江戸東京博物館に入館するのは7、8年ぶりだろうか? いつも小僧の手帳の御利益で無料で入館しているのだが、都知事が何人代わろうともこの制度がなくならないことに感謝しつつ、チケットを買うだけで30分以上は待つであろう行列を尻目に、小僧とともに入場口で黄門様の印籠よろしく手帳を掲げてフリーパス。
幽霊画や妖怪百鬼夜行図などの、昔の人が想像した怪し画を見てゆく。
さすがに夏休みで親子連れが多いが、小さな子どもたちは幽霊画を見ても怖がらず、親もトンチンカンな感想を口走るわで、情緒もへったくれもない。
昭和の良い子はこんな幽霊画を見たら、祟られるとか怨念が乗り移るとかビビったものだったが、もはや幽霊はそれ程恐ろしいものではないらしく、貞子や呪怨のようなわかりやすくあざといショッカーに取って代わられたようだ。
そんなだから、地獄の有様を描いた国宝「六道絵」の業火に焼かれる餓鬼の腹が膨れているのを見ても「お腹がいっぱいでパンパンなのかな?」などと子どもに説明するママに呆れ、「地獄の上は天国?」と無邪気に聞く子どもに「そうヨ」と答えるママには「地獄へ落ちやがれ‼」と思ってしまうオヤジは業が深いのだろう🙄
展示の最後は妖怪ウォッチで、小僧はニヤニヤしてそちらへ行ってしまったが、その手前にある遮光器土偶やキャプテンウルトラに出てきたバンデル星人みたいなみみずく土偶にオヤジは釘づけ。
生で見たのはたぶん初めて、予想外に小さく見れば見るほどヘンテコリンなデザインに魅了された。
人が群がるグッズ売り場をスルーして、せっかくだから常設展示も見ようとエレベーターで上階へ。
5階で企画展示されている「山岡鉄舟と江戸無血開城」と「伊藤晴雨 幽霊画展」を見る。
幕末に江戸を救った功労者といえば「勝海舟」だけがクローズアップされがちだか、忘れてならないラストサムライは「山岡鉄舟」だ。
「高橋泥舟」とともに幕末の三舟として、毅然として侍を貫いた「山岡鉄舟」の生誕180年記念展示を見て、「伊藤晴雨の幽霊画展」に移る。
スタジオジブリの「鈴木敏夫」の「幽霊は美しい」の言葉どおり、おどろおとろしさよりもアートな筆絵に魅せられ、江戸風俗図の緻密な観察眼に脱帽する。
「三遊亭圓朝」の怪談噺でお馴染みのワンカットにリアリティを感じつつ、嗚呼、我が祖父「望月晴郎」画伯の絵も残っていたら今ごろは・・・などと思ってしまった。
まだ時間があるから、もっと館内をじっくり見ていきたかったが、小僧は妖怪ウォッチさえ見ちゃえばもうよくて、昼メシ昼メシと落ち着かないので、他の常設展示はまた今度じっくり見ることにして江戸東京博物館を後にしたのだった。
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