Mrs.Uponwaterのブログ

日記です♪

骨董の舞扇

2020-08-09 09:49:31 | 日記

戦中戦後私たち一家は父親のアルミニュウム製造会社の社宅に住んでいた。アメリカ軍の標的の的であった会社のすぐ前に社宅はあり、庭には自家用の防空壕を造りB29の流れ弾に襲われたこともあった。終戦後3、4年経って父の上司の奥さんが日本舞踊の先生で誘われて、この私が日本舞踊を習ったのですよ。母の実家が呉服屋だったので着物は姉との共用で数枚あった。でも、今考えると混乱していたあの時代5人の子供を抱えよくもまあ日本舞踊なんて…。この扇を見るたびに両親の思いが胸に迫る。親骨の裏には母の字で私の名前が書いてあり、蝶番の所には鉛の板が張ってある本格的なもの。ある時”裾に~”という右手で襟をなでる所作で、着物の打合せが違っていて出来なかった…というエピソードと共にあの時代が蘇る懐かしくもあり、悲しくもある扇です。