この歌は、7月6日の狭山歌会四周年のときに、ダントツ一席となった作品だ。作者が名前をださないなら紹介してもいいと仰ってくださったので、今日はこの歌について、わたしなりの思いを書いてみたい。
わたしがこの歌をみて、一番強く思ったことは、こころは自分自身でしか裁くことができないということだ。思いがけず、先生も歌会で同じようにコメントされていて、また先生と思いが重なってしまった。
わたしは作者の事情を知っているので、この歌をみても、よくここまで気持ちをおさえ淡々と歌にすることができたなとしか感じなかったが、作者の事情を知らない方には感情が生々しく重たすぎると感じるかもしれない。
作者の事情をここに書くことは控える。個人の事情はぬきにしても、この歌はこころというものをよく表していると思う。わたしは言葉や行動に表されるまえのこころや思いというものは、自由で誰にも介入されることのない、不可侵なものだと強く思っている。
こころという自分だけの世界を裁けるのは、自分でしかありえない。