小学生のころ、
善は学童に通っていた。
そこで、たくさんのボードゲームを教えてもらい、
家に帰っては私にルールを教えた。
「おかん、勝負だ!」
くりくり坊主の小さな善と私が向かい合って勝負。
二人とも初心者レベルで良い塩梅。
バックギャモン、チェス、将棋。
色々な戦いを繰り広げた。
凝ったのは将棋で、
おとんに将棋盤まで買ってもらったっけ。
善も大学生となり、なかなか私と遊んでくれない。
でも、大丈夫。
新たな勝負相手が見つかった。
友達のMちゃんは将棋ができるらしい。
私よりもずっと強いけれど、そこまででもない。
良い塩梅の相手。
おばちゃん二人が向かい合って勝負。
お茶を片手に世間話もしながら。
まったく適わなかったMちゃんに
一回だけ奇跡の勝利を収めた。
部屋で小躍りして喜んだものだ。
それから1年が経ち、
今二人が凝っているのが、オセロ。
将棋よりも単純そうでいて、なかなか奥が深い。
最初は私の方が強かったのに、
研究を重ねたというMちゃんに押され気味に。
私も鍛錬を重ね、今は引き離しつつある。
負けず嫌いの二人のおばちゃん。
今日は勝負の日。
アプリのAI相手に練習を重ねるも、
今朝は一度も勝てなかった。
雲行きが怪しい。
週に一回、
私には負けられない勝負がある。
7月26日 おかん