テレビのマラソン中継は見るが、生で応援するのははじめてだ。
いつかは自分が参戦する時のために、その雰囲気や緊張感に触れておきたいと思ったのだ。
だが一番の目的は、ゼッケン22402を着けた男の走りを見定めることだ。
彼は一昨年も雨の中を完走し、レース後、美味そうに生ビールを飲み干した。
実業団で走り込んでいた20代の頃と比べると、だいぶお肉がついて、いかにも“パパ”な感じになってしまったが、記録を追い求めていた時とちがい、楽しんで走ることの喜びを実感しているのだという。
だから今回はリラックスして、携帯電話持参で、走りながら風景や、逆に観客を撮ってやろうなどと考えてもいるようだ。
去年まで、走ることはおろか、歩くことさえ面倒くさく考えていたこのオヤジが、毎日のようにあちこち歩きかつ走り、この5月にレースに出ようなどとは、いったい誰が予想したろう。
自分でもびっくりだ。
しかし、そんな時彼のアドバイスがあったからこそ、無理をせずマイペースでここまでやってこれたとも思う。
いわば彼は、オヤジの走りの師匠でもある。
その師匠が走るとなれば、見届けなければならんでしょう。
本日桜の開花宣言が出た。
我が家の近所の標準木、「田中屋商店」さんの前の桜の木ももちらほら花をつけ、晴空の下揺れている。
それなのに、明日は雨が降るかもしれないという。
雨のランナーはしんどいやね。
でも、美味い生ビールが待ってるよ。
記録よりも記憶に残る走りを見せてくれ。
走れ ゼッケン22402番
楽しんでくれ
「auちゃんパパ」
