。
 一瞬、光球をどうしようかと考え込んだが、放っておく事にした。しばらくすれば、どうせ消えてしまうのだ。
「おやすみなさい」
「お休みなさいませ」
 隣から、グリシーヌの半分寝ぼけたような返事が返ってきた。
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みらーじゅ 5

2008-11-09 11:23:49 | 小説 ミラージュ
 まとわりつくようなねっとりとした風が、二人の間を吹き抜けていく。
「やだなぁ、雨が降りそうな風」
 真っ暗な道を村に向かって歩きながら、グルラディーヌが空を見上げる。唯一の光源は、グリシーヌの持つ灯火のみ。さっきまで空に浮かんでいた月も、黒い雲に隠されてしまっていた。
「そうね、ここで降られたら困りますわね」
 灯火を持つグリシーヌも、つられたように空を見上げる。
 元々、二人は、村で宿を取るつもりでいた。それが、ちょっとした親切(おせっかいとも言う)と思い込みのお陰でとんでもないアクシデントに見舞われてしまい、結局は、宿を取れず仕舞。しかも、これだけ大きな騒ぎを巻き起こした二人。今更「魔犬を退治しました」と言ったところで、泊めてくれるところがあるとは思えない。おまけに・・・。
 ぽつり と、それほど高くはないグルラディーヌの鼻先に水滴が落ちてきた。次の瞬間である、風呂桶を引っ繰り返したような雨が降ってきたのは。
「村に入る前に小さな小屋がありましたの。その軒先なら、雨ぐらいしのげそうですわ」
 急な雨で灯火の明かりが消え、転びそうになったグルラディーヌの手を引き、グリシーヌが暗闇の中を進む。
 グルラディーヌの耳と鼻の感覚は、動物並と言っても良いほど鋭いのだが、視力はあまり良くない。反対にグリシーヌはといえば、超人的とも言える視力を持っていた。おかげで、灯火も月明かりもない暗闇をこうして歩くことが出来るのだ。
「はぁ、確かに、雨はしのげそうだけど、雨が止まなかったらどうするの?」
 どうにかたどり着いた小屋の軒先で、ずぶ濡れになった髪をしぼりながらグルラディーヌが尋ねる。
「そうですわね・・・」
 やはり、ずぶ濡れになった服の裾を絞りながら、グリシーヌが考えを巡らす。今は、蒸し暑いといえるほどの気温であるが、濡れたままでは、体温が下がる。それに、朝方になれば、結構、冷え込むのだ。出来れば、服だけでも乾かしたい。
「ねぇ、姉姫。おなか空かない?」
 グルラディーヌに言われて気がついた。そういえば、朝に食事をしたきりなのだ。
「そうですわね。取敢えず、何か食べましょうか」
 二人並んで、壁にもたれて荷物をがさごそ
・・・、と、突然、ばきはきっっっ  
 何かが倒れるような音と共に、グルラディーヌの姿が消えた。ように見えたのは実は、壁と思ってもたれたのが壊れかけた戸で、彼女の体重(それ程重くないはずだが)が掛かった為、内側に引っ繰り返ったのである。
「び・・・っくりしたぁ」
 穴の開いた壁、というか壊れた戸の向こうから、グルラディーヌの声が聞こえてきた。
「お、妹姫。大丈夫ですの?」
 慌てて、グリシーヌが奥を覗き込む。と、引っ繰り返ったそのままの姿勢で、グルラディーヌが藁に埋もれていた。
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みらーじゅ 4

