ウェネトさまの館

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ジョルジュ・ルオー かたち、色、ハーモニー(パナソニック汐留美術館)

2023年05月08日 20時21分57秒 | 展覧会・美術関連

パナソニック汐留美術館「ジョルジュ・ルオー かたち、色、ハーモニー」を観たのでございます。
https://panasonic.co.jp/ew/museum/exhibition/23/230408/
(一部写真撮影可)

パナソニック汐留美術館と言えばルオーじゃからの、開館20周年記念展はルオーの回顧展じゃ。
初期から晩年までの作品と、書簡や資料なども合わせ、約70点の展示でございます。

構成は以下の通り。気になった作品もリスト順に。
作家名を書いてないものはルオーの作品じゃよ。

【Ⅰ 国立美術学校時代の作品:古典絵画の研究とサロンへの挑戦】
1890年、ギュスターヴ・モローのアトリエに入門。

・《自画像》1895年
ルオーが手掛けた最初の自画像で、木炭、黒チョークで描かれておりまする。
ヒゲ面だけどけっこうイケメンぽい。

・《女性裸体習作》1890-91年
ルオーの画業で最も早い時期の油彩。
ルオー作品だと言われなければ分からぬのぅ。

・《ウォルスキ王トゥルスの館のコリオラヌス》のための習作 1894年
コンクールで2等賞を獲得した油彩画の習作。
ルオーは本作を生涯手元に置いて手放さなかったそうな。

・ギュスターヴ・モロー《オルフェウスの苦しみ または 地上で涙にくれるオルフェウス(習作)》1891年頃
新収蔵品。かつてルオーの家族が所蔵していたそうな。
モローが恋人を病気で亡くした時期に描いた小さな油彩で、心に沁みまする。

【Ⅱ 裸婦と水浴図:独自のスタイルを追い求めて】
1903年頃から裸婦登場。
セザンヌの影響を経て、装飾的な関心へと移行。

・《二人の娼婦〈表〉》1906年
水彩画じゃが、手前の裸婦がとんでもない迫力。力士かと思うた・・・(こら)

・《ティーセット》1911年
6点の磁器のセット全てに裸婦が描かれておりまする。
でも、これでお茶するのはちょっと・・・(こらこら)

・《セザンヌへのオマージュ(セザンヌの泉)》1938年
セザンヌを記念した噴水の建造計画(実現はせず)の為に描いた構想イメージの油彩。
セザンヌに捧げた詩「孤独な男への讃歌」の大きなパネルもございました。

【Ⅲ サーカスと裁判官:装飾的コンポジションの探求】
生涯繰り返し追求した主題、サーカスと裁判官。

・《小さな家族》1933年頃
タピスリー制作の為の実物大下絵として描かれた大きな油彩。

・《グレゴワール》1953-56年
画面一杯の厚塗りの黄色が印象的な、道化師の油彩。
その手前に展示の《夢想家》(1946年)とそっくりで、同一人物っぽい。

・《法廷》1909年
赤い衣装の3人の裁判官が道化師のようじゃ。

【Ⅳ 二つの大戦:人間の苦悩と希望】
二つの大戦を経験したルオーの、作品における戦争の影響。

・『ミセレーレ』シリーズより9点
41歳の頃から15年を費やして取り組んだ銅版画。

・《好戦的な女神ヘカテ》1933-34年
タピスリーの原型と考えられる油彩。
ギリシャ神話の女神ヘカテーのキリッとした表情や、周囲の装飾がお気に入り。

・《「青い鳥は目を潰せばもっとよく歌うだろう」通称「青い鳥」》1934年
何やら怖いタイトルじゃが、青色と、目を閉じた女性の綺麗な表情が印象的。

・《ホモ・ホミニ・ルプス(人は人にとりて狼なり)》1944-48年
首を吊られた男が大きく描かれ、奥に炎上する町。戦争の悲惨さひしひし。

【Ⅴ 旅路の果て:装飾的コンポジションへの到達】(写真撮影可)
最晩年に辿り着いた、「かたち、色、ハーモニー」の究極的な表現。
色彩も、第二次世界大戦語は一段と鮮やかに。

この章の9点は、写真撮影OKなのが嬉しゅうござります。

6点載せまする。

・《大木のある風景》1946年頃
幻想的な風景の中に聖なる人物を描き込む「伝説的風景」の完成形態といえる作品だそうな。


 
・《キリストと漁夫たち》1947年
1910年前後に追究した青色よりも、輝きと深みを増す青。


 
・《キリスト教的夜景》1952年
「伝説的風景」の代表作のひとつ。


 
・《クマエの巫女》1947年
新収蔵品。予言の力を与えられたクマエの巫女。


 
・《受難(エッケ・ホモ)》1947-49年
福島繁太郎の旧蔵品。嘲弄のための赤い衣と茨の冠と、王の象徴の笏。


 
・《かわいい魔術使いの女》1949年
福島繁太郎の旧蔵品。福島が所蔵していた際、描かれていた女性は裸婦だったそうな。
第二次大戦勃発時、フランス政府に接収され、パリの国立近代美術館に譲渡。
1948年チューリッヒでの回顧展の前に、ルオーは国有財産管理局の許可を得て、大幅に手を加えたんですと。


 
【ルオー・ギャラリー】
映像「高精細でひもとくルオーの絵画」が上映されておりまする。

ルオー氏と記念撮影。


 
ルオー、実はそれほど好きという訳ではないのじゃが(失礼)、観応えある良い回顧展でありました。
会期は6月25日まで。

さて、久々にカスケード銀座店でランチじゃ。この階段の下じゃよ。

が、以前あったお得なランチセットがなくなって、単品メニューのみになっておった。
何にするかのぅ、まだ食べた事ないメニューは・・・

“トリュフ香る生ハムリゾットBOMB!”をお願いいたしまする~!

こっ、これは?ミニサイズのおにぎりかの?

半分に切ったら、中にリゾット。
あまりのお上品な量に、ションボリしたのでありました。

この後に観たギャラリーの話は、また後日。

★おまけ話
5月6日の深夜2:34は、満月だったのでございます。
これはその6時間前くらいに、雲の切れ間から顔を出した瞬間に撮った、ほぼ満月じゃ。
5月の満月は、フラワームーンと呼ぶのじゃよ。