インドからネパール、パキスタン、アフガニスタンそしてイランとシルクロードをバスに乗ってヒッピーの旅が続きます。安宿を探す事で毎日苦労し気に入った宿が見つかれば一週間も滞在し言葉は解らなくても映画なども見てしまう。しかしパキスタンのペシャワールで映画を見た時、面白くないので途中で出て来た所、誰かが追ってきて棒で腰をしたたか殴られ両腕を二人の男に取られ声を上げる間もなかった。彼らは警察官だった。暗闇の中で英語は通じず誰か英語を話す人はいないかと大声で叫んだがコーラ売りのお兄さんが辛うじて通訳してくれた。沢木耕太郎は爆弾犯と間違われたらしい。もう既にこの時からパキスタンでは反政府テロが頻発し爆弾事件が多く起きていたらしい。ヒッピーの旅で怖いことはないのかと不思議に思っていたがやはり…。第二便にはまずお金を払う時は必ず”値切る”が溢れていて食傷気味。オランダからやって来た自分より倹約しているらしい若い男性が三人の物乞いの子どもに平等にお金を与えているのを見て、度を越した値切りの嫌らしさに著者自身も気付く。ヒッピーの旅は強い情熱がなければ続けられないが冷静に行かなければ…。