ウェネトさまの館

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FUSION 間島秀徳 Kinesis/水の宇宙&大倉コレクション(大倉集古館)

2021年06月21日 20時35分12秒 | 展覧会・美術関連

書くのが遅れて3日前の話になりまするが、大倉集古館「FUSION~間島秀徳 Kinesis/水の宇宙&大倉コレクション~」を観たのでございます。
https://www.shukokan.org/exhibition/


 

間島秀徳が水の変成をテーマに描き続けてきた《Kinesis》連作などの作品と、大倉コレクションの古典美術の中から間島が選んだ絵画や工芸品とのコラボレーション展示。
間島作品のダイナミックさや美しい青の色彩に心奪われたのは勿論、大倉コレクションとの相乗効果も楽しめまする。

展示は3フロア。各階ごとにお気に入りや気になった作品を、だいたい観た順に。
ちなみに「Kinesis」の意味は「変化し続ける水の動きと、生と死の意味を同時に表わす。」のだそうな。

【1階】

・《Kinesis No.478(climbers eye)》2011年 1基
・《Kinesis No.479(divers eye)》2011年 1基
どちらも大きな円柱形の作品で、クライマーが見る世界とダイバーが見る世界。
「円形作品は、巨大絵巻物を体で体験する装置」なのだとか。

・《Kinesis No.705(jack knife)》2017年 4面
圧倒されたぞよ。ケースなしに直に観られるので、質感もはっきり分かりまする。

・《Kinesis No.511(requiem)》2012年 4面
・《Kinesis No.621(sea mount)》2014年 4面
向かい合った大作は、「震災後3部作」のうちの2作。
押し寄せる青の世界にどっぷり浸りました。

・川合玉堂《奔潭》昭和4年(1929)6曲1双
上の2作品の奥に展示。墨のモノトーンで渓谷を激しく流れ下る川が。

《Kinesis No.703(sansui)》と横山大観《瀟湘八景「烟寺晩鐘」》、《Kinesis No.688(cosmic flow)》と川合玉堂《秋山懸瀑》が並んで展示されておるのも良うござりました。

【2階】

・《Kinesis No.719(mount yun)》
・《Kinesis No.720(vortex)》
・曽我二直庵《竜虎図(蜆子和尚・竜虎図のうち)》江戸時代・17世紀 3幅のうち2幅
曽我二直庵の竜虎図を挟むように、両側に間島作品を並べて展示しており、間島作品も竜虎図に見えてくるのじゃった。
この間島作品2点をくっつけて並べても、1つの作品になるような感じ。

・《Kinesis No.702(water scope)》
・《須磨浦蒔絵棚》江戸時代・18世紀 1基
円形の海のような間島作品と、浜辺の風景の蒔絵を施した江戸時代の棚を並べて展示。

・《Kinesis No.697(cosmic cuboid)》
・《自在蟹置物》江戸時代・18世紀~19世紀 1個
海のような箱作品の上で、江戸時代の蟹の精巧な自在置物が動き出しそう。

・伊藤若冲《乗興舟》江戸時代・明和4年(1767)1巻 前後期で巻替
若冲が禅僧の大典と淀川下りをした体験をもとに、舟から見た情景に大典の27編の漢詩を合わせた拓版画。
モノクロの風景は白黒が反転しており、空が黒で、川や川辺の風景は白から灰色。
今までに何度も観た作品じゃが、今年のお正月に見たドラマ「ライジング若冲」の最後のシーンじゃった。
このドラマ、円盤化されて8月に販売予定だそうじゃが、どうしようかのぅ・・・(いかん、脱線w)

・明珍吉久《自在鯉置物》《自在蟷螂》江戸時代・18~19世紀
生きておるような自在置物の鯉とカマキリが、間島の3基の色合いの異なる《小品》と共に展示。

・大智勝観《梅雨あけ》昭和4年(1929)2面
金色の空間で、勢いよく伸びていく竹やドクダミの花。

・前島宗祐《鶏頭小禽図》室町時代・16世紀 1幅
紅白の鶏頭の花と、細い枝に止まってでんぐり返る瑠璃鳥。
白いお腹を見せる瑠璃鳥が可愛い。
その傍に間島の5基の《小品》

【地下1階】

この階のみ写真撮影可。


 

・《Kinesis No.548(seamount)》2013 1幅


 

・《Untitled》1998 1面


 

・《Kinesis No.605(volcano)》2014 1基
・《Kinesis No.606(seabed)》2014 1基


 

間島の《小品》と、大倉コレクションの清時代の像3点とのコラボもございます。
1点をば。この怖畏金剛像、以前からお気に入りの所蔵品なのじゃ。

・《怖畏金剛像》中国・清時代(17~18世紀)


 

こちらで公開制作があるそうじゃが、残念ながらこの日はないのじゃった。
公開制作のある日に来たかったのぅ。


 

ビデオ「水と生きる 間島秀徳の世界」(18分・2010制作)も見られまする。

観応えある展覧会でありました。
会期は8月15日まで。後期7月20日から一部展示替えがございます。
ご興味ある方はぜひ。

★本の話:其の壱
宮部みゆき「三島屋変調百物語」シリーズの続き、『魂手形』を読んだのじゃ。
富次郎が聞く3つのお話はどれも悲しく切ないけどいい話じゃったし、三好愛の挿絵も良うござります。
おちかの近状もわかって嬉しいが、最後がちと不穏な雰囲気で今後が気になる~。


 

★本の話:其の弐
若竹七海の女探偵・葉村昌シリーズの続き、『不穏な眠り』も読んだのでございます。
けっこうゾッとするし葉村昌は相変わらず理不尽な目にあってるし満身創痍じゃが、読んでて『錆びた滑車』のようなしんどさはなかった。
葉村昌、これからも頑張って欲しいぞよ。


 

★おまけ話:其の壱
頂き物のカラマンダリンがたいそう美味しかったゆえ、種を植えておいたらば芽が出てまいりました~♪
可愛いのぅ。


 

★おまけ話:其の弐
本日は夏至じゃから、この台詞は言っておかねばの。
「中日までご無事で!」