2008-11-08 08:50:17 | 小説 ミラージュ
 さて、どうしようかと考えていると、グリシーヌがグルラディーヌの耳に何事かをささやく。グルラディーヌは頷くと、姉を抱えて泉の上を向こう岸まで飛び渡った。
 大きな泉といっても、向こう岸が見えないほど大きいという訳ではない。着地して振り返ると、丁度、魔犬が向こうの岸まで追いついたところであった。
 うろうろと水際を歩き回わり、意を決したように、ざぶん と、水に飛び込んだ。
 普通、魔犬というのは、相手を追って追って追い詰めて獲物を仕留める。のであるが、かなり、直線的性格のため、迂回するとか罠を張るとかをしない。ただ、しつこくしつこく、ひたすら獲物が逃げた後を追うのである。その性格のおかげでこの魔犬も二人の後を追って水に飛び込んでくれた訳なのだ。
 が、さすがは、炎の魔犬。しゅうしゅうと煙を吐きながら、犬掻きで泉を泳ぎ二人を追ってくる。
「あーぁ、そこまでして追ってこなくても」
 少し、同情的になるグルラディーヌに
「それが、おばかな魔術士に使われる悲しさというものですわ」
 何故か、物知り顔のグリシーヌ。
「まぁ、可哀想だけどしょうがない。そろそろ終わりにさせてもらいますか」
 グルラディーヌが軽く握った両手を胸の前で交差させ、顔の前に持ち上げた腕を衝撃波の呪文とともに振り下ろす。
『裂閃破』
 グルラディーヌの両手から放たれた閃きが、魔犬を襲った。
 この世の物質で作られた生き物なら話は別だが、この世ではないから召喚された魔物は、命を持たない体を保つことが出来ない。勿論、この魔犬も同じことであった。
 まだ、湯気を立てる水面を見ながらグルラディーヌがため息を吐く。
「陰険でしつこい奴は、嫌いだ」
 勿論、あの魔術士のことである。
 思わず漏れた本音に、グリシーヌが笑みをこぼした。
「まぁ、良いじゃありませんの。とりあえず、一件落着したのですもの」
 なだめるように背中を叩くグリシーヌに、軽く肩をすくめてみせるグルラディーヌ。
 しかし、二人は気がついていなかった。背を向けた泉の中央が黒く泡立ち、そこから影のような人型が現れたことに。
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みらーじゅ 3

2008-11-07 07:34:06 | 小説 ミラージュ
「冗談っ。この塀に穴開ける気?」
「冗談ではなく、本気のようですわよ」
 じりじりと障壁から遠ざかる二人。このままでは、それほどの時間をかけず、障壁は崩れるであろう。勿論、魔犬が障壁を崩して出て来るのをおとなしく待っているつもりは、さらさらない。魔犬が障壁に体当たりする音を背中で聞きながら、ふたりはその場から一目散に逃げ出した。
 剣技であれば、そこら辺の男を相手にしても引けを取らないグリシーヌであるが、これは、普通の剣が通用しない魔犬である。それでも、多少の時間の余裕があれば、一時的にグルラディーヌの魔力を剣に吹き込むという手も使えるのだが、近づいたとき、炎で攻撃されては、どうしようもない。
「妹姫・おとひめ。森はいけませんわよ」
 逃げながらも、グリシーヌが注意する。
 炎を纏う魔犬が森の中まで追って来れば、火事になることは間違いない。下手をしたら、自分たちまで森と運命を共にする羽目になってしまう。
 あの相手に、炎の術は使えないから・・・。
 逃げながらも必死で考えを巡らすグルラディーヌ。とその時、ある匂いと音を捉えた。
「姉姫、こっち」
 グリシーヌの腕をつまみ、走る方向を変える。道標になるのは、かすかな匂いと音。魔犬に追いつかれる前にその源にたどり着かなくてはならない。
 とにかく、走って走って走って・・・。
  一瞬、自分の感覚に自信をなくしかけた時、道が開け、それが目の前に現れた。
 二人の目の前に現れたもの、それは、大きな泉であった。
 グルラディーヌが捉えたのは、水の匂いと音だったのだ。
 炎を纏い火を吹く犬が相手なら、水場を陣に取ればこちらが有利になるはずだ。少なくとも、火事を巻き起こすことは、ない。後は、そうやって魔犬を討ち取るか、である。
 出来ることなら元の世界に、あるいは、呼び出した術者の元へ送り返してやるのが一番であるのだが、あいにく、それは、グルラディーヌの持つ術のレパートリーには含まれていなかった。
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みらーじゅ 風樹のひとりごと

2008-11-06 12:13:11 | 風樹のひとりごと
 ども、こんにちわ。風樹です。
 今回は、小説ではなく「小説みらーじゅ」についてのお話です。
 みらーじゅの舞台は、リーフと同じ世界ですが、時代的にもっと昔のお話になります。まだ、魔道士協会などが出来る前ですね。
 みらーじゅの頃は、まだ旅をするにも道や施設がそれ程整っていない頃です。
 たとえて言うなら、リーフは、江戸時代中期。みらーじゅは、鎌倉時代くらいの差でしょうか?  おかしな例えですが・・・。

 本来、シリアスのつもりで書こうと思ったのですが、どうも無理なようです。
 ・・・・しょっぱなから、突っ走ってますし(汗)  
 しかも、まだラストが決まっていない(汗 汗)
 雰囲気も、リーフに似ているし・・・。ま、それは、同じ世界の物語だからと開き直って(ヲイ)。

