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クルシャの天地

『ウルタールのうる』第十六巻ガイド





『ウルタールのうる』第十六巻が出版されました。

ヤッシャの三日天下「ローガール事件」が終わり、リンクスに女王が帰還します。
ウルタールの首都では利敵団体の活動が暴かれていきます。


自分を不幸だと感じて時間と能力を浪費しないための簡単な手当といえば
他人と比較しないこと、所期の目的に徹すること、現状が続くと思わないこと
くらいでしょうか。前回、電子書籍出版し始めて三年ほどになったので、
すこし電子書籍の個人販売の様子など調べてみました。うるたやとは、目的
も規模もマーケティングも違う話がいくつも出てきます。
うるたやの目的は作品のデジタル化と市場参加。本作に限っては仲好しだった
ウルタ君と猫たち、その他すべてへの感謝を完結させたいということであり、
そのためシステムやビジネス上のギミックを用いた戦術に関与していません。
マーケティングに関しては、本ガイドなどで情報提供させていただくのと、
ブログ掲載分の巻につきまして毎回必ず無料頒布期間を最大限にして設ける
ことくらいが具体策。差異化モデルの材料となるような同業他社なるものは
存在していないのです。
とにかく、ざっとこの分野に参入している方面の記事を見ますと、まだ発展
途中の市場にありがちな、あらゆる見方や方法論が混在しているな、という
印象。この認識は持ちながら、不幸にならない程度に、たまに認識を更新しつつ、
作業を進めて参ります。


本ガイドが読者の皆様方にとって幾分かの助力となれば幸いでございます。





表紙


ヤッシャ

小人。表紙のヤッシャは、四重に呪われた状態で、程よくラシェルのシチューが
効いてきている表情。着衣はナタンのローブを拝借しているところで、呪われた
状態で悦に入っている図。全体主義の権力乱用に際して、実行部隊に小人が抜擢
される例がある。ドイツのハインリヒ・ヒムラーや、ソ連のラヴレンチー・ベリヤ
など。この両者は容貌まで似ていると言われた。
体制が変更されるとき、必ず誅される。明末の宦官、魏忠賢は殊更悪く記録されて
いるので、その事績はやや離れて見るべきだが、ヤッシャの性質は魏忠賢に近い。

修行期間終了後、リンクス軍に仕官。東方のウルタール国境地域に赴任し、やがて
分隊長となってウルタールの武装隊商の摘発任務で成果を挙げる。
第四十四回鎮西軍襲来に際しては、マウクシ険塞の司令として威を振るっていたが、
モシェの東方軍集団とは連携を欠き、配下には強圧的で、敵には日和見的な態度で
臨んだため、金城鉄壁だったはずの険塞を一夜で奪われてしまう。

捕囚生活を終えた後、ローガールに傷病者として帰還できたが、リンクスの陸軍省
法務局に呼び出され、主に険塞失地の際のリンクスらしからぬ責任者逃走の罪に
問われ、その場で解官された上に被告として法廷に来るよう言い渡された。

ナタン謀叛を阻止せよと書かれた偽の女王密書を受け、追い詰められたヤッシャは
共同軍演習の隙を狙ってローガールで活動し、不死隊を籠絡。王命親授軍総帥と僭称
し、市民と死者たちの財産を奪う。

共同軍が解放軍となって北上するとローガールを脱し、ナタン邸を奪取、敵が迫る
中、貴金属に執着して時間を無駄にした上、自らは電気融解炉に落下して炭となった。






第十六巻のあらすじ 

王命親授軍総帥を名乗るヤッシャは、ローガールから西へ逃亡し、ナタン邸
を占拠。四重に呪われながら、亡霊の導きに従った挙げ句、自滅する。
ローガール事件の工作に関わって真相の一端を知るアハロンは軍籍を離脱。
ウルプライム市民となったアハロンは、将軍護衛官メナスの指揮する突撃捜査
を目撃する。メナスが捜査対象とした犯罪者の根拠地は、兵器組立工場だった。







キャラクターピックアップ


ブリハス

デボンレックス。
ウルタール元老院議員。東方の湖沼地帯出身、孤児として湖沼地域を放浪し、
生き残るためにカワウソらの隊商組織で働く。
ウルプライムに現れた時、莫大な資金力と組織を携えていた。東方勢力の
代弁者として教育機関「東方の声」を設立し、組織化。
同時に支持基盤を広げて、地方の会合の議長から二段階抜きで元老院議員
に選出される。
元老院に登院した後、東方軍への影響力を強め、ウルタールの東方化を
あからさまに推進していたが、高教府の指名によりウルタが鎮西将軍となる
と、鎮西軍解体の為に工作を行う。配下の機関誌職員らを用いてウルプライム
の飼主を襲撃させ、失敗。工作員を自らの手で処分。
密輸と兵器の独自開発にも手を染めていたが、メナスによって暴かれる。
議会を動かして鎮西将軍の越権行為を糾弾しようと画策していた矢先に、
東方軍の送り込んだ暗殺者の手に掛かって死亡する。





事象

問題児専用幼稚園

「東方の声」財団がウルプライムと郊外の境界に数カ所設置した教育施設。
生来粗暴な子猫、常同行動が見られるなど、障碍以外の問題が見られる
子猫らを保護、養育する。矢島一向は、ウルタによってこの施設での世話係
として送られた。
教育施設とされるが、実態はブリハスらが属する東方機関の拠点のひとつ。
子猫らのうち、素質のあるものは組織の要員となる。



ウルタールのうる: 巻十六 (うるたやBOOKS)
クリエーター情報なし
うるたや


新刊『ウルタールのうる』第十六巻

表紙 ヤッシャ 「やれやれ、危ないところ、あっ」

附 「ウルタール世界の地図」

4月25日17時頃より5日間、無料配本



ダウンロードしてすぐお読みになれます。

次巻発売開始迄には、当ブログ内の該当連載記事が
順次消去されていきます。

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