15日、会津若松でレンタカーを借り、まずは毎年寄っている酒屋へ。
夜と帰りのバスで飲むための酒を買い、ついでにモグランポ用の焼酎も仕入れる。
磐越自動車道を西会津ICで下り、SLの走るJR磐越西線にそって徳沢駅へ。
SLが走ってこないか時刻を確かめるが、残念ながらだいぶ時間がずれていた。
雨はまったく止む気配がない。
途中の阿賀川の川面に靄がたって、水墨画のような光景が見れる。
写真が下手なのでよくわからないが、実際は深山幽谷のような風情だ。
車の通わない橋の上で、しばし休憩。
冬は2mを越える雪が積もる豪雪地帯を、車は奥川を目指して進む。
マラソンの会場を通り過ぎて5㎞、4時過ぎに奥乃荘到着。
このカーブを曲がったところが10㎞の折り返しだ。
夕食までまだ時間があるので、「楽走戦隊ハシレンジャー」の決めポーズを練習。
恥ずかしがってる場合じゃない、マスクをかぶればなんでもできるのだ。
そうこうしているうちに、雨は少し小降りになってきたので、イメージトレーニングしかしていないマラソンをナメているブラックを引っ立て、カネゴンの尻尾だけつけて軽く練習に出た。
奥川のコースは、スタートしてから折り返しまで清流沿いにほぼゆるやかな上りで、3㎞過ぎくらいからは沿道の応援もない山道だ。
改良した尻尾の具合をみるには、上り下りを走ってみることが一番、お気軽にどうぞと何年も前から立っている給水所の立て札のところまで、みんなで雨に濡れながら走った。
尻尾の具合は悪くなかったが、心地良い雨が降っているにもかかわらず、暑い。
たった5㎞程度走っただけで、滝のような汗が流れる。
明日、雨は上がって欲しいが、曇り模様のほうがありがたい。
宿に戻って風呂に入ったら、ますます体が火照って、野郎どもは裸で夕食の宴へ。
地の物を使った料理がテーブルに並べきれないほど、これが奥乃荘の魅力で、大食いのブルーですら後ろでに手をついてゲップをするほど。
どの料理も心がこもったものだから、残すまいと無心に食べまくり、〆の白米と決まって言うブラックもご飯なしで十分満腹。
満腹でもうビールは飲めないが、焼酎は別腹とばかりに、ギャランドゥなウルトラマンがグラスを傾ける。
キャァ~~、股間が危うし
ウルトラバトル勃発、ジャッジは馬。
明日走るってのに、毎度おバカなご乱行。
でも、お腹がいっぱいなのと疲れで、9時過ぎにはまずブラックがご臨終、ピンクとイエローはその前に布団の中。
残ったレッドとブルーとカネゴンで、ボトルを1本空けてようやくご就寝。
それでもまだ12時前だ
で、一夜明けて本番。
時間がたつほどにどんどん気温が上昇して、風があまりりないのでランシャツランパンのランナーでも汗かきまくりだ。
60歳以上や小学生から順にスタート。
ふたたび変身をするレンジャーたち。
やがて時が来たれり、若者グループがまずスタート、2分後にカネゴンスタート。
沿道の子供たちやおじいちゃんおばあちゃんから、あたたかい声援。
「がんばれカエル~!! 」
って、おばあちゃん、カエルじゃないんですけど・・・。
走り始めて1㎞も行かないうちに、あれっ!?
尻尾がずり下がってきた
昨日はうまい具合に走れたのに、なんで
それに、この暑さは尋常ではない。
給水所の方に呼ばれるまま、さっそくストローで水を補給。
暑さと尻尾の重みですでにハアハアゼイゼイで、目眩がしそうだ。
次の給水所は5㎞の折り返しの手前、前方20m先を歩いているランナーがいるが、カネゴンは堂々のビリだ。
死にそうになりながら2.5㎞の給水所へ。
「暑いのにご苦労様です」
心配そうに会釈をするおばさんから水をいただきストローでチュウチュウ、次の一杯はカネゴンの口を大きく開け、中の顔めがけぶっかけた。
ちょうど5㎞の折り返し地点に、今回のゲスト北京五輪男子マラソンの代表で日本屈指のランナー「佐藤敦之」選手がエールを送っていた。
カネゴンはちゃっかり受付の時に、「佐藤敦之」選手からお腹の辺りにサインしてもらっている。
そして
「暑いですから無理しないでください」
と、声をかけていただいた。
それでやや喝が入り、ゆっくりとではあるが走り出し、前方のランナーとの差を徐々に詰めていく。
すると早くも折り返してきたランナーの姿が見え、次々に通り過ぎる。
カネゴンは中央寄りを走り、ガンバレ~、FIGHT !!と声を出し、ハイタッチを求めて進む。
人に声援をおくると自分もシャッキリし、次々と通り過ぎるランナーたちとハイタッチを繰り返した。
しかしそれにしても、レッドが来ないのはどうしたのだ
きっと途中で何かあったか、イエローがこの暑さでやられたか
ピンク緊急出動 ナンチャッテ。
5㎞を早々とゴールしたピンクは、交番でお巡りさんに白バイに乗せてもらったりしていた。
10㎞の折り返しまで最後の上りを越したとき、レンジャーたちがゆっくり走ってきた。
イエローはマスクを脱いで、レッドが寄り添って走っている。
やはりイエローがめげたのだ。
だがカネゴンももう心を決めていた・・・。
奥の荘前の給水所で水をもらい、女将さんに恒例の写メを撮られ、折り返しのコーンを周り、シャワーをしてくださっているところで上を向いて口を大きく開け、顔に水をかけたが、まったく熱気は去らず、給水の水を2,3杯顔にぶっかけた。
すると女性から声をかけられ、見ると救護車が停まっている。
「乗って行きませんか ? 」
女性にそう言われて断るのは、怪獣としてどうよと思い、
「あっ、喜んで」
と言った。
もう今日はいいだろう、このまま走り続けたら熱中症でぶっ倒れるかもしれない。
やはりカネゴンは冬場の衣装だ、この夏日な陽気には拷問に近い。
カネゴンのまま、エアコンの効いた車の助手席に乗せてもらい、それでも暑くて窓を開け、見送る奥乃荘の女将さんや給水所の方々に手を振り、ゆっくり車は走り出す。
運転手の方に
「ご迷惑かけてすみません」
とカネゴンの頭を下げると、
「いいえ、いつも盛り上げてくれてみんな喜んでますから」
と言われ、さらに、
「ゴールの近くの人がいないところで停めますから、そこからゴールして下さい。みんな待ってますので」
なんて、予想外なありがたいお言葉。
さらに、
「ところで、制限時間ってどのくらいなんですか ? 」
「う~ん、制限時間ってあったかな ? 最後のランナーがゴールするまででいいんじゃないんですか」
へえ、あたたかくもゆる~いご返事。
街中の大会じゃ考えられないおおらかさ。
そんな話しのさなかにも、車は折り返したランナーたちを次々に抜き去り、カネゴンは車の中から手を振り声援を送る。
やがてレンジャーたちに追いつき追い越した。
唖然と見送るレンジャーたちに手を振り、VIPのょうなヘンな怪獣カネゴン。
この状況を写真に撮っていたら、相当おかしな光景なんだけど、残念ながら誰もカメラも携帯も持っていなかった。
ゴールの手前1㎞ぐらいのところで車は停まり、スポーツドリンクを頂き、お礼を言ってカネゴンは走り出す。
子供たちが後を追って、顔を覗き込む。
またまた吹き出した汗が流れるままに、頭の中にはロッキーのテーマが鳴り響く。
ゴールの旧奥川小学校に曲がるところで、メガホンを持った警備の方々が、「カネゴンきた! 」と叫ぶ。
多くの声援に迎えられながら、ちよっとインチキしたカネゴンがゴール。
関係者の方々から、次々と「ご苦労様」「ありがとう」と声をかけられ、ひたすら恐縮するカネゴン。
そして握手と写真攻め。
計測チップを外してもらい、完走証まで頂き、合流したピンクとともに、コースに戻りレンジャーたちを待ち受ける。
待ってる間に、お巡りさんに写真を撮ってもらっちゃった
レンジャーたちの後ろにランナーがいるので、今回はイエローがビリッケツでゴールして大会が終わるという訳にはいかないが、この暑さの中みんなよく頑張った。
今年は関係者の方や沿道の応援の人だけでなく、ランナーからも、
「来年も待ってるよ」
と声をかけて頂いた。
「楽走戦隊ハシレンジャー」&カネゴン、ミッション完了。
今回で奥川はいったん終わりにしようと話し合っていたが、走り終わってイエロー意外は全員「来年も来たい」ということになった。
自然がいい、空気がうまい、水がきれい、子供たちの笑顔がいい、人々がおおらかであたたかい、奥乃荘の食事が素敵、どれをとってもいいことずくめで、少々難があるとすれば交通の便くらいだ。
参加者が955人という小さな大会だが、奥川地区の人口より多い人が集まり、リピーターも多く38年も続いているのは、街中の大会にはない魅力があるからだろう、来てみればわかる。
それにしてもこんなフザケタ恰好で走って感謝されるなんて、ほんとうに有り難いことだ。
ありがとう奥川、ありがとう西会津の人たち、来年もきっと行きます。
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