Hグループに並んだ我がチームモグランポの面々は、中間地点ぐらいまではみんな一緒にキロ7分くらいのペースで行くということだったので、スタートしてから15分が経過してもまだやってこない。
待っていると身体は冷えてくるしトイレにも行きたくなってくるが、せっかく確保した応援ポジションを離れたくないので、仮装ランナーに声援を送りながらじっと待つ。
やがてやって来た揃いのTシャツの面々を見て、
おいっ !!
となった。
いつの間にか連中、オヤジの顔写真をプリントしてお面にして帽子に貼りつけていた。
かあちゃんもグルになって、ひとの顔で遊んでやがる
してやったりとニヤニヤしながら走り過ぎる連中から、「投げちゃん」が応援に来ていると聞かされて、またビックリ。
彼女もまた京都に引き続き、サプライズで来てくれたのだ。
すぐ近くにいた「投げちゃん」と連絡を取って落ちあうと、もう応援なんかやめて、彼女と手に手を取り合ってどこかのお店で暖かいものでも飲み食いして、USJあたりで遊んじゃおうかとチラッと思ったが、「ハイハイ」と軽く彼女にいなされて、次の応援ポイントを目指す。
地下鉄に乗って次の待ち伏せ地点、京セラドーム前へ移動。
自分が走らないとなると、すっかりルートや時間などもアバウトで、テキトウにゴールまでプラプラしていけばいいやぐらいだったのだが、「投げちゃん」が携帯でこまめに連中が走っている場所や時間をチェックしてくれて、オヤジはすっかりルンルン気分で彼女任せ。
しかしそれにしても、キロ7分ペースはゆっくりだ。
なかなか来ないし、道路は横断も制限されているし、トイレを我慢していたら血尿が出てしまった
手術後1週間も経っていないから、そういうこともあると聞かされていたが、少しだけ焦って間を置かずに水分補給を心がけることにしたら、ほどなく解消された。
そうこうしているうちに連中が通り過ぎた。
折り返して中間地点を過ぎ、元気のある者はそこからペースを上げるということだったので、こちらも再び移動を開始、次は難関の南港大橋か、ゴール付近で待ちぶせだ。
東京マラソンの時もそうだが、応援の人達で駅も電車も激混みだ。
トラムに乗るのに並んで待ち、南港大橋の近くで降りようと思ったが、あまりに人が多いのでゴール付近まで行ってしまったほうがいいと判断し、Finishのインデックス大阪を目指しコスモスクエア駅で下車。
「投げちゃん」の携帯情報では、30㎞辺りからみんなのペースがガクッと落ちて、それでも「ホリちゃん」、「タカちゃん」「むっちゃん」の3人は一緒に走行しているようだが、かあちゃんと「ハマちゃん」、それにあろうことか師匠までがまるで進んでいないことがわかった。
Finishゲートの300m手前ぐらいに場所を確保して、背伸びするようにしてみんなを待つ。
やがて5時間のペースメーカーが通り過ぎ、しばらくしてから「ホリ、タカ、むっちゃん」の3人が笑顔でゴールへ向かった。
30㎞過ぎの地点で動かなくなったかあちゃんから電話があり、脚がつり貧血状態で救護所にいるという。
無理せずリタイアして、収容バスで戻ってくる事になった。
まあそういうともあるのだ、それは誰よりもこのオヤジが身に染みてわかっているのだ。
ひとり脱落者がでて、残りふたり。
予想外の師匠はどうした
なにかアクシデントがあったに違いないと思い待っていると、きた !!
脚を引きずって、カニ歩きみたいに通り過ぎる。
なんでも、18年間ではじめて両脚がつってしまい、どうしょうもなかったのだという。
そうそう、そういうこともあるのだ、それもこのオヤジはよっくわかっている。
だが、ただひとり遅れている調子コキに限っては、何かあってもバカヤロウ !! （by みのもんた）と叱るしかない。
このフルマラソンをナメていて、イメージトレーニングしかせず、前夜に調子こいて酒は飲むは、寝る前に牛丼は食べるはと、ランナーにあるまじき態度だったから、脚がつろうが倒れようが自業自得としか言いようがない。
で、6時間を過ぎて調子コキ、ニヤニヤしながら歩くのと変わらないペースでやって来た。
待ってる方も疲れたぜ、このパプリカ野郎 !! （中はスカスカで中身がないってことね）
収容バスで戻って来たかあちゃんと合流して宿へ戻り、夜はかあちゃんの同級生がやっているお寿司屋さんでお疲れさん会だ。
すっと一緒に付き合ってくれた「投げちゃん」は、今夜は友達の家に泊めてもらうのだと言うが、同室の師匠を追いだして彼女を泊めたいくらいだった。
お寿司屋さんの個室を借りて、みんなで乾杯。
師匠のご両親もいらして、和気藹々と旨い魚貝類に舌鼓をうつ。
オヤジも1ヶ月とちょっとぶりに、生ビールを少しだけ飲んだ。
結構歩いたし、気分も高揚していたので、やはり疲れた。
大阪から帰ってきた次の日はグダグダだった。
かあちゃんもイマイチで、かすれてミッキーのような声しか出ず、昼間はずっと寝ていて夕方ようやく仕込みに行った。
でもなんとか本日は大丈夫。
予定通り今晩から店を再開します。
ながらく休んで申し訳ありませんでした。
