いつの間にかセミの声に包まれていた。
じじじじじっ。
夏が真っ盛り。
頭の底の方で、じじじじじっと痛みがある。
セミの声が頭の底まで染み込んだみたいに。
セミはあんなに元気に鳴いているのに、
私の頭は、暑さでショートしてしまいそう。
こんな日は、
扇風機の前で冷たいものを飲みながら
ひがな一日、怠けて過ごそう。
鴨長明もそれで良いと言っている。
「もし、念仏ものうく、読経まめならぬ時は、
みづから休み、みづから怠る。
さまたぐる人もなく、また、恥づべき人もなし」
「方丈記」
カーテンで日差しをよけると
途端に部屋が薄暗くなった。
カーテンの隙間から外を見ると、
庭の植物たちが夏の日差しにしょぼくれている。
救いの水をあげなくては。
でも、まだちょっと日差しが強い。
日が落ちるのをもう少し待とう。
それまでは、
アイス枕を首にあてて、
アイスコーヒーでも飲みながら、
みづから怠けよう。
7月18日 おかん