うた。の消したい備忘録。

思い出供養の為に始めました。
思い出話や何か思ったことを書きます。

食べたいものはないが空腹。

2022-03-06 08:16:15 | 日記
私は食いしん坊。夕飯の後におやつを食べることだってある。
子供の頃、給食でたまにやってくる食後のデザートに喜びを覚えた。
時は進み、大人になった今は食後のデザートそれ自体に喜びは感じない、寧ろ食後にデザートが無いことに怒りを覚える。ただ食後のデザートの有無で「ある喜びより無い事への不満」という人間が持つある種の普遍的なテーマにまで繋がるから不思議。

しかし、更に時は進む。
それなりに大人になってしまった今。不思議と食べたいものがない。
言ってしまえば何でも買える状況にあると思う。おやつだって好きなものを食べれる、ご飯のメニューだって思いのまま。

なのに食べたいものがないのは(昨今の世界の食糧事情を見る限り)皮肉以外何者でもない。

ここ最近ずっとそんな調子なので食欲がない。
食べるのはお粥と納豆。
甘いものもしょっぱいものも久しく食べていない。

「これではいかん!」

思い出を振り返るのを辞めて、昔したかったことをやってみることにした。



子供の頃菓子パンにはまった。
菓子パンと言っても、メロンパンとかクリームパンの2つ。


子供の頃私はひらめいてしまった「菓子パンだけでも美味しいから、これにおかずがあればもっと美味しいはず!」と。


当然、食育上かつ家庭内経済的にも叶わぬ夢だった。
その夢を今こそ叶えよう!
私は近所のスーパーで足早にクリームメロンパンと牛ヒレ肉を買った。

牛ヒレ肉を焼いてそれをおかずに菓子パンを食べる。
牛ヒレ肉は少し厚い物を買った。
早速調理。
肉を焼いているとき私がどんな気持ちだったか皆さんは想像できるだろうか?

何しろ子供の頃からの夢を叶えるのだ。
胸が踊る。
お金がなくてロースハムを焼いてステーキと呼んでいたあの頃を思い出す。
それは、苦く遠い思い出。

現在目の前に焼かれている物との落差を感じつつステーキ完成。
本物のステーキだ。ロースハムを焼いたものではない!

そして、ついに実食。
美味しいおかずと菓子パンが目の前に並ぶ。
「いただきます!」
私は理性を忘れ菓子パンを食べた。

久々の甘いものだったこともあり半分ぐらいまで一気に食べた。
するとどうだろう、信じがたいがお腹が一杯になってしまった。「えぇ?そんなばかな。」と思わず呟いてしまった。

まだまだクリームメロンパンは半分以上ある。
更に牛ヒレ肉のステーキに至っては手をつけていない。

「はぁ~夢は夢か」

空腹は最大のソースという名言が満腹に染みる。3月の寒空を背景に食べたくもないステーキを食べたのだった。


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