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本・映画・美術・仙台89ers・フィギュアスケートについての四方山話。

◇ ノックス「探偵小説十戒 幻の探偵小説コレクション」

2023年03月05日 | ◇読んだ本の感想。
ミステリ読みだったら「ノックスの探偵小説十戒」は一再ならず見たことがある言葉。
いつか原典を読みたいなあと思っていた。

そしたらこれって、小説でもミステリについてのまとまった評伝でもなく、
ノックス編のアンソロジーの前書きに書かれた内容だったんですね!
長めだけど前書き。つまり、引用で読む「十戒」と内容はそんなに変わりません。
そういう意味では特に原典を読む旨味なし。

ミステリ短編アンソロジーですから、それは読んで良かったけど。
わりと面白いものが多かった。……中身覚えてないが。

訳者あとがきによれば、原典は20編なんだって。
それを紙数の関係でけずって14編で日本語訳出版。
――これもよく行われていることだけど、けっこう乱暴な話ですよねー。
編者はその20編で一つの作品を編みあげるのに、
翻訳する際には恣意的に削られてしまう。

たとえば「ヴィーナスの誕生」を日本で展示することになって、
運ぶ時の箱に入らないからと言って、首を切り落とす。そういうレベルの話だと思う。

でも14編の日本版も450ぺージくらいで、読むの大変ですからね。
20編だと700ページくらいになる。上下巻でも読むのも苦労するから。
短編とはいえね。

あ、その前書き部分でノックスが、遠慮会釈なく有名どころ(クリスティや
ブラウン神父やその他)の名前を出して書いているところが面白かった。
あまりありませんからね、批判的に有名どころの話は。
こういうところが読めたのはまあまあ。


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