White and Black Wing

『ツバサ』の吸血鬼双子と猫LOVE
最近はマイペースに更新中

結局up

2008年03月16日 | SS
昨日の日記に書いたヘタレSS
特にネタもないことだしupする事にしました
ちなみに星史郎さん視点の話



『ある世界での話』


「兄さんは、ここで待っててくださいね」

あ、これ持っててください。
そう付け足すように言い、自分が持っていたビニール袋を僕に押し付けてから封真は店に入って行った。
ここに『頼まれたもの』があるらしい。

久しぶりに会った弟は僕を見下ろすほど成長していた。
年の離れた弟に追い越されるなんて想像もつかなくて最初は封真だと気付かなかったくらいだ。
成長が著しく遅くなってしまった自分の身体。
その原因を作った双子を探しているものの未だに見つからない。

「あの2人は、どこにいるんだろう」

何度言ったか分からないくらい呟いた言葉。
ふと視線を感じそちらへ目を向けると猫が2匹、こちらを見ていた。
片方の猫は海の色を写し取ったような青い瞳で、もう片方は春から夏に移るときの葉のような緑の瞳の猫。
毛並みは2匹とも墨を溶かした様な漆黒。
自分が探している双子の姿が脳裏をよぎる。

「君たちも双子なのかな」

相手は猫。
答えなんて返ってくる筈ないのに、そう声をかけた。
こちらを見つめる4つの瞳がとても綺麗で、もう少し近くで見たくなって1歩近寄ってみた。
途端に青い瞳の猫がもう1匹を庇うように前へ出た。
そして身を低くし小さく唸り声を上げる。
1歩でも近寄るとすぐにでも飛びかかってきそうな状態だ。

――昴流に近寄るな。

ふと神威の声が聞こえた気がして思わず笑みがこぼれた。
どこまであの双子に似ているのか興味が湧く。
何かないかな……と、思いながら封真に渡されたビニール袋の中を漁ってみる。
程無くして猫が好きそうな食べ物を見つけた。

「これ食べる?」

ビニール袋の中の小袋から薄いかまぼこのような食べ物を2切れ出す。
そうして2匹が気兼ねなく食べられるように距離をとった。

そのまま見守っていると、緑色の瞳の猫が前へ出てこようと歩を進め出した。
それに気がついた青い瞳の猫が後ろを振り返り、にゃ。となく。
すると緑色の瞳の猫は足を止めて、にゃ。と返した。

2匹は何度か、にゃ。の応酬をしていたのだが結局、青い瞳の猫が折れたらしい。
緑色の瞳の猫が前に出てきて食べ物の方に寄って来た。
そして何度か匂いを嗅ぐと後ろを振り返り小さく、にゃ。とないた。
しかし青い瞳の猫は油断ならないとでも言いたげに警戒したままだ。

緑色の瞳の猫は暫くの間、青い瞳の猫を見ていた。
その様子は、まるで自分の傍に来るのを待っているようだった。
けれど警戒を解かない様子に諦めたのだろう。
1切れ食べると、こちらを向いて、にゃ。となき、もう1切れを咥えて青い瞳の猫の所に持って行く。
そして足元に置くと頬の辺りを鼻で突いて食べるよう促した。

青い瞳の猫は僕に対しての警戒を解かずに食べると、緑色の瞳の猫を庇うように前に出た。
本当にあの双子とそっくりだなぁ。
などと呑気に思っていた時――

「兄さん何をしてるんですか?」

店のドアが開いて封真が姿を現した。
突然の出来事に2匹の猫は文字通り飛び上がると、走って封真から離れる。
そして、やっぱり青い瞳の猫が緑色の瞳の猫の前に立った。

「ちょっと可愛らしい猫たちに餌をね」
「へぇ。兄さんが猫好きだったとは知りませんでした」
「猫だから餌をやった訳じゃないんだ」

そう言うと封真は、俺には普通の猫に見えるんですけど。と言うと猫を興味深そうに見やる。
この様子だと封真は、あの双子には会ってないようだ。
でも……
これから先、どこかで会うかもしれない。
あの双子の事を話しておこうか。

「僕は人探しをしていて――」

語り始めると封真は面白そうな顔でこちらを見やった――

Fin

――――――――――
吸血鬼双子そっくりな猫2匹と狩人兄弟の話でした
(封真は少ししか出てませんが

そもそものキッカケが17巻 P55 封真が双子を見て「なるほど」って言ったこと
何が「なるほど」なの封真?
と考えて×2出た答えが
星史郎さんから双子の話を聞く時に何か双子にそっくりなものを見たんだ
でした

猫にしたのは
ただ単に自分が猫好きだったから
と脱力するような理由だったりします
ついでに、もう1つ脱力するような事を書きますと
題名は思いつかなかったので適当につけちゃいました
いいのが思いついたら変更するかもしれません

まぁ題名考える事よりイラスト描く方が優先事項ですね

今日はこの辺で