 この先、どうなるかは風樹も不明なのですが、この世界を楽しんでくれれば、うれしいと思います。

 ・・・ってか、完結できるのだろうか、心配だ。

                        以上、風樹の独り言でした。
 

 
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みらーじゅ 2

2008-11-05 21:38:32 | 小説 ミラージュ
 障壁 である。
 村などを外部から守るために作られた塀なのだが、二人にとっては、単に邪魔な障害物となってしまっていた。何と言っても、人の三倍もの高さがあるのだ。だからといって門まで行っていたらとても間に合わない。
「姉姫・あねひめ、跳べそう?」
 グルラディーヌの問いに、
「この半分位でしたらねぇ・・・」
 と、首を振る。人間の平均身長位なら優に跳び上がれるグリシーヌお手上げ状態である。
 そうこうしている間にも、魔犬は追って来る。そうそうのんびりは、していられない。
「ここから、あれに向かって魔術打ち放つってのは、だめ?」
 そこそこに魔術の心得があるグルラディーヌであったが、
「絶対駄目とは申しませんけど、村に危害を加えないで一発で仕留める自身は、ありますの?」
 とのグリシーヌの台詞に詰まってしまった。
 村を全滅させて、魔犬だけ五体満足なんていうのは、洒落にもならない。よし、こうなたら・・・。
「姉姫。つかまって」
 グリシーヌの腕を掴んで自分のほうへ引き寄せる。
「どうするつもりですの、?」
 妹の行いに不審顔のグリシーヌに
「三十六計逃げるに如かず。いくわよ」
 姉を抱きかかえ、呪文を解き放つ。
 二人の周りを風が取り巻き、が浮き上がる。振り返ると、追ってくる魔犬の姿が見えた。が、二人は既に塀の上にまで浮き上がっていた。
 グルラディーヌが、障壁のを蹴って村の外へ飛び降りる。魔犬とはいえ、流石に空までは飛べないようだ。が・・・、
 どぉっしぃんっっっ
 とてつもない音と共に、障壁が揺れる。
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みらーじゅ 1

2008-11-04 21:23:45 | 小説 ミラージュ
 月明かりの中、人っこ一人いない村道を突っ走る二人の少女がいた。 
 一人は、美しい金髪。もう一人は、輝くような赤い髪を風になびかせて。が、今の二人には、髪がどうの姿形がどうのと言っている暇はなかった。と、言うのも、二人は、炎を纏う巨大な黒犬―魔犬―に追われているのである。
 魔犬というのは、この世で滅多にお目にかかれる生き物ではない。本来、魔界か冥界に居る生物なのであり、普通、この世に生息する生物ではない筈なのだ。その魔犬に何故二人が追われているか。と、いうと。
 村を目指す道の途中で、とある魔術師に捕らえられた一人の少女を救った。が、その魔術師が自分のやっている事を棚に上げ、二人を逆恨みし、どこかの世界から魔犬を呼び寄せ(或いは作り出し)二人に差し向けたのである。
 まぁ、二人共「こいつは、絶対に悪い魔術師だ。そうだ、そうに違いない」と、勝手な思い込みで(実際、間違ってはいなかった)、そいつをかなりぼっこんぼっこんにしてしまい、当然のごとくそいつの怒りを買ってしまった訳なのだが、それはそれで仕方ないとして、どーしても納得できないのが、村人の対応なのである。
 娘を助けてくれた。と、喜び、二人に礼を言ったのまでは、良いのだ。しかし、その為に魔犬に追われる二人を(自分達が巻き込まれる事嫌さに)助けようとしない。それどころか、家々の戸を硬く閉ざし二人を締め出してしまったのだ。中には、「余計な事を」とか「巻き込まれるのは御免だ」とか、挙句の果てに「自分の始末は自分でつけろ」など(こそこそではあるが)言い出す者までいる始末。
「ちきしょう。ここで焼き殺されたりしたら、化けて出てやる」
 女の子としては、少々乱暴な台詞を吐くのは、赤毛の少女・グルラディーヌ。それに対して
「仕方ありませんわ。村の方方に頼まれた訳じゃありませんもの。やっぱり、自分に降り掛かった火の粉は、自分で払わなくては」
 と、突っ走りながらもおっとりと答えるのは、金髪の少女・グリシーヌである。
 しかし、そんな呑気な事を言ってばかりもいられない。魔犬は、二人の間を確実に詰めているのだ。もっとも、朝になるまで逃げて逃げて逃げ切れば、この鬼ごっこは、昼の間は一時中断となる。が、それは、あくまでも一時中断であって、夜になればまた、姿を現し二人を追って来るのだ。やはり、早いうちに何とかしなくてはならない。
「「あっ  」」 二人が同時に声を上げ、足を止めた。
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