お好み夜話-Ver2

小布施ぐるぐる3時間半

年間120万人もの観光客が訪れる小布施の町ではありますが、ふだんは葛飾柴又のような小さな気取らない駅前でございます。

そこに朝も早よから、1万数千人の珍妙な格好をした連中が押し掛けるのですから、わたくしのようなしがない渡世人なんてまったく目立たないのでございます。


チアリーダーあり、なんとか戦隊あり、白鳥やマグロ、アリスワンダーランドから男のセーラー服やブルマー、イカ、タコ、カブトムシなどなど、ここはいったい東京ビッグサイトですかっ てなぐあいで、こんな程度では注目度が低いのであります


申し遅れました。
わたくし 姓は車 名は寅次郎 人呼んでフーテンの寅と発します。
西に行きましても東に行きましても、とかく、土地土地のオアニイサンオアネエサンに御厄介かけがちなる若造でござんす。
以後見苦しき面体お見知りおかれまして、恐惶万端引き立って、宜しくお頼み申します。


って、まあそんなことぁどうでもいい・・・・・・

昨日の雨が嘘のように晴れ渡り、朝の9時にはもう気温が35度にもはね上がっちまって、結構毛だらけ猫灰だらけ、尻の周りは糞だらけ、ってね、ああもうこうなったら自棄だ、ねえ、自棄のやん八日焼けの茄子色が黒くて食いつきたいが、わたしゃ入れ歯で歯が立たないよ、ときやがった。


粋なダボシャツが汗でべっとり濡れて、後ろから来たランナーに、

「寅さん、シャツがシースルーだよ」

なんて言われちまったり、

「鞄が重そうだね」(重量2.5kg)

なんてことも度々言われるもんだから、

「なあに、オレの頭とおんなじで空っぽだよ」

と受け答えしながら、田んぼのあぜ道、路地裏、お墓のあいだ、ぶどう畑、そしてわたくしに一番お似合いだと自惚れる河原の土手を、鞄を片手にひた走り、小さな小布施の町という町をぐるぐる回るワンウェイのコースを堪能させてもらいやした。

それにしても、真夏の腹巻は堪えます。

けれど上には上がいるもので、ベストコスチューム賞の第1位に輝いたのはガンダムでありました。


こんなもの着込んで21kmもよく走れるねぇ


まあしかし、わたくしの愚かなるかあちゃんも無事ハーフマラソンを完走できたし、途中の各給水所でふるまわれるオレンジやドリンク、ワインや信州牛のソーセージ、トマトやキュウリ、アイスクリームなどなど、十分なおもてなしにも感動した3時間半。

沿道の観客から

「寅さ~ん、どこ行くのー」

と、声かけられて、

「また旅にでるのよ。そこが渡世人の辛れぇところよ」

などと、ニヤニヤしながらハイタッチしながらも、この格好で鞄を提げてフルマラソンは死んじまうゼと思ったのでありました。

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