プラムフィールズ27番地。

本・映画・美術・仙台89ers・フィギュアスケートについての四方山話。

< どうする家康 6話 >

2023年03月08日 | ドラマ。
いやー、今回もいいですねー。にやにやしながら見てしまうよ。

何がいいってね。多くの登場人物に見せ場を用意しているところだね。

野間口徹がかっこよく、儚く死んだよ。
死にざままで見せる大役ではなかっただろうと思うのだが、
なんだか今回の鵜殿何とかさんは妙に見せ場が多かった。
これは脚本か演出か、あるいはどっちもかの贔屓が相当入ってるね。

あとねー、築山殿の父母:渡部篤郎と真矢みきが。
渡部篤郎はそこまでではなかったかもしれない。
真矢みきが。

真矢みきは前話でかなり株を下げたんだよね。
娘の幼馴染にうっかり気を許して喋ったことで、逃亡計画が漏れて、
(なぜか野間口徹が制止に来て。あ、一応幼馴染は野間口徹の妹という設定ですが。
でも年齢的に妹は無理があるんだよね。)半蔵組がほぼ皆殺し。
その責めを一手に負うべき立場だった。

が、人質交換の時に、親の自分たちはいいから築山殿と子どもたちだけは
家康の元へ行かせてやってくれと申し出る。
……ここ、難しいと思うんだよ。わたしはずっと思っていた。
氏真があれほど家康に対して憎しみを募らせる演出はまずいんじゃないかと。
築山殿を辱めるまでする氏真が、いくら功臣の息子たちと交換とはいえ、
心情的に、家康に妻子を返還する気になるものかね?と。

しかしここで真矢みきの今川一族という立場、
そしてその演技が奏功だったと思うんだよ。

言い伝えによれば築山殿の母は義元の妹。……まあこれには諸説あるし、
ドラマの中でも、そこまで近い関係に描いていたわけではなかった。
むしろ妹だとするとちょっと水臭いくらいだろう。
見てるだけだったら、従妹かはとこくらいの感触か。

でも、一族の者としてずっと見てるわけだよ、真矢みきは溝端淳平を。赤ん坊の頃から。
必死で哀願するのではなく。一族の上の世代の者として言う。
ここは真矢みきの立場では実際には言えたかどうか、というところだけど……
真矢みきの演技で説得力が出たんだよなー。これは出来る人と出来ない人がいる
役どころだと思う。上手い。役者を上手く使った。

そして最大に上手いと思ったところは、最後に10秒くらい氏真を映したでしょう。
義元の形見の鎧を前に、夕暮れの中、悔し涙に暮れる姿を一瞬映すでしょう。
これがあるのとないのとじゃ話の説得力と締まり具合がまったく違うよね!
一瞬がいいよね!背中を見せるのがいいよね!夕暮れの色使いがいいよね!
溝端淳平の、1人だけノン・ユーモラスな、ガチガチの大河風の演技が活きてるよね!

脚本エライ!演出家エライ!



……ってなわけで、ここまでは大変楽しく見ております。
わくわく感が6話まで続いてるのなんて奇跡的!がんばれがんばれ!





コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ◇ ノックス「探偵小説十戒 ... | トップ |  ◇ 森銑三「明治人物閑話」 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ドラマ。」カテゴリの最新記事