今時、鬼コーチは必要か？

鬼といえば語弊がありますが、私はチーム内では最も子供たちに厳しく接するコーチです。子供たちもウンザリしているかもしれません。親子で学ぼうサッカーアカデミーなどのＴＶ番組や、クーバーのコーチなどを見ていると、子供たちを叱らずに上手く指導しているなと思います。今時、厳しいコーチなんか必要なのでしょうか？

子供たちに厳しく接することについては、時には後で自己嫌悪に陥ったり、子供たちに悪影響を与えていないかと心配したり、個人的には色々悩むことも多いです。しかし、私が子供たちに厳しくしているのは少しわけがあります。

学校の先生で最も記憶に残る先生は？　と聞かれると、思い浮かぶのは小学３・４年生のときの担任のＭ先生と、高校のときのＩ先生。どちらも厳しい先生でした。特にＭ先生には、泳げなかった私を泳げるようにしてもらいました。小さな漁村で育った私は、小学１年生の冬に防波堤から海に落ちて溺れた経験があります。それ以来泳ぐことを避けていました。漁村ですから、友達の中には潜ってサザエやあわびなどを獲って旅館などに売って小遣いを稼ぐ子もいました。恐るべし。

Ｍ先生は、体育の水泳の時間に足が届かないところに私を放り投げるいう教育委員会も真っ青の指導で、なんとか私を泳げるようにしてくれました。私は子供ながらにおびえながらも、なんとか浮く術を知り、そして泳げるようになりました。それからは、夏休みは毎日海水浴です。沖のブイまで友達と競争したり、高い防波堤から飛び込んだり、潜って遊んだり、海が大好きになりました。お陰さまで、毎月風邪を引いて病院に行き、お医者さんにまた来たか弱虫と言われていた虚弱児の私が、人並みに丈夫な体になることが出来ました。

私が特に厳しくなったのは、今の中２の子供たちを小学３年生から６年生の間担当することになってからでしょう。それまでは、うちのクラブは土日しか練習がなく、他のクラブに対して練習時間や試合数で足元にも及ばないので、まあそこそこの強さになればいいかと思っていました。しかし、初めて３年生から４年間同じ学年を受け持つことになり、なんとか６年生になった時に枚方市で一番強いチームにしようと考えました。結局、枚方市の連盟主催の大会で優勝することは出来ませんでしたが、知事杯では中央大会まで進むことが出来ました。４年間、結構厳しく子供たちに接していたので、中には私のことを嫌いな子もいたかも知れません。ただ、嫌いでも好きでも子供たちには記憶に残るコーチだったのでは？　それが良いことか悪いことかは判りませんが...。

今は５年生を４年生時から担当していますが、多分来年も担当すると思います。関西小学生大会，全日本少年サッカー大会，知事杯で、まずは中央大会に進むことと、枚方サッカー連盟の大会で優勝することを目標に、またも厳しく指導しています。５年生諸君、申し訳ありませんが、あと１年半付き合って頂戴。ところで、鬼コーチは必要なんでしょうか？　これは、今の中２、５年生の私が厳しく接した子供たちが２０歳くらいになった時に聞いてみたいですね。