お好み夜話-Ver2

ホメ殺し月間

今月は「ホメ殺し」月間になった。

というのは、つい先日、さるお客様と賭けをしたからだ。
オヤジが負けたら、おでん鍋の中のものをいつでも、すきなだけ、どれでも食べていい権利を約束するというもので、もし万が一オヤジが勝ったら、その方は、モグランポに来店したさいには、つねにどのタイミングでも、オヤジのことや店のことを誉め讃えるという約束だった。(なぜこんな約束をしたのかというと、この方は普段から、けっこう辛辣にオヤジのことを酔眼流・一刀両断で斬りまくってくれるからだ)

一昨夜、その約束が実行された。
ものすごーく不自然なくらい、突然のハイテンションで、オヤジとモグランポが誉め讃えられた。
つまり、オヤジがその方との賭けに勝ったということだ。

カウンターに落ち着き、いつものように「プゥハァ~ ! 」(こちらがうらやましくなるくらい)と生ビールを飲み、いきなり大きな良く通る声で言った。

「いやぁ、この店の生ビールはいつ飲んでも旨いなぁ。 千住一旨いよねぇ。何杯でも飲めちゃうよねぇ ! 」

まぁ、悪くはないんだけど、酔っぱらって何回も言われたらちょっとうっとおしいよなぁ・・・・。
これが今月いっぱい実行される約束なのだけど・・・・・。

でもそのお方は、やけくそのように何度もおべっかとよいしょを繰り返すのだ。
どこの誰かは申し上げるまでもないのだが、こんなデロデロちゃんな人をカウンターに見かけたら要注意 be

 この方に逆らったら、千住で商売ができなくなるのであります。恐ろしい・・・・・(立川談志師匠ではありません、念のため)

しかし、そのおかげなのかどうか、たまたまテーブル席に居合わせた若者3人が、生ビールをけっこうおかわりしてくれて、帰り際にこう言ってくれた。

「ここの生ビールって旨いっスよねぇ。ほかとなんか違いますよねぇ。なんでっスか ? 」

若者よ、話せば長いことながら、かいつまんで云えば、

「愛と鮮度と注ぎ方」

なのだ。

ありがとう、若人よ。
あ、談志師匠もありがとうございます。
次回はちょっと押さえ気味に、よろしくお願いしますネ peace
賭けの中身は極秘ということで・・・・・ symbol5